安全工学
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31 巻, 2 号
安全工学_1992_2
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安全への提言
総説
  • 小林 英男
    1992 年 31 巻 2 号 p. 76-85
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    最近,高齢化設備(経年設備)の寿命延伸が重要な技術課題として取り上げられ,議論されるようになってきた,寿命延伸のためには,経年損傷を検出・評価し,余寿命予測を行う必要がある。検出・評価は破壊を伴うことなく,非破壊で行うことが望ましい,本稿では,高齢化設備時代への保守管理の新しい展開として,発電プラント,化学プラント,石油精製プラントなどの装置・機器に使用される材料について,経年損傷の実態と非破壊検出・評価の手法,さらに余寿予測の手法を述べる.

報文
  • 内田 早月, 駒井 武, 梅津 実
    1992 年 31 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    石炭鉱山や可燃性ガスを取り扱う産業においては,衝撃摩擦による火花や加熱面に対する着火防止対策を講じる必要がある・本研究では,この中でも最も危険性の高いものの1つであるアルミニウム合金を取り上げ,落錘式試験装置を用いて各種の軽合金と炭素鋼との間に生じる衝撃摩擦火花によるメタンガス着火試験を行い,着火性に及ぼす諸条件の影響について調べた。その結果,自由落下の条件では落下高さが着火性を決定するための重要な要素であることを明らかにした.また,衝撃エネルギーと着火性との関係,着火確率に与えるマグネシウムおよびベリリウム含有率の影響などを見いだした.さらに,軽合金の着火危険性を評価するための指標として,50%着火率を示す衝撃エネルギーの値を用いること の有効性を示した.

  • 歌川 学, 瀬戸 政宏, 木山 保, 勝山 邦久
    1992 年 31 巻 2 号 p. 94-99
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    地表面からの深さが117~173.2m程度の浅い岩盤から採取した花闘岩コアを対象に,AE特性と変形率変化法の2つの方法より初期地圧を推定した.実験には繰返し載荷法を用いた.本載荷方法は変形率変化法に必要なほか,AE法の場合にコアの採取から載荷実験までの経過時間が比較的長い場合でも精度よく先行応力が推定でき,さらにAE発生特性の違いから軸方向初期地圧成分と最大応力とを同時に求めることができるという利点を有する。AE法と変形率変化法の初期地圧推定結果はよい一致を示し,鉛直方向初期地圧成分は当該岩石上部の岩盤の自重にほぼ等しいことが明らかになった.

  • 鈴木 和彦, 島田 行恭, 佐山 隼敏
    1992 年 31 巻 2 号 p. 100-109
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    本論文では,フォールトツリーを用いて開発した異常診断エキスパートシステムを提案する。対象プロセスのフォールトツリ~のトップ事象近傍の情報を用いて,プロダクシ葺ンルールを作成する.エキスパートシステムは,最初にこの知識を用いて,制御装置(フィードバッ外フィードフォワード制御回路,遮断回路)など回路レベルでの異常部位を推定する. つぎに,回路レベルの異常を表現した部分フォールトツリーを基に,異常に関する知識をプロセス変数のパターンとして表現する。エキスパートシステムは,運転データと知識べ一ス内の異常値のパターンを,パターンマッチングすることにより,要素故障など要素レベルの故障原因を明らかにする。 本論文で提案する方法を,高温硝酸冷却プロセスに適用し,診断例を示すとともに,この方法の有用 性を明らかにする.

技術ノート
  • 若生 彦治
    1992 年 31 巻 2 号 p. 110-113
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    高圧ガス施設はプロパン,塩素など各種の危険なガスを保有している.この保有量の値は施設ごとに異なっている.現在,危険度は施設内部の潜在危険規模を対象におもにガスの種類と保有量をもとに推定されている。しかし,施設の立地環境は各施設ごとに異なっている.危険度は施設の実態により近い形で推定することが望まれる,このため,危険度の評価対象項目に各施設の立地環境の相違を加え,それも平明に推定できる方法が求められている. 本文では,ガス保有量などが変更された場合の被害規模を潜在危険規模より推定比較する方法にファジィ推論の応用を試みた.比較に際しては潜在危険規模の強度区分と発生確率とをあらかじめ設定しておく必要がある.この強度区分を5段階に設定したモデルを用いて,計算プロセスの実例を示した.

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