西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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78 巻 , 1 号
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目次
図説
綜説
症例
  • 石黒 麻友子, 岸本 英樹 , 中島 英貴, 中島 喜美子, 佐野 栄紀
    78 巻 (2016) 1 号 p. 19-23
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    81 歳,女性。1 週間前から続く発熱と体幹・四肢の痒みを伴う皮疹を主訴に受診した。初診時,体幹前面と四肢伸側に紅斑,紅色丘疹が集簇し,関節痛,表在リンパ節腫脹も認めた。病理組織で,角層と表皮上層に個細胞壊死が散見された。初診時に認めた皮疹は 1 週間後に色素沈着を残し消退したが,その後新たに体幹・四肢に痒みを伴う浮腫性紅斑が生じた。この病理組織では表皮に著変なく,真皮上層の浮腫と血管周囲性のリンパ球浸潤を認めた。感染症,悪性腫瘍,膠原病を除外診断し,2 つの異なる非定型疹を呈した成人 Still 病と診断した。全身ステロイド治療に抵抗性を示し,シクロスポリンやガンマグロブリン製剤を併用するも,マクロファージ活性化症候群のため初診から 29 日目に死亡した。成人 Still 病には多彩な非定型疹がみられることも念頭に置き,速やかに診断する必要がある。
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  • 東 美智子, 東 江里夏, 芦田 美輪, 小川 文秀, 林 徳真吉, 宇谷 厚志
    78 巻 (2016) 1 号 p. 24-28
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    56 歳,男性。8 年前発症の腫脹した右顎下部リンパ節を 6 年前に摘出した。なお,診断名は不明であった。3 年前より両上肢に紅色丘疹が出現し,徐々に顔面や体幹に拡大した。皮膚生検組織像では主に血管周囲に形質細胞とリンパ球からなる炎症細胞浸潤像を呈した。確定診断がつかないまま行った種々のステロイド外用,プレドニゾロン 10 mg/日内服を含む治療に抵抗した。難治のため再度前額部と腰背部より生検を行い,形質細胞の存在が特徴的であることに着目して,血清 IgG4を測定したところ,327 mg/dl (正常値 4.8~105 mg/dl)と高値を示した。また免疫染色では皮膚に浸潤している IgG 陽性の形質細胞中,IgG4 陽性の形質細胞が 45%と有意に増加していた。以上より自験例を IgG4 関連疾患と診断した。プレドニゾロン 20 mg/日に増量し,皮疹は著明に改善したが漸減にて,顔面に強い浸潤を触れる紅斑が再燃する経過を現在までくり返している。2014 年に Tokura,山口らにより,IgG4 関連皮膚疾患(IgG4-related skin disease)は,①皮膚形質細胞増多症,②偽リンパ腫/好酸球上昇に伴う血管リンパ球増多症/木村病,③虚血指,④ミクリッツ病,⑤乾癬様皮疹,⑥非特定な丘疹,紅斑,⑦高 γ グロブリン血症性紫斑/蕁麻疹様血管炎,⑧血小板減少性紫斑病の 8 つに分類された。IgG4 陽性形質細胞による直接浸潤のある型が①~④で,二次的な関わりによるものが⑤~⑧である。自験例では頭頚部の臨床像は既報告にもある通り特異疹である偽リンパ腫型と考えた。しかし,体幹・四肢の非特定な丘疹,紅斑も特異疹と考えられたことから,稀な症例としてここに報告する。
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  • 中川 理恵子, 幸田 太, 執行 あかり, 桐生 美麿, 古江 増隆
    78 巻 (2016) 1 号 p. 29-32
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    31 歳,男性。初診の 1 カ月前より発熱,頚部リンパ節腫脹があり,内科で悪性リンパ腫,組織球性壊死性リンパ節炎 (histiocytic necrotizing lymphadenitis;HNL) などが疑われ精査中だった。抗生剤と解熱鎮痛剤の内服で症状は改善したが,2 週間前より再度発熱,頚部リンパ節腫脹,上肢,体幹,顔面に浸潤性紅斑が出現し,当科に紹介された。皮膚生検では,表皮の個細胞壊死,空胞変性,真皮浅層から深層にかけて,血管・毛包周囲に組織球,リンパ球の浸潤と核塵が多数みられた。免疫染色では,CD68,CD3 陽性,CD4と CD8 では CD8 優位だった。以上より HNL の特異疹と考えられた。経過観察のみで,リンパ節は縮小,皮疹は消退した。HNL は発熱と頚部リンパ節腫脹を特徴とし,若年成人に好発する原因不明の疾患である。皮疹の病理組織は,リンパ節病変と同様の所見であることが多く,皮疹がある場合,リンパ節生検と比較し侵襲が少ない皮膚生検による診断が有用である。
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  • 下山 陽也, 鈴木 智香子, 清 佳浩, 斎田 俊明
    78 巻 (2016) 1 号 p. 33-35
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    20 歳,女性。小児期より認めた右上眼瞼の色素斑が数年前より増大,隆起してきた。長径 7 mm の青黒色隆起性結節で,病理組織学的に青色母斑の所見に加え,表皮下層部に dendritic melanocyte が認められ,‘compound’ blue nevus と診断した。Compound blue nevus は極めてまれな腫瘍で,結節型悪性黒色腫と誤診されることがあり,注意を要する。
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  • 坂本 佳子, 河野 美己, 執行 あかり, 古江 増隆
    78 巻 (2016) 1 号 p. 36-39
