安全工学
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61 巻, 4 号
安全工学_2022_4
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会告
安全への提言
総説
  • 平井 太一朗
    原稿種別: 総説
    2022 年 61 巻 4 号 p. 228-233
    発行日: 2022/08/15
    公開日: 2022/08/15
    ジャーナル 認証あり

    当社は,ベテラン運転員が減少する中で,安定かつ効率的な運転の確立により保安力を向上させるため,人の技量に左右されないプラント自動運転AI を(株)Preferred Networks と共同で開発している.現在までにAI を実際のプラントに接続し,原料流量変更に伴う運転状態の変動の安定化,且つ2 日間連続でアラーム吹鳴のない自動運転に成功した. また,本件は先進的な開発のため参考事例が少なく,AI の評価が困難であったが,総務省消防庁,経済産業省,厚生労働省が合同で取りまとめた「プラント保安分野におけるAI 信頼性評価ガイドライン」により,体系的にAI の信頼性を評価した.その結果,今後検討すべき事項を認識でき,開発内容に織り込んだ.

論文
  • 山﨑 修一, 市川 祐嗣, 荻田 将一, 石原 達己
    2022 年 61 巻 4 号 p. 234-243
    発行日: 2022/08/15
    公開日: 2022/08/15
    ジャーナル フリー

    地球温暖化対策の有効なエネルギーキャリアーとして水素が注目されており,利用形態の確立が要望されている.燃料電池などの固定利用機器への効率的な供給形態の一つにパイプラインを用いた水素導管供給システムがある.ただし,当システムには水素漏出のリスクがあり,その保安対策が必要である.地中における水素漏出の際,早期に漏出位置を特定する必要があるが,都市ガス事業の検知器調査を想定すると,調査の有効性や検知効率の評価には,水素の地中および大気中の拡散挙動の知見が重要である.また,実運用を考慮すると,地中構造体(防護板や建物の基礎等)が拡散挙動に影響するため,これらを想定した知見の整理も求められる.本研究では,実験を通して地中構造体の影響を考慮した水素の拡散挙動を整理し,検知器調査方法の適用性を検証した.

資料
  • 小渕 恵一郎
    2022 年 61 巻 4 号 p. 244-247
    発行日: 2022/08/15
    公開日: 2022/08/15
    ジャーナル 認証あり

    石油精製で使用される常圧蒸留塔の上部配管は,宿命的に内側に腐食が発生し配管の減肉が生じる.配管の補修や交換は,「特定箇所」での「定期的な」肉厚測定の結果を用いて計画しており,過度または過小なメンテナンスとなりやすい.そのため,腐食による減肉の状態を把握し,補修や交換の計画を高度化するニーズがあった.そこでAI 技術を活用し,新たなセンサを設置せず,既に測定しているプロセス値から配管減肉量を随時推定できるシステムを構築した. ここでは,AI 技術を使って配管の肉厚予測に挑戦した経緯,この時に使用した課題解決プロセス,実際に挑戦した過程と結果について述べる.

  • 保安向上と熟練ノウハウの継承まで
    安井 威公
    2022 年 61 巻 4 号 p. 248-255
    発行日: 2022/08/15
    公開日: 2022/08/15
    ジャーナル 認証あり

    エンジニアリング知見やトラブル解析知見,現場の熟練の知見を工夫する事でAI 化が出来る.それにより困難であったプラントでの非定常運転のガイド,化学反応の見える化と目標別の設定値ガイド,触媒量最適化,異常現象の予兆と回避,リアルタイム熱流動解析,熟練ノウハウの継承までサポートできる. また,経産省ガイドラインのAI 信頼性評価を実施すれば安全性が評価出来るので安心してプラントにAI を適用できる.

  • 湯夲 公庸
    2022 年 61 巻 4 号 p. 256-263
    発行日: 2022/08/15
    公開日: 2022/08/15
    ジャーナル 認証あり

    事故・災害・予徴等(不安全事象という)の記録・解析に関して,数多な研究が成されてきた.並々ならぬ努力が払われてきたが,不安全事象は続き,撲滅に向け,網羅性,正確性,論理性,などの観点から,更なる努力や工夫が払われている.化学プロセス産業は,人為的な行為から,爆発・火災・環境汚染・暴露などの安全性を踏まえて,近年では情報・電子工学的な要素が加味された新規な生産プロセスの運営に広がろうとするが,不安全事象に係る記録・解析においても新規な方策が求められている. 本研究では,不安全事象の記録の網羅性,論理性に工夫を加え,スイスチーズモデルの穴の撲滅とバリアーの根本的強化に向け,「積極的関与」の立場に立ち,マトリックス法に注目し,改良された,不安全事象の記録・解析方法の一つを提案した.また,マクロな視点に立った,組織の不安全事象の未然防止の取り組みによるバリアーの強化の一例を提示した.

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