西日本皮膚科
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43 巻, 4 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
図説
綜説
ワークショップ—皮膚科学における最近の生化学の進歩—
  • 小玉 肇, 荒川 謙三, 長尾 洋, 多田 讓治, 益田 勤, 野原 望
    1981 年 43 巻 4 号 p. 566-570
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
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    黄色腫の早期泡沫細胞は血中のリポ蛋白をとりこむことを抗βリポ蛋白抗体を用いた螢光抗体直接法により確認した。泡沫細胞はscavenger cellである組織球由来であり,線維芽細胞に由来するものではない。組織球にはnative formのリポ蛋白よりも異質なリポ蛋白が一層とりこまれやすいことが想定される。高分子デキストラン硫酸を家兎皮内に注射することにより発生させた黄色腫病変でのコレステロール代謝を検討して次の結果を得た。1) コレステロールが蓄積すると組織内でのコレステロール合成能は抑制されるが,そのエステル化は促進する。2) このエステル化には組織内で合成された脂肪酸より血清由来の脂肪酸が強く関与する。3) この際パルミチン酸よりオレイン酸が多く利用される。4) エステル化に関与する酵素はACATが主であり,LCATはほとんど関与しない。したがつて,黄色腫が陳旧化するにつれてコレステロールのオレイン酸エステルの蓄積が顕著になる。
  • 新海 浤
    1981 年 43 巻 4 号 p. 571-574
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    コラーゲン分子の合成経路を解説し,合成過程の異常に基づく遺伝性コラーゲン代謝異常症について,また組織培養を用いたコラーゲン代謝研究法につき述べた。
  • 野中 薫雄
    1981 年 43 巻 4 号 p. 575-579
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    21例の骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)と23例の晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)を臨床的,生化学的,病理組織学的に,また実験的ポルフィリン症マウスによる光線過敏状態を病理組織学的に観察し,ポルフィリン症皮膚病変の発現機序を検討した。EPPでは急性の光線過敏状態が著しく,PCTにおいては慢性変化が特徴的で水疱形成も光線惹起よりも外傷によるという訴えが多い。瘢痕もEPPに比べてPCTの場合には不明瞭な輪郭である。病理組織学的特徴は真皮上層毛細血管周囲のPAS陽性物質の沈着で,免疫螢光抗体法でも同一部位に免疫グロブリン,とくにIgGの沈着が認められ,EPPとPCTにおいてはその分布と程度に差異が認められる。実験的ポルフィリン症マウスでも同様の皮膚病変を引き起こすことができ,PAS陽性物質の沈着,IgGの沈着も認められるが,8-MOP外用と長波長紫外線による皮膚変化ではこれらの変化はみられない。
症例
研究
  • 西山 和光
    1981 年 43 巻 4 号 p. 597-607
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    皮膚悪性腫瘍55例について,非特異的細胞性免疫能に関してはリンパ球数,T細胞数,PHA添加リンパ球幼若化率ならびにPPD,PHA,カンジダ,SK/SDの各皮内反応の計7項目を,また全身状態に関しては赤血球数,ヘモグロビン値,アルブミン値,コリンエステラーゼ値,白血球数,IgG値,体重減少度,就床程度の計8項目をそれぞれ指標に選んで,化学療法を主体とした治療の2週間目ごとの追跡検査を行なつた結果,白血球数,IgG値以外のいずれの指標に関しても死亡群の末期では生存群の寛解時に比べて推計学的に有意の低下を示した。上記の各指標による宿主の抗腫瘍抵抗力に関する情報を総合的に評価するための方法として,各指標値の3段階に分けたscore化を試みた結果,それら各scoreの非特異的細胞性免疫能,全身状態および両者の和の各総合値はいずれも予後との間に有意の相関が認められ,臨床的に有用と考えられた。
  • 松崎 雅, 横井 時也, 藤吉 学, 友成 一英, 熊野 修治, 小倉 良平, 中嶋 啓介, 森川 藤凰, 百武 忍
    1981 年 43 巻 4 号 p. 608-616
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    シャンプーにフケとりの目的で添加してあるzinc pyridineum thiol N-oxide (Zpt)の効果を,表皮中の遊離ヌクレオチドの動態より生化学的に検討した。モルモットの表皮にn-hexadecane 25%石油エーテル液を塗布して,負化を誘起させ,ヌクレオチドは高速液体クロマトグラフ法で分析した。その結果,遊離ヌクレオチドはhyperkeratosisの像を生化学的に良く反映しているが,1% Zptの塗布は,n-hexadecaneのhyperkeratosisを軽減するとともに,遊離ヌクレオチドの増加をも抑制して,表皮の細胞代謝を正常域に近づけた。セレンやレチノイドにも同様の効果があるが,Zptは作用が穏かで安全性も高く,かつセレンやレチノイドと同程度の効果を有することを明らかにした。したがつて,シャンプーのフケとり剤としての効用が十分に期待し得るものであつた。
講座
統計
  • 出来尾 哲, 森安 昌治郎, 高垣 謙二, 山崎 玲子, 浜中 和子
    1981 年 43 巻 4 号 p. 621-624
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
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    1976年から1978年までに広島鉄道病院皮膚科および双三中央病院皮膚科を受診したkeratinous cystの患者のうち,嚢腫を摘除後病理組識学的に観察しえた91症例を対象として続計的観察をおこなつた。Keratinous cystは青年期~中年期の男性に好発し,その好発部位は,顔面,耳介およびその周囲,頸部~項部,背部,腰部~臀部であつた。Keratinous cystの大部分はepidermal cystで,trichilemmal cystはごく少数であつた。米国における同様の検索と比較すると,わが国においてはtrichilemmal cystの頻度が低いと思われた。
  • 平田 邦彦
    1981 年 43 巻 4 号 p. 625-631
    発行日: 1981/08/01
    公開日: 2012/03/22
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    住宅地開業医として最近5年間に観察した伝染性膿痂疹について統計的考察を行なつた。5年間の患者総数は28,123名で,膿痂疹患者は1,877名,その割合は6.7%であつた。これは従来の報告よりも高率であるが,市中央部病院との患者年代層の違いによるものと思われた。また,3才以上6才未満に最も多く,12才未満が97.1%を示した。7,8,9の3ヵ月で75%を占めたが冬期もみられ,部位では露出部が圧倒的に多かつた。今日の車社会による疾患の流動性を持つた変化もうかがえた。
治療
世界の皮膚科学者
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