安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
62 巻, 4 号
安全工学_2023_4
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 久保 大輔
    原稿種別: 総説
    2023 年 62 巻 4 号 p. 224-230
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2023/08/18
    ジャーナル 認証あり

    ドローンや空飛ぶクルマをまとめて次世代空モビリティと呼ぶ.従来の航空交通とは桁違いに多い運航数に対応する新しい運航管理技術・飛行方式が求められている.ドローンを対象として飛行情報共有に基づく新しい運航管理技術の社会実装に向けた研究開発と制度検討が進んでいる.空飛ぶクルマに関しても同様概念の適用検討が進んでいる.旅客機運航も含めた,将来の一般化された飛行方式として,Digital Flight Rules (DFR)と呼ばれる概念が提案されている.DFR ではIntent も含めた飛行情報共有によって常に予測可能な飛行環境とすることに加え,性能向上により安全間隔を縮小して経済効率を上げるレジリエンス工学的な考え方が取り入れられている.

  • 橋本 昌宜
    原稿種別: 総説
    2023 年 62 巻 4 号 p. 231-235
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2023/08/18
    ジャーナル 認証あり

    自動運転や介護ロボットの実用化が期待される中,コンピュータの中核をなす半導体チップの信頼性確保の重要性が高まっている.一方で,地上には宇宙線が降り注いでおり,宇宙線に含まれる中性子によって半導体チップにソフトエラーと呼ばれる誤動作が起こることが知られている.ソフトエラーレートの評価は,地上環境を再現する中性子源を用いて行う方法が一般的であるが,世界にそのような中性子源は5 つほどしかなく,需要に対して不十分な状況にある.量子アプリ共創コンソーシアム(略称QiSS)は,様々な中性子施設でソフトエラー測定実験を行うとともにシミュレーションによる解析を行い,任意の中性子源による1 つの測定結果とシミュレーションを組み合わせて地上ソフトエラー率を求める手法を開発 した.本稿では,開発した手法を概説する.

  • ドローンを活用した点検
    消防庁危険物保安室
    原稿種別: 総説
    2023 年 62 巻 4 号 p. 236-242
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2023/08/18
    ジャーナル 認証あり

    近年,保安分野における点検にカメラ等を搭載したドローンの導入が進みつつある一方で,危険物施設では危険区域内の防爆規制により,ドローンの導入は進んでいなかったが,屋外貯蔵タンクにおいては,令和4 年8 月4 日付け消防危第175 号により,一定条件下における危険区域の合理化が図られ,タンク供用中にドローンを近接飛行させることが可能となった.タンク高所等の点検困難部位の点検を行う際にカメラ等を搭載したドローンを導入することで,点検作業の効率化等の効果が期待される. これらを踏まえ,消防庁では令和4 年度に「新技術を活用した屋外貯蔵タンクの効果的な予防保全に関する検討会」を開催した.検討結果を報告書にとりまとめ,併せて「ドローンを活用した屋外貯蔵タンクの側板等の点検に係るガイドライン」を策定した.

  • 中田 亨
    原稿種別: 総説
    2023 年 62 巻 4 号 p. 243-249
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2023/08/18
    ジャーナル 認証あり

    作業手順書は,誤使用を防ぎ,緊急時の対処法も誘導するという,安全上の重要な役目を帯びている.しかし,問題を抱えたものが多く,使用者による誤解や不順守を誘い,事故につながっている.本論文は,作業手順書の在り方について,手順工程設計の理論と,表現の方式,発行後の質の維持の,3 つの観点から手法をまとめるものである.具体的には,忘れや点検ミスを減らす工程手順の組み方や,言語的表現と視覚的表現の要点,作業手順書に対する現場の意見を回収し内容の更新に反映する方法などについて述べる.

  • カート事故を事例として
    棟方 周一
    原稿種別: 総説
    2023 年 62 巻 4 号 p. 250-254
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2023/08/18
    ジャーナル 認証あり

    わが国の基幹産業である自動車製造業は,エネルギーのゲームチェンジが希求される現在にあって新技術の開発は不可避であり,販売は商品開発の資金源となる.今般,自動車販売会社4 社合同で主催した販促イベントにおいて,モータースポーツとしての高速カート体験試乗が催されていたなか,小学6 年生が操縦するカートが制御できずに観客に衝突し2 歳幼児が死亡した.事故当事者が二人とも子どもであったことも鑑みて事故全体の理解について論ずる.

災害事例
事故・災害ニュース
会報
feedback
Top