西日本皮膚科
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68 巻, 5 号
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図説
綜説
症例
  • 川村 由美, 橋壁 道雄, 五月女 聡浩, 籏持 淳, 山崎 雙次
    2006 年 68 巻 5 号 p. 487-490
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    症例1は66歳の男性。6ヵ月前より顔面の紅斑・丘疹,手背の苔癬化が出現し,全身に拡大。慢性湿疹にて加療されたが難治のため当科を受診した。症例2は61歳の男性。2年前より主に露光部に紅斑・丘疹,苔癬化が出現した。慢性湿疹にて加療されていたが,顔面・手背の皮疹増悪,全身に拡大したため当科再診となった。症例3は59歳の男性。6ヵ月前より露光部中心に紅斑・丘疹が出現した。近医にて加療されたが皮疹拡大し当科を受診した。3例とも光線テストにてUVAおよびUVBに対して陽性を示し,病理組織所見では慢性皮膚炎の像を呈した。治療は3例とも遮光とステロイド剤外用を行い皮疹はやや軽快したが,その後症例1,3ではマレイン酸クロルフェニラミン・ベタメタゾン配合剤(セレスタミン®)の内服を,症例1,2ではタクロリムス軟膏(プロトピック®軟膏)外用の併用を行いさらに改善がみられた。
  • 永瀬 浩太郎, 鈴木 康之, 井上 卓也, 三砂 範幸, 成澤 寛
    2006 年 68 巻 5 号 p. 491-495
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    55歳女性に生じたlivedo reticularis with summer ulcerationsの1例を経験した。両下肢および両側手背に不規則な網目状のやや褐色調を帯びた紅斑および色素沈着を認め,下腿前面および足背部にかけて多発する小潰瘍および白色萎縮性瘢痕,点状紫斑を認めた。さらに自験例は多発性単神経炎を伴っていた。病理組織学的には真皮中・下層から脂肪組織にかけての小血管内に,血栓形成を認めた。治療として,ニコチン製剤(ニコチンパッチ)を使用し,皮膚症状は改善したが,神経症状はやや軽快したものの残存した。本邦報告例では,下肢だけでなく上肢にも網状皮斑を認める症例は,そうでない症例に比べて,末梢神経症状を伴うものが多かった。広範に網状皮斑を認めた場合には,多発性単神経炎の有無も検討すべきと考えられた。
  • 川村 由美, 濱崎 洋一郎, 彭 志中, 北村 洋平, 籏持 淳, 山崎 雙次, 箕田 紳一郎, 松岡 博昭
    2006 年 68 巻 5 号 p. 496-499
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    81歳,女性。2004年7月,右第V趾に疼痛を伴う潰瘍が出現し,難治のため9月当科を受診した。有棘細胞癌を疑い,皮膚生検を施行したが悪性所見を認めず,12月には上皮化した。12月,急性心筋梗塞に対して動脈内カテーテルが施行され,当日より抗凝固療法を開始した。2005年1月より右第I趾の疼痛・チアノーゼが出現,徐々に右全趾および左第I,V趾に拡大したため2月当科を再診した。皮疹は趾腹から足底にかけての暗紫紅色斑および足趾の潰瘍,壊疽であり,病理所見で血管内にcholesterol cleftを認めた。一般検査所見では好酸球上昇と腎機能障害を示した。初診時の病理組織標本を再度詳細に検討したところ,真皮下層にcholesterol cleftを確認し,明らかな誘因なく発症し急性心筋梗塞に対するカテーテル操作により増悪したコレステロール結晶塞栓症と考えた。これまでに,特発性として報告されたものを集計したところ,多くの症例に大動脈瘤の合併がみられ,大動脈瘤が誘因の一つであることが示唆された。
  • 内平 美穂, 高畑 ゆみ子, 濱本 嘉昭, 武藤 正彦, 内平 孝雄, 櫻木 志津, 篠原 健次
    2006 年 68 巻 5 号 p. 500-503
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    29歳,女性。2003年10月下旬より発熱,頭痛が出現した。同年11月下旬より四肢末梢に出没を繰り返す有痛性の紫斑が同部位の腫脹を伴って出現した。山口県立中央病院(現山口県立総合医療センター)内科で不明熱および貧血の精査中であったが,皮疹について12月上旬,同院皮膚科紹介となった。血液検査所見では,好中球増多を含む炎症所見を認めた。初診時,左I・II趾腹側,左拇趾球に有痛性の紫斑を認め,塞栓症あるいは血管炎を考え生検を施行した。病理組織学的に真皮浅層から脂肪織にかけて核塵を伴う好中球主体の炎症細胞浸潤と比較的大きな血管に塞栓像を認めた。その3週間後,心エコー検査にて僧房弁に疣贅形成を認め,血液培養にてStreptococcus mitis(Streptococcus viridans属)が検出されたことより,感染性心内膜炎の診断に至った。自験例のように,皮膚症状の出現は,感染性心内膜炎の診断に極めて有用であり,皮膚科医は本疾患に伴う様々な皮疹を熟知しておく必要がある。
