天疱瘡, 類天疱瘡にたいする免疫抑制剤の使用例を, 自験例, 西日本各大学のアンケート回答, 文献例をあわせてまとめ, 考察をおこなつた。
1)免疫抑制剤は, この両疾患にたいして, かなり有効な薬剤と考えられる。
2)天疱瘡で, 免疫抑制剤投与の適応となるのは, ステロイド大量維持を要して副作用の危険が大きい場合と, 皮疹が限局性, 非拡大性で, ステロイドを併用せず本剤だけで治療可能なときの2つの場合である。
3)皮疹の増悪, 拡大期にはステロイド投与が必要で, 本剤はそののちに投与すべきである。
4)使用する薬剤としては, 現在のところではImuranがすぐれている。
5)類天疱瘡は, まずステロイドを使用し, 治療経過が長く完治せぬ時に, はじめて併用投与を考慮すべきである。
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