主として石油プラント,コンビナートにおける爆発事故について,爆風圧と容器破片の効力および被害局限のための防爆壁の配置,構造,材料,支持法を記し,特に鉄筋コンクリート防爆壁について,塑性理論による最終強度モーメントM、を,単鉄筋および複鉄筋壁について例示計算した.一方,防爆壁の代表的支持法四つについて,爆圧を等布荷重として,壁に生ずる最大曲げモーメントmax Mを算出し, Muとmax Mを比較することにより,必要な壁厚と鉄筋量を判定できるようにした.破片貫徹防止上必要な壁厚と防爆壁の効果も記述した.
本稿は,工場の緑化における基本的な事項とその考え方について述べたものである.まず,もっとも基本となる植物の効用について,数項目に分けて考察を行い,次いで,植物の生育する環境を大気と土壌に分けて,その概要を記述した.以上のことを基礎として,次に工場の環境に触れ,ここで大気汚染,造成地における不良土壌の問題を中心に検討を行った.最後に,工場緑化における諸問題として,植物の選定,植栽・配植,管理などについて,基礎的な立場からいくつかの問題をとり上げて論及した.
難燃性で焼却処理の困難な有機ハロゲン化合物を完全に無機物質にまで分解し,かつ排煙処理の容易でない分子状の塩素や臭素の生成を抑える燃焼条件を知る必要が生じ,その手はじめに塩素化炭化水素について電気炉を用いて検討を行った.その結果トリクロルエチレンは900℃1秒加熱により99.9%以上(初濃度1万ppmのとき排出ガス中には10ppm以下)分解されること,及び分子状塩素の生成率は,水が共存しないと全塩素原子の45~50%であるのに対し,水が3v/v%含まれると3~6%に低下することが判明した.トリクロルエチレン濃度,炉内酸素濃度,空塔速度などについて実用範囲内で分解率 に及ぼす影響を確かめだが,それらはほとんど無視出来る程度であった.二塩化プロパソ,テトラクロルエチレン,四塩化炭素も同様の条件で分解をほぼ完結させることができる.
各種工業で用いられる機会の多いハロゲン化炭化水素をとりあげ,物質中心に測定法を解説した.関係する検出法についてひと通りふれ,比較検討を行った.作業環境および工場周辺大気の汚染度の把握,排ガス測定,漏洩検知において,モニタリングと分析の両方の場合を想定して記したものである.ハロゲン化物特有の問題点,各検出器の使用上の留意点および方法を選択する場合参考になるような点にもふれた.
LPG用自勤切替式調整器の重要部品であるダイヤフラム用ゴムの破損事故が数年前に発生した.破損により生ガスが噴出し爆発の危険性が生じたため同型調整器は回収された.本報告は事故破損ゴムの顕微鏡観察および力学的考察を行い,破損の特徴,クラック成長状況,破壊力等から原因解析を行い,対策を検討した結果を述べたものである.