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    53 歳,女性。20代から上腕に有痛性結節が出現し,四肢と躯幹に徐々に増加,増大したため,精査加療目的に当科受診した。既往歴に子宮筋腫,両側乳癌がある。家族歴では娘にも子宮筋腫が認められた。 病理組織像では真皮全層に異型性のない紡錘形細胞からなる結節が認められ,また免疫組織学的には α-smooth muscle actin 染色,desmin 染色,vimentin 染色が陽性であった。以上より多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫と診断した。自験例では疼痛を伴う結節のみ切除した。多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫は比較的稀な疾患であり病因は明らかではない。女性では子宮筋腫との合併例が多く,自験例でも認められた。
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  • 井手 豪俊, 竹井 賢二郎, 池田 真希, 伊東 孝通, 桐生 美麿, 古江 増隆
    78 巻 (2016) 1 号 p. 40-43
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    73 歳,男性。初診の 2 カ月前から顔面に瘙痒を伴う紅斑が出現し,近医にてステロイド外用で加療されたが症状が増悪したため当科を受診した。初診時,頭部と両頰部を中心に浸潤性紅斑を認めた。病理組織学的にリンパ濾胞様構造を伴う密なリンパ球浸潤巣が真皮全層に散在しており,表皮下に grenz zone を有していた。リンパ球に異型性は認めなかった。免疫染色では,CD20,CD79a の B 細胞系マーカーに強陽性だった。サザンブロット法では遺伝子の再構成は認めず,腫瘍細胞のモノクロナリティーはみられなかった。以上より多発性偽リンパ腫と診断した。Mild class のステロイド外用を 3 カ月間継続し,瘙痒,浸潤は軽快したが紅斑は持続している。偽リンパ腫の多発例や難治例では,経過中に真の悪性リンパ腫に移行したとの報告がある。本症例は病理組織学的所見や遺伝子再構成検査から悪性リンパ腫を示唆する所見は認めなかったが,臨床的に難治例であるため今後も注意深い経過観察が必要である。
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  • 𡈽井 和子, 嬉野 博志, 宮原 正晴, 古江 増隆
    78 巻 (2016) 1 号 p. 44-49
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    症例 1 : 45 歳,男性。ニューモシスチス肺炎の発症を契機に HIV 感染を指摘され,後天性免疫不全症候群 (acquired immunodeficiency syndrome:AIDS) と診断された。顔面,頚部,足趾に多発する紫紅色局面が認められた。症例 2 : 84 歳,男性。びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫に対する化学療法中に,呼吸不全を呈し corticosteroid が投与された。その経過中に左足背に大豆大の紫紅色結節が出現し,次第に増大した。左下腿と右前腕に同様の結節が多発してきたため,当科を受診した。HIV 陰性であった。2 症例ともに,病理組織学的所見では,真皮から脂肪織にかけて紡錘形細胞の増殖と毛細血管の増生が認められ,CD31,CD34,D2-40,LANA-1 陽性であったことから,Kaposi 肉腫 (Kaposi's sarcoma:KS) と診断した。KS は HHV-8 感染者に,年齢,薬剤,ウイルス感染等による免疫不全が誘因となって発症する日和見腫瘍である。今後,分子標的薬や生物学的製剤による免疫低下患者の増加が予想されるため,HIV 感染のみならず,免疫不全患者においても KS を念頭に診察を行う必要があると思われた。
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  • 加賀谷 真起子, 高橋 博之
    78 巻 (2016) 1 号 p. 50-53
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    53 歳,女性。悪性リンパ腫でリツキシマブ維持療法中に軽度の腸炎の症状が出現した。その約半年後より四肢に圧痛を伴う紅斑が発熱と共に出現・消退を繰り返し,結節性紅斑として加療していたが,経過中に外傷を契機として壊疽性膿皮症様の潰瘍も出現した。血液培養で Helicobacter cinaedi (H. cinaedi) が検出され,H. cinaedi 菌血症と診断した。H. cinaedi 感染症では発熱や腸炎の他に,皮膚病変として結節性紅斑や蜂窩織炎様の紅斑等を呈するが,皮膚科領域での認知度は低く注意を要する。
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  • 若嶋 千恵, 中島 喜美子, 樽谷 勝仁, 佐野 栄紀
    78 巻 (2016) 1 号 p. 54-56
    公開日: 2016/05/18
    ジャーナル 認証あり
    2型糖尿病の 74 歳,男性。過去にインスリンの使用歴はない。血糖コントロールのため,インスリンアスパルト (ノボラピッド®) とインスリンデテミル (レベミル®) の皮下注射が導入された。その約 2 週間後より,腹部のレベミル® 皮下注射部位に一致して,軽度の瘙痒を伴う浸潤性紅斑が生じた。数種類のインスリン製剤を1/100 濃度に希釈して皮内テストを施行したところ,レベミル® のみ 24 時間後より浸潤性紅斑を認め,72 時間後も持続した。以上より,レベミル® による遅延型アレルギーと診断し,同剤を中止した。続いて,新たに使用したインスリングラルギン (ランタス®) によっても,投与翌日から注射部位に同様の浸潤性紅斑が生じた。レベミル®およびランタス® は,ともに持効型溶解インスリンアナログ製剤で,その製剤特徴から注射部位反応を起こしやすいと言われている。非アレルギー性の機序も報告されているが,自験例では,レベミル® は十分な感作期間を経て症状が出現し,皮内テストの結果からも遅延型アレルギー反応と考えた。ランタス® はレベミル® との交叉反応か非アレルギー性の反応かは判然としなかった。糖尿病患者数の増加とともにインスリンの需要が高まる中,注射部位反応の診断と精査は,皮膚科医の重要な役割である。
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