0.05% Budesonide(BDS)軟膏, クリームを各々初回量として5g/日以上の塗布を必要とする慢性皮膚疾患患者53例に4∼16週間単純塗布し, その臨床効果および全身的影響を検討した。
1) 改善率(かなり軽快以上)は, 2週後に軟膏で70.4%, クリームで64.0%に達した。治療経過とともに改善率が高まり, 最終週では両剤とも100%を示した。
2) 副作用は, 軟膏で31例中5例(16.1%), クリームで27例中4例(14.8%), 計58例中9例(15.5%)にみられたが, 重篤な副作用は認めなかつた。
3) 有用性判定での有用率は軟膏で100%, クリームで92.3%, 全体で96.2%であつた。
4) 血清コルチゾール値では, BDS外用剤塗布による著明な変動はみられなかつた。軟膏塗布で4週後に有意な低下を認めたが, 一時的で軽度であつた。
5) 末梢血好酸球数についても, 血清コルチゾールと同様, BDS外用剤塗布による著明な変動はみられなかつた。軟膏で2週後に有意な低下, クリームで4週後に有意な上昇をみたが, いずれも軽度で一過性の変動であつた。
6) 一般臨床検査は軟膏27例, クリーム25例で実施し得たが, BDS外用剤に起因すると考えられる異常所見は認められなかつた。
以上から, BDS外用剤は長期投与においても優れた臨床効果が得られるとともに全身的影響も軽度な薬剤であると考えられる。
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