  •  
    小泉 裕子, 田畑 伸子, 奥山 隆平, 相場 節也
    2006 年 68 巻 5 号 p. 504-507
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    7ヵ月,女児。初診の約1ヵ月前より,両下腿に米粒大の皮疹が出現し,徐々に四肢に拡大してきた。病理組織所見では,類上皮細胞,多核巨細胞,リンパ球からなる肉芽腫が認められた。膠原線維間にムチン沈着が認められた。以上より汎発性環状肉芽腫と診断した。生検後,皮疹は消退してきている。本症例は本邦でのこれまでの報告の中で最年少であった。
  • 高木 磨美, 小林 桂子, 森田 明理, 沼田 時男
    2006 年 68 巻 5 号 p. 508-511
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    12歳の女児。出生時,全身に皮膚潮紅を認め,体幹・四肢に最大径10cmにおよぶ糜爛があった。徐々に落屑するようになり,3歳頃から洗濯板状の厚い鱗屑と水疱形成を認めた。5歳時よりエトレチナート0.2~0.5mg/kg/日の内服治療等を行い落屑性角化性局面は減少した。12歳時に行った皮膚病理検査では,角層の肥厚と表皮内に顆粒変性が認められ,水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と診断した。その後,エトレチナート内服治療を継続し,症状は徐々に軽快した。20歳時には,全身の角質肥厚は残存しているが,水疱形成や潮紅はみられなくなった。
  • 宇宿 一成
    2006 年 68 巻 5 号 p. 512-514
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    症例1,2は5歳と44歳の娘,父。肛囲に痒い紅斑が出現した。ともにA群β溶血性連鎖球菌が検出され,肛囲溶連菌性皮膚炎(perianal streptococcal dermatitis; 以下PSD)と診断した。1週間の抗生物質内服,外用で治癒した。PSDは,肛囲の紅斑を主訴とする疾患であり,小児に好発する。44歳の健常な成人に本症を生じることはまれであると考えた。これまでに筆者が経験した他のPSDの症例についても検討したところ,発症年齢は11か月から44歳,男子9例女子4例で男子が多かった。また,冬季発症例が13例中10例と多かった。溶連菌による合併症は,外陰膣炎が3例,亀頭包皮炎と中耳炎が1例ずつみられた。基礎疾患にアトピー性皮膚炎を有する者は5例だった。
  • 林 宏明, 稲沖 真, 藤本 亘
    2006 年 68 巻 5 号 p. 515-518
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    緑膿菌による趾間感染症(Pseudomonas toe web infection)の2例を経験した。治療は“hyperkeratoticrim”と表面滲出物のdebridementおよび1%酢酸液による足浴が有効であった。緑膿菌はウッド灯を用いると緑色の蛍光を発するため趾間感染症の早期診断に有用で治療効果判定にも使用できた。趾間感染症は宿主側の感受性および環境要因により再発を繰り返しやすい。今回の症例では1%酢酸液足浴による局所管理が再発予防にも有用であった。
  • 伊藤 絵里子, 市川 竜太郎, 寺尾 浩, 桐生 美麿
    2006 年 68 巻 5 号 p. 519-522
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    57歳,男性。左側腹部から始まり躯幹四肢に拡大するそう痒を伴う小水疱,紅斑を認めた。病理組織所見では表皮の海綿状態,基底層の液状変性や真皮内の単核球,好酸球浸潤を認め多形滲出性紅斑様の像であった。また蛍光抗体直接法では陰性であった。ステロイド内服を開始したところ皮疹は軽快した。患者は約2年前より健康食品としてウコンを内服していた。後日施行したウコンのパッチテストでも陽性を示し,ウコンによる多形滲出性紅斑様薬疹と診断した。
  • 伊藤 宏太郎, 久保田 由美子, 吉田 雄一, 中山 樹一郎
    2006 年 68 巻 5 号 p. 523-526
