昭和55年末から翌年の1月中旬にかけて北陸地方を襲った豪雪はこの地に大きい被害を与えた.この豪雪の規模とそれに対応した北陸の挙動に関する情報は,この種の自然災害の軽減化手段の発見に寄与するであろう. 本稿は北陸の一角に位置する富山県の豪雪体験記録であり,ここでは,本豪雪における降雪の特徴,交通運輸の動態,雪と戦う住民生活,降雪による送電系統の故障,各機関の実行した抗雪対策が紹介される.
日本海沿岸における一化学工場の冬季の気象データと凍結事故の実例を示し,その対策を述べた.降雪に対しては消雪パイプをもって対処し,寒冷に対しては,持続時間を考慮しつつ,チェックリストにより処置している.基本的防衛態勢としては,札掛訓練と特設消防隊の訓練強化においている.
「処変れば,品変る」の諺もあるように,事業所工場の立地環境によって採られる保安対策等も異なっ たものになってくる.ここでは,積雪地域に立地する事業所工場が雪に関連してどのような保安対策等を採っているか設備と運転の両面に大別して事例を紹介した.
雪国では毎年冬になると雪害によるガスの漏えい事故,あるいは油の流出事故が多発し,その対策に苦慮している.最近の化学プラント建設技術は非常に高度な専門技術が結集され,安全面からも露天化が進み,また,経済的にも能率よく少入数で運転できるよう設計されるようになってきている.しかしこのことは逆に雪に対しては無防備となり,現状では現場に働く人が雪に直面してはじめて対策を実施しているのが実状である.そこで雪国で化学工場を管理してきた経験から各装置に対しての雪害対策を述べてみた.
近時,原油のようなエネルギ価格の上昇から電熱による融氷雪対策は,以前ほど経済的でないと考えられがちである. しかし現在でも電熱による融氷雪対策が優れている場合は数多くあり,したがって年々施設は着実に増加しているし,新しい用途も開けつつある. 筆者らは電熱源としての一手段であるSECT法を開発し,各方面に実施してきたが,ごこではこのSECT法の原理と特徴を簡単に,さらに電気エネルギを有効に利用するための理論的根拠の一部と,実施の数列につき写真をもって説明した.SECT法は本来温度保持を必要とするパイプラインのために開発されたものであるが,国内各方面における実績は勿論,近時では海外での実施例も数多い.
アンモニア工場で大気放出していた合成ガスが,あられが降ってくるたびに着火した.着火の経緯と状況から,着火はあられのもつ静電気によるものと考えられる. 寒冷降雪地で可燃性ガスを放出することが考えられる化学工場においては,あられや雪の静電気による着火に対する対策も講じておくことが必要である.
石油タンクの屋根の一部分がこわれ,そこでの火災およびタンカーのダンク上面のマンホール部の火災の燃焼性状を知るため,屋根中央部にそれぞれ直径60cmの開口部をもつ直径1m,2mおよび6m の銅製タンクにヘプタンを入れ,初期フリーボード長さを変えて燃焼させ,着火時にタンク屋根にかかる圧力,準定常燃焼時の燃焼速度,炎から周囲および屋根への放射熱,屋根および液面温度などを測定した. その結果,炎から液面への伝熱量とタンク直径との関係,そしてタンク直径と開口部直径から燃焼継続限界初期フリーボード長さを求める関係式を得た.
化学プラント,原子力発電所等を対象としたシステムのフォールト・ツリーを作成するための一手法を提案した.本手法は有向グラフと自動制御のプロック線図の考え方を基礎としている.種々の故障モードを記入したブロック線図を作成し,この線図に基づいて,逐次的にツリーを展開する基礎的なアルゴリズムを与えた.本手法により,フィードバック回路を有する流量制御系のフォールト・ツリーを作成し,これよりツリー作成の過程を明らかにし,応用上の特性も示した.