43歳,女性。初診日の約1年前よりうつ病の診断にて,ロフラゼプ酸エチル(メイラックス
®),スルピリド(ドグマチール
®)を内服中。半年前より,ミルナシプラン(トレドミン
®)の併用を開始するも,効果不十分であり,2週間前にトレドミン
®を塩酸マプロチリン(ルジオミール
®)に変更した。2004年10月上旬,手背に紅斑が出現し,2日目に皮疹が全身に拡大し,顔面の腫脹を伴ってきたため,当科を受診した。初診時,多形紅斑様の皮疹を全身に認め,顔面腫脹と共に両眼瞼結膜の充血を認めた。また,左前腕の浸潤性紅斑部の皮膚生検にて,真皮上層の浮腫と血管周囲にリンパ球と好酸球の浸潤を認めた。この時点で2週間前より内服を開始したルジオミール
®による薬疹と考え入院とした。ステロイド全身投与で皮疹は一旦軽快したものの,プレドニゾロンを漸減後に皮疹が再燃した。被疑薬のパッチテスト,DLSTの結果,メイラックス
®のみに陽性所見を得た。最終的に,本症例は1年前より内服を続けていたメイラックス
®による薬疹と診断した。
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