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    43歳,女性。初診日の約1年前よりうつ病の診断にて,ロフラゼプ酸エチル(メイラックス®),スルピリド(ドグマチール®)を内服中。半年前より,ミルナシプラン(トレドミン®)の併用を開始するも,効果不十分であり,2週間前にトレドミン®を塩酸マプロチリン(ルジオミール®)に変更した。2004年10月上旬,手背に紅斑が出現し,2日目に皮疹が全身に拡大し,顔面の腫脹を伴ってきたため,当科を受診した。初診時,多形紅斑様の皮疹を全身に認め,顔面腫脹と共に両眼瞼結膜の充血を認めた。また,左前腕の浸潤性紅斑部の皮膚生検にて,真皮上層の浮腫と血管周囲にリンパ球と好酸球の浸潤を認めた。この時点で2週間前より内服を開始したルジオミール®による薬疹と考え入院とした。ステロイド全身投与で皮疹は一旦軽快したものの,プレドニゾロンを漸減後に皮疹が再燃した。被疑薬のパッチテスト,DLSTの結果,メイラックス®のみに陽性所見を得た。最終的に,本症例は1年前より内服を続けていたメイラックス®による薬疹と診断した。
講座
  • —乾癬における好中球の役割—
    清水 秀直, 照井 正
    2006 年 68 巻 5 号 p. 527-531
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    乾癬の病変は一様ではなく,同じ局面内であっても臨床的にも組織学的にも不均一である。乾癬の病変形成と維持にT細胞を介した免疫反応が重要である。病変部で活性化されたT細胞から産生されるリンホカインは表皮の増殖を促進し,その過程で刺激されたケラチノサイトが産生する炎症性サイトカインは浸潤するT細胞の活性化状態を増強・維持する。このようなT細胞とケラチノサイトの相互作用は慢性湿疹に類似した炎症性変化の維持を説明できるが,典型的な局面型乾癬病変部の辺縁や局面内部で島状にみられる急性病変における好中球の浸潤を説明するには十分ではない。急性病変部の好中球は,刺激されたケラチノサイトから放出されるIL-8などのケモカインばかりでなく角層周辺で補体傍経路の活性化を介して産生されるC5aアナフィラトキシンとの相乗作用によって角層へと誘導される。この総説では乾癬での炎症性変化の病態メカニズムを私たちの実験結果を交えながら解説する。
治療
  • 大塚 正樹, 山崎 修, 浅越 健治, 岩月 啓氏, 清原 祥夫
    2006 年 68 巻 5 号 p. 532-537
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学分野で2000年7月~2004年3月までに14例の皮膚悪性腫瘍(非悪性黒色腫: non-melanoma skin malignancies)に対してセンチネルリンパ節(sentinel lymph node; SLN)の同定,および生検を試みた。疾患の内訳は皮膚有棘細胞癌(squamous cell carcinoma; SCC)9例,メルケル細胞癌(Merkel cell carcinoma)2例,外陰部パジェット癌1例,副乳癌1例,平滑筋肉腫1例であった。2000年7月~2001年10月まではlymphoscintigraphyと色素法を併用し,2001年11月からは術中γ-detectionも併用している。14例全例でSLNを採取できた。SLNへの転移陽性例は4例(SCC3例,外陰部パジェット癌1例)で,全例に所属リンパ節郭清を追加した。所属リンパ節郭清施行にてSLN以外のリンパ節転移が判明した2例(SCC1例,外陰部パジェット癌1例)のうち1例(外陰部パジェット癌)は原病死した。SLNへの転移陰性例10例では他病死2例があるものの,その後所属リンパ節や中枢側のリンパ節転移は認めていない。
  • 鼻岡 佳子, 田中 稔彦, 信藤 肇, 秀 道広, 古谷 喜義, 内藤 幸子
    2006 年 68 巻 5 号 p. 538-543
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    表皮嚢腫は,外科治療を必要とする皮膚腫瘍性病変のなかでは最も頻度の高い疾患の一つであり,多くは簡単な切除で治療される。しかしその発生部位や大きさの故に,ときに治療法の選択に苦慮する症例に遭遇する。我々は足底に生じた大型の表皮嚢腫4例に対し,天蓋の一部を切除して嚢腫壁断端を正常表皮断端に固定するのみの手術を行い,整容的にも機能的にも良好な結果を得た。表皮嚢腫の嚢腫壁はそれ自体が表皮の構造をもっており,嚢腫の天蓋を除去して内腔を解放すれば,そこは残存する嚢腫壁で周辺組織と隔てられているため潰瘍面が露出することはなく,術後歩行時の疼痛や感染の危険がない。発生部位や腫瘍の大きさのために切除の困難な表皮嚢腫に対しては,嚢腫壁を温存する手術は選択しうる一つの治療法と考えた。
  • 幸田 太, 古江 増隆, 今福 信一
    2006 年 68 巻 5 号 p. 544-547
