安全工学
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57 巻, 2 号
安全工学_2018_2
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
会告
安全への提言
60周年記念論文
プラントにおけるAI・IoT 小特集
  • 伊藤 東
    2018 年57 巻2 号 p. 101-106
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    最近の化学プラントでの事故要因として,現場力の低下が指摘されている.また,少子化により将来の人材確保も課題と成っている.この様な状況に対し「昔に戻る安全活動」よりも「最新技術活用の安全向上」が好ましい.最新技術である人工知能(AI)を活用する「化学プラントのAI 化」による“安全向上”や“生産性向上”の進め方を提言する.

  • 相馬 知也
    2018 年57 巻2 号 p. 107-113
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    近年のコンピュータ技術の発展およびストレージの低価格化により石油プラントや化学プラントではプラントから収集される運転データの蓄積が容易となってきた.しかし,そのデータを活用するためには統計学やコンピュータ言語などの知識が必要であり,現場での活用はあまり進んでいなかった.ここ数年AI 技術が進歩したことにより,このようなデータ活用の敷居が低くなってきた.また,政府も事故の増加の原因を分析し,自主保安の取り組みの重要性を認識し,自主保安へのAI × IoT の活用を後押しするようになってきている.本稿では,プラントの保全現場で活用できるAI 技術を紹介するとともに具体的な事例についても紹介する.

  • 岩崎 哲嗣
    2018 年57 巻2 号 p. 114-122
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    プラント保安高度化のニーズは高まっている.AI,IoT といったデジタルIT の貢献への期待も広がっている.その実現のためにはこれまで解決が困難であったプラント特有の構造的な問題を解決可能とする取り組み方法の確立が求められる.しかしながら,現在,デジタルIT の活用については個別テーマの実証実験が徐々に増えている一方で,取り組み方法の全体については見通しを持つことが難しい状況である.そこで,本分野に情報処理に関する方法論を導入し,プラントでの不確実性にみたされた状況下で,ナレッジを原動力として考え意思決定する人間によって遂行される保安高度化への営みをデジタルIT で支援するアプローチ方法について展望の提示を試みた.

総説
  • 福間 康之臣
    2018 年57 巻2 号 p. 123-129
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    今日化学産業は,2015 年時点で出荷額約44 兆円1)と,産業別では輸送用機械器具に次ぐ第2 位の規模を誇り,日本を支える一大産業になっています.そして化学が生み出す製品は,素材として人々の生活の隅々にまで入り込み,さまざまな利便性をもたらしています.一方で製品を形作る化学物質が環境や人々の健康に悪い影響を与えたり,安全を脅かしたりすることがないように配慮する必要があります. そこで化学物質を取り扱う各企業は,単に法を順守するにとどまらず社会の信頼を得るため,自主的に「環境・安全・健康」を確保する「レスポンシブル・ケア(RC)活動」に取り組んでいます.この活動は,日本のみならず,世界中で取り組まれています. (一社)日本化学工業協会(日化協)では,このRC 活動を化学業界に広めるとともにその向上を図る活動の一つとして企業のRC 活動についての検証,即ちレスポンシブル・ケア検証(RC 検証),を行い,企業はその結果を公表することで自社の化学製品や事業活動に対する理解と信頼を高めています.

  • 長坂 彰彦, 渋江 尚夫, 野々瀬 晃平
    2018 年57 巻2 号 p. 130-136
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    IAEA(国際原子力機関)がガイドブックにまとめ推奨しているSAT(Systematic Approach to Training)手法の手順にのっとり原子力発電所緊急時対策本部要員向けのノンテクニカルスキル教育・訓練の取り組みを行った.まず,CRM(Crew Resource Management)訓練を参考にして,知識,スキル,姿勢別に原子力発電所緊急時対策本部要員に付与すべき能力を設定した.また,これを実現するために,講話,座学,集団討議,ロールプレイ演習,振り返りを組み合わせた教育・訓練プログラムを作成した.次に,このプログラムを実施するための資料を作成し,実際に教育・訓練を行うとともに,その効果を総合防災訓練の場で評価する手法も作成した.

  • 上浦沙友里・伏脇 裕一
    2018 年57 巻2 号 p. 137-144
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    近年,我が国および欧米諸国において大量に殺虫剤として使用されているネオニコチノイド系農薬について,その種類,生産量,環境汚染および食品汚染例,毒性とヒトおよび生態系に与える影響などについて考察した.特に,世界各地において,ネオニコチノイド系農薬の散布に伴い,ミツバチの大量死とミツバチの減少による農産物への被害が深刻化している現象についても問題点として指摘し,ネオニコチノイド系農薬散布についての課題について言及した.

論文
  • 小柴 佑介, 大谷 英雄
    2018 年57 巻2 号 p. 145-154
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,火災および有毒ガス漏えいを例にとり,化学プラントの周辺住民のフィジカルハザードに係るリスク認知特性を明らかにすることである.2013 年に火災が発生し,その後有毒ガスが発生する恐れが高いとして周辺住民の避難が勧告されたある化学プラントの周辺住民に対して質問紙調査を行った(n =121).危険性を五感で感じなかった場合,自己判断や周りの人が避難行動を起こしていないといった理由により実際に避難しなかった者が多かった.概して,化学プラントの火災よりも有毒ガス漏えいの方が,恐怖感が強く,被害範囲も広く,被害が想定外になる傾向があると認識していた.住居形態,性別,教育歴,および高齢者との同居の有無はリスク認知に有意な影響を及ぼさなかったが,特に有毒ガス漏えいに関しては,15 歳以下の子供と同居する者は,同居しない者と比べて,リスクがより大きいと感じていることが明らかとなった.

  • 量的調査と質的調査による比較調査
    藤原 茂樹, 高野 研一
    2018 年57 巻2 号 p. 155-166
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル フリー

    病院などの医療機関では,事故の未然防止のために様々な医療安全の取り組みを行っている.その中でも安全文化の醸成に力を入れているがその効果については検討されていない. 本研究は4 年間隔で実施したアンケート調査から病院職員の安全意識の変化を調査した.その結果を因子分析及び共分散構造分析を行い,医療安全文化の醸成に必要な要因を抽出した.さらにインタビュー調査により,病院職員がアンケート回答の背景となった安全意識を調査した. この結果,医療安全文化を醸成するために必要な要因は,「経営者の安全関与」「安全教育」「職場の雰囲気」であることが示唆された.特に「経営者の安全関与」が重要であることが,量的調査,質的調査の両面から示唆された.このことからトップの強いリーダーシップが,医療安全文化の醸成に必要不可欠であると考えられる.

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