安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
49 巻, 6 号
安全工学_2010_6
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
会告
巻頭言
学協会における安全への取組み特集
  • 三宅 淳巳
    2010 年 49 巻 6 号 p. 338-341
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    「安全知の統合」に向けた安全工学会の活動を紹介するにあたり,安全工学会設立の経緯,その目的と事業内容,現在の組織,関連する委員会の活動について記した.さらに,「安全知の統合」に関する基本的考え方と今後の展開について紹介した.

  • 島田 行恭, 仲 勇治
    2010 年 49 巻 6 号 p. 342-346
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    (社)化学工学会には14 の部会があり,大きく「基盤技術分野」と「展開技術分野」に分類され,すべての学会員が部会に参加できるようになっている.安全部会は「展開技術分野」に分類され,プロセス産業における安全の維持向上のための安全技術センターとしての役割を持って研究・教育・啓蒙活動を行っている.安全部会での議論の中心は,(1) 現場で実行できる安全管理の仕組みを考えること,(2)管理の仕組み全体と個別技術との関係を明らかにすること,(3)技術の枠組みと人間系組織との関係を明確にする仕組みを考えることである.本稿では安全部会設立の経緯と活動目的を述べた後,安全部会が対象とするプロセス安全分野における研究活動,安全思想の啓蒙活動,教育活動などについて紹介する.

  • 和田 有司
    2010 年 49 巻 6 号 p. 347-352
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    火薬学会における安全への取組みを紹介するにあたり,火薬学会の成り立ち,火薬学会と安全研究との関係などを解説しました.また,火薬学会で過去に行われた環境安全委員会および安全情報小委員会の活動,現在行われている各種専門部会の活動を紹介しました.

  • 飯野 謙次
    2010 年 49 巻 6 号 p. 353-357
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    NPO 法人失敗学会は2002 年秋に設立された.事故や不祥事などの失敗を分析し,同じ失敗を繰り返さないよう,会員と世間一般に対して情報発信と様々なイベントを提供している.何か失敗があったときは責任追及ではなく,徹底的な原因究明が必要,また,同じ失敗を繰り返してはならないという精神論ではなく,その発生を食い止める創造的仕組みづくりを教えている.その考え方を身につけるには情報収集だけではなく,体験型学習が効果的である.安全教育においては特に体験学習が望ましい.

  • 田村 裕之
    2010 年 49 巻 6 号 p. 358-361
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    1976 年に設立された静電気学会における安全への取組みについて紹介する.静電気学会の紹介から始め,学会誌に見られる静電気障害・災害に関係する解説や報告,安全に関連する委員会・研究会活動の概要,爆発・火災発災時の原因調査活動,静電気に起因する障害・災害を防止する技術や方策などについて紹介する.

  • 岩間 啓一
    2010 年 49 巻 6 号 p. 362-366
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    石油化学工業では,高温で高圧の物質を大量に取り扱っており,保安の確保は最重要事項である.保安の向上の為には安全文化の強化が重要であり,石油化学工業協会では,安全文化の8 軸のうち共通的な課題である学習伝承と動機付けについて共同でその強化に取組んでいる.

  • 市川 紀充
    2010 年 49 巻 6 号 p. 367-369
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    電気学会産業応用部門生産設備管理技術委員会は,人と電気設備(生産設備含む)の安全を維持・発展させ,これまで以上に安全で安心できる社会を構築するための活動を行っている.本技術委員会は,電気学会産業応用部門内の一技術委員会としてある.電気学会ではこれまでに研究・開発が盛んな分野の調査・研究を実施してきたが,電気安全に関する調査・研究は等閑にされる傾向にあった.しかし近年電気学会内において電気安全に関する関心が高まったこと,また会員からの要望があることから,本技術委員会内に電気安全に関連する調査専門委員会を設置することになった.本稿では,主に本技術委員会内に設置してある電気安全を主とする「ビル・工場電気設備の安全と災害防止調査専門委員会」の活動を中心に,その調査専門委員会の取組みについて紹介させて頂く.本稿が契機となり,他の学協会と生産設備管理技術委員会との連携や各学協会の安全知の統合に向けた活動の一助となれば幸といえる.

  • 市川 紀充
    2010 年 49 巻 6 号 p. 370-371
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 鈴木 喜久
    2010 年 49 巻 6 号 p. 372-375
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大幢 勝利
    2010 年 49 巻 6 号 p. 376-379
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    土木学会における安全に関する活動は多岐にわたっており,その活動は様々な調査研究委員会において実施されている.しかし,これらの委員会活動は安全に特化したものではなく,それぞれの調査研究の中に,安全が内包された形で活動が実施されている.その中で,今回紹介する安全問題研究委員会は,土木学会の中で安全に特化した調査研究を行う数少ない委員会の一つである.本稿では,安全問題研究委員会で実施している調査研究や社会貢献等の主な活動として,安全問題討論会,安全問題研究論文集,労働災害防止のための安全教育シリーズ,大学生に対する現場安全教育,他学協会との連携(日本学術会議等)について紹介するとともに,BCP(事業継続計画)に関する研究等,安全問題研究委員の今後の活動と課題についても述べる.

