34才家婦, 6年来, 顔面, 肢上にダリエー遠心性環状紅斑に臨床症状, 組織像が近似した辺緑隆起性環状紅斑をくり返し生じ, ときおり指趾に凍瘡様皮疹を併発, 環状紅斑の増数, 拡大時に全身症状が発現して, LE細胞(+), 抗核抗体陽性, 白血球減少, 血沈亢進, 血清
γ-Gl値の上昇, RAtest(+)となつたことから, エリテマトーデス(LE)と診断した。また, 環状紅斑を主徴としたLEおよび類縁疾患を内外文献から17例集め検討した結果, 臨床的には30才以上の女子にダリエー環状紅斑様の皮疹を長年月にわたりくり返し生ずるが, 重篤な全身症状を伴わず, 検査では(1)血沈亢進, (2)白血球減少, (3)
γ-Gl値上昇, (4)リウチ因子陽性, (5)抗核抗体陽性(Speckled pattern), (6)LE細胞(±), と非常に特徴的な共通した検査所見が見出されたことから, 自験例のような症例は, 病型分類上SLEとDLEの中間に位置する(どちらかといえばSLEに近い)LEのまれな1特殊型であろうと考えた。
抄録全体を表示