わが国においても,グローバルスタンダードの導入が急がれているが,安全におけるグローバルスタンダードの考え方とこれまでのわが国における安全対策や経営の考え方自体にいくつかの相違があり,安全の哲学の再考が求められている.
石炭液化プロセスは石炭スラリーを使用するために,バルブなどに摩耗が生じ,装置の安定・安全運転にとって大きな障害が起きる.運転操作の改良や技術開発による機器部晶の改良によってそれらの障害を回避してきた.摩耗のおもな要因は,石炭中の灰分および鉄系触媒によるものである,その中の触媒に注目し,従来の鉄系触媒を超微粒子の硫化モリブデン触媒に変えた場含の摩耗の抑制効果および触媒性能の向上の効果を含めて検討した.
2人工島を含む神戸市東部地域での熱汚染の実態を解明するために,温暖期の5月11日(第1回調査)と6月5日(第2回),寒冷期の9月22日(第3回)と2月3日(第4回)に気温・湿度等を調査 した.5月期調査は最高気温近くの時間帯で,残り3時期はいずれも深夜であった.結果,四っの特徴 が認められた. ①4調査のいずれも市街地域で温暖化がみられた, ②温暖期での市街地域の最高気温地点は阪急六甲駅等の六甲山麓部に近いのに対して寒冷期では国道43号線等の幹線道路沿道等の沿岸部で温暖化が目立った. ③ポートアイランドおよび六甲アイランドの各中心部分での寒冷期の調査では気温の上昇がみら れ,熱汚染によるヒートアイランドが測定された. ④気温と同時測定した粉じん濃度は温暖期日中では,気温とほぼ反比例したのに対して,深夜での調査結果では,正比例であった.後者は幹線道路や工場からの排気ガスと排熱に関係していること を示した.
国内における圧力逃がし装置については,安全弁に関する規格としてJIS B8210「蒸気用及びガス用ばね安全弁」,破裂板の規格としてJIS B8226「破裂板式安全装置」が制定されている,JIS規格は該 当する国際規格に整合化させることが決まっている.国際規格として現在発行されているのはISO4126-1「安全弁」とISO6718「破裂板」である.これらの国際規格は現在改訂作業が進行中であ る,改訂審議の動向にっいて報告する.
プロセスプラントの事故は単一の原因によって発生することはまれで設計,施工,操作,設備管理などの複数の不備が複雑に絡み含って発生することが多い.このため,一つの側面のみからの対策では片手落ちになり総合的な対策,管理が必要となる,本シリーズではそのうちの安全設計という視点に絞って稿を重ねている,先回は物質危険性ならびに操作危険性についてふれた、今回はプラントの安全確保にあたっての多重防護の考え方,すなわち,①異常の発生防止,②事故の発生防止,③事故が発生 した際の被害の局限化という三っの側面から安全設計の考え方につき概説する.