  • 土橋 律
    2010 年 49 巻 6 号 p. 380-382
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    (社)日本化学会は,1878 年設立の会員数約3 万人の日本最大規模の化学に関する学会であり,「化学に関する学術の進歩普及,産業の発展および生活の向上に寄与すること」を主な目的として活動している.日本化学会における安全に関する活動は,環境安全推進委員会においておこなわれている.環境安全推進委員会のもとには,防災,教育,事業の3 つの小委員会があり,環境・安全に関する講演会等の開催,環境・安全教育に関する講習会等の開催,環境・安全に関する書籍や指針の発行,環境・安全問題見学会の実施,関連組織との連携などをおこなっている.本稿により,日本化学会の安全への取組みについてご理解いただき,また,他学協会との連携のきっかけになれば幸いである.

  • 長谷川 晃一
    2010 年 49 巻 6 号 p. 383-385
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    (社)日本火災学会は,60 年前(1950 年)に設立された団体で,消防・大学・建築・防災関係などの会員によって構成されている.当学会の安全に関する活動としては,研究発表会,講演討論会,火災科学セミナーの開催,学術専門委員会活動(化学火災,有毒ガス,避難行動,自動車火災,性能設計,火災原因調査,消火,文化財防災),および火災学会誌,論文集,図書の発刊などがある.また,国内外の学術交流,調査研究の受託も行っている. ここでは,当学会のこれまでの安全への取組みと,今後の活動方針(他学会との連携,公益法人化に向けての準備など)について紹介する.

  • ―機械類の安全技術とシステム及びサービス思考―
    加部 隆史
    2010 年 49 巻 6 号 p. 386-393
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    機械類の安全は方法論として設計者を対象としているが,機械の全ライフサイクルの観点から,機械使用者を含めたマネジメントが必要とされる. サービス工学という新たな視点を踏まえて,顧客満足を向上させる為の新たな安全に関するシステムズエンジニアリングSSE を提案する.そこで,安全は設計論,品質,環境,経済性,生産性等の要素との相関関係があり,これらを踏まえたトータルエンジニアリングの最適化が要求される.

  • 野村 貢
    2010 年 49 巻 6 号 p. 394-398
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    (社)日本技術士会は昭和26 年に認可,設立された技術士法に基づく公益法人である.技術士は現在 20 の技術部門と総合技術監理部門からなり,科学技術に関する高度な応用能力をもって社会の安全・安心に寄与している.日本技術士会の特徴のひとつは多様な技術部門を擁していることである.この特徴は複雑化する社会や技術において社会の安全・安心を確保することに大いに寄与している.また,近年では防災支援委員会を組織し,弁護士会などの専門家集団との連携により地域防災に総合的に寄与する活動も行っている.本論では,技術士の制度や取組みについて触れると共に社団法人日本技術士会の安全・安心への取組みについて,機関誌編集委員の立場から解説する.

  • 菅原 進一
    2010 年 49 巻 6 号 p. 399-401
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    建築物の定義を考察することを通して建築防災技術の重要点について記述した.このことは安全工学会(JSSE)と日本建築学会(AIJ)との関係を示唆している.すなわち,建物火災に関する技術研究に係るAIJ 防火委員会と爆発と燃焼を取り扱うJSSE は研究交流の歴史も長く,同委員会が安全工学シンポジウムへ積極的に参画して来た.最近は幹事・協賛学協会の数も増え安全工学の分野もさらに広がりつつある.

  • 大橋 弘忠, 成宮 祥介, 宮田 浩一, 渡邉 憲夫
    2010 年 49 巻 6 号 p. 402-405
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    原子力の安全確保は,実際に起こるかも知れない不具合に備える現実的な側面と,防護の考え方として,代表性と包括性をもって評価・確認の手段と方法を定めておくという論理構造の側面をもっている.地震に関しては,これまで後者の原子力安全の論理における位置づけがあいまいだった.このたび,地震時の安全性について,原子力安全の論理に対応させて検討し,基本的な考え方の明確化と,これに伴う課題の整理を行った.