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹患者25例を対象として,ベシル酸ベポタスチン錠(タリオン®錠)の即効性と有用性に関するアンケート調査を行なった。即効性(内服後痒みの抑制効果を自覚した時間)に関しては回答を得た20例で,全例が内服後90分以内に痒みの抑制効果を自覚していた(内服後30分以内が50%,内服後60分以内が89%)。また92%以上が何らかの有効性を自覚していた。効果の持続時間に関しては,回答を得た19例で,4時間が16%,8時間32%,12時間が47%という結果であった。眠気の副作用は33%に認められたが,84%の患者は再処方を希望したことから,本剤の高い有用性が示された。
  • 渡辺 幸恵, 森田 明理
    2006 年 68 巻 5 号 p. 548-552
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    2001年に日本皮膚科学会においてケミカルピーリングガイドラインが作成されて以来,ケミカルピーリングは,大学病院や総合病院,また開業医においても,皮膚科治療の一方法として盛んに行われるようになっている。今回,開業医で行われるケミカルピーリングの実態を知る目的で,当院でグリコール酸ピーリングを受けたざ瘡患者199例について検討した結果,2回以上継続して治療を受けたものは176例であり,著効27例と有効105例を合わせ,約75%に治療効果を認めた。一方,副作用は7例に認められ,部分的痂皮形成が2例,強い発赤が認められステロイド外用の必要があったものが5例であった。本治療法は,一般開業医のレベルにおいても,その日常診療で非常に診療頻度の高い尋常性ざ瘡の患者に対して,安全かつ有効性の高い治療だと考えられた。
  • —第III相二重盲検群間比較試験—
    中川 秀己, 川島 眞
    2006 年 68 巻 5 号 p. 553-565
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/09
    ジャーナル 認証あり
    小児(7~15歳)のアトピー性皮膚炎に対する塩酸フェキソフェナジンの有効性および安全性を検討するため,フマル酸ケトチフェンドライシロップを対照薬とした多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験を実施した。各群の用法・用量は,塩酸フェキソフェナジン群(以下,Fexo群)では,1回30mg錠(7~11歳),60mg錠(12~15歳)を1日2回,フマル酸ケトチフェンドライシロップ群(以下,Keto群)では,1g1包(ケトチフェン含有量1mg)を1日2回とし,4週間経口投与した。主要評価項目は,かゆみ日誌により評価した投与前後の平均かゆみスコア変化量とした。本治験には190例が登録され,治験薬を1回でも服薬した174例を安全性解析対象集団とし,そのうち治験計画適合集団(PPS)である162例を有効性解析対象集団とした(Fexo群77例,Keto群85例)。その結果,投与前スコアおよび年齢層を共変量とした共分散分析モデルを用いた両群の母平均の差の点推定値は0.050,95%片側信頼限界上限は0.185で,95%片側信頼区間は非劣性限界値0.37を含まなかったことから,Fexo群はKeto群に対して非劣性であることが検証された。投与前後の平均かゆみスコア変化量の平均値および95%信頼区間は,Fexo群-0.50[-0.61,-0.38],Keto群-0.58[-0.70,-0.45]であった。また,副次評価項目であるかゆみスコアの経時推移(週ごとおよび日ごと),皮疹の状態,患児の印象においても,主要評価項目の結果を支持するものであった。安全性について,有害事象発現率は,Fexo群83例中25例(30.1%),Keto群91例中29例(31.9%)で,両群間に有意差は認められなかった(p=0.7452,Fisherの直接確率検定)。主な有害事象は鼻咽頭炎,傾眠であった。副作用発現率においても両群間に有意差は認められず(p=0.6487,Fisherの直接確率検定),鎮静作用に関する副作用は,Fexo群83例中3例(3.6%),Keto群91例中4例(4.4%)と,同様に両群間で有意差は認められなかった(p=1.0000,Fisherの直接確率検定)。鎮静作用に関する有害事象は全て傾眠であった。以上より,塩酸フェキソフェナジンの有効性は,フマル酸ケトチフェンドライシロップに劣ることなくアトピー性皮膚炎に伴うそう痒を改善し,安全性についても臨床上問題となる有害事象が認められなかったことから,本剤は小児のアトピー性皮膚炎のそう痒に対して有用な薬剤であると考えられた。
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