  • 酒井 信介
    2010 年 49 巻 6 号 p. 406-408
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    (社)日本高圧力技術協会の安全活動に対する取組みを紹介するために,設立の経緯,協会の組織構成と活動の概要,会務委員会での安全に関わる活動,各研究委員会活動における安全への取組み,今後目指すところについてについて要約している.日本高圧力技術協会が設立した昭和38 年当時は,高度成長期であり,圧力設備を抱える関連産業は急速な発展を遂げつつあり,同時に,各業界には,解決しなければならない技術的問題が山積している状況下であった.その中で,技術の高度化,技術的課題の解決,その時々での最新の技術情報の提供,技術の継承を含めた技術者教育,技術基準ならびに規格制定及び維持管理などの活動を通して,圧力設備に関する学術,技術の向上ならびに普及を図り,産業界に貢献することを目的として,今日に至るまで活動を継続している.

  • 大西 明宏, 田中 茂, 落合 孝則
    2010 年 49 巻 6 号 p. 409-412
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    日本産業衛生学会(以下,産衛学会)は職場における衛生に関する諸問題を調査・研究する者や実践者が集まり,産業衛生の進歩をはかっている.産衛学会は衛生を主眼に置いているため,安全を前面に出した活動は少ないが,健康・衛生に関する諸問題を解決することなしに安全は確保できないとの認識を持っている.本稿では産衛学会において安全に関連が深いと思われる3 つの話題を紹介する.1 つ目は最近2 年間の大会において演題に「安全」が含まれる発表状況,2 つ目は化学物質関連の災害防止のための呼吸用保護具の適正な選択と使用方法と普及,3 つ目は産業衛生に携わる者が職場巡視のスキルを向上するための4 部会合同セミナーの取組みである.最後に産衛学会の会員の立場から「安全工学」との相互連携の可能性や期待したいことについて述べた.

  • 山本 正宣
    2010 年 49 巻 6 号 p. 413-417
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    日本信頼性学会の組織構成,研究会の内容紹介,信頼性概念の変遷,信頼性と安全性の考えの違いについての考察および学会誌「信頼性」に掲載された過去10 年間の論文,解説の中から,その時々の社会的に重大な影響を与えた事故など安全性に関する解説,記事の概要より,当学会が取組んでいる安全性に関する知について鳥瞰する.

  • 首藤 由紀, 芳賀 繁, 青木 和夫, 小松原 明哲, 佐相 邦英, 中西 美和
    2010 年 49 巻 6 号 p. 418-422
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    人間工学会では,過去に「安全人間工学部会」などを設置し,人間工学の観点から安全問題に取組んできたが,その活動は平成9 年度を最後にしばらく中断していた.しかし平成21 年11 月より「安全人間工学委員会」を設置するとともに,翌22 年度からは「安全人間工学研究部会」を立ち上げ,安全問題への取組みを再開している.この「安全人間工学再興」にあたり,過去の当学会における取組みを当時の資料をもとに振り返るとともに,最近の活動状況を紹介する.

  • 土橋 律
    2010 年 49 巻 6 号 p. 423-425
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    日本燃焼学会は,1955 年創立の燃焼に関する学術及び技術の振興と普及を目的とした一般社団法人で ある.燃焼の研究や技術開発は,元来安全と密接に関連しており,日本燃焼学会は様々な安全に関連した活動をおこなっている.燃焼シンポジウムでは「火災」のセッションを設けており,講演会・講習会ではしばしば安全に関するテーマを取り上げている.また,学会誌「日本燃焼学会誌」にも安全に関する記事や論文を掲載するなど,燃焼にかかわる安全研究・技術の進展に取り組んでいる.本稿により,日本燃焼学会の安全に関する活動についてご理解いただくとともに,他学協会と様々な連携を築くきっかけになれば幸いである.

  • 横野 泰和
    2010 年 49 巻 6 号 p. 426-429
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

    非破壊検査とは,材料や構造物を壊さずにその健全性を評価する方法であり,最終製品の安全性を保障することが最終目的となる.20 世紀の半ば頃から,鉄鋼を主役とした各種材料が開発され,それらを利用した多くのプラントや輸送機などが製造され,その最終工程の一つとして非破壊検査の重要性が叫ばれる中で,技術の中枢を担う役割として(社)日本非破壊検査協会が創設された.その後,技術的な調査・研究などの学術活動をベースに,実用化に向けての規格作成などの標準化活動,技術の普及に向けての教育活動などを行ってきた.また,世の中の要求に応じて非破壊試験技術者の認証活動を行い,非破壊試験の信頼性の向上に努めてきた.このように世の中の安全に寄与するため,(社)日本非破壊検査協会は地域に根ざしかつ国際的な視野に立った活動の活性化を行っている.

学術活動報告
会報
総目次
feedback
Top