安全工学
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52 巻, 5 号
安全工学_2013_5
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 倉持 秀敏
    2013 年 52 巻 5 号 p. 282-290
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    放射性物質汚染廃棄物の焼却処理(溶融等の熱処理を含む)に関して3 つの課題(放射性セシウムの挙動解明,排ガス処理,焼却炉内耐火物への蓄積)を提示し,原子力発電の爆発事故以降の学会発表を中心に,各課題に関する調査・研究を収集し,これまでの知見を紹介する.特に,挙動解明については,施設調査,実験研究,計算モデルの3 つの手法に分けて研究動向を整理しつつ,処理対象物による挙動の違いや挙動の制御性の観点から知見を考察する.一方,各課題に対して過去の文献から示唆に富む研究成果を紹介するとともに,これまでの知見と比較しながら,今後解明すべき課題や将来展開についても言及する.

  • 鈴木 宣弘
    2013 年 52 巻 5 号 p. 291-299
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    「対等な競争条件」の名目の下に「企業利益の拡大にじゃまなルールや仕組みは徹底的に壊す,または都合のいいように変える」ことを目的として,人々の命,健康,暮らしよりも企業利益を追求するのがTPP である.特に,食料については,米国の穀物メジャー,種子を握るバイオメジャー,食品加工業,肥料・農薬・飼料産業,輸出農家などが,例外なき関税撤廃で各国の食料の生産力を削ぎ,食品の安全基準などを緩めさせる規制緩和を徹底し,食の安全を質と量の両面から崩して「食の戦争」に勝利することを目指している.TPP と国内の規制改革,国家戦略特区が表裏一体で,このまま,一握りの人々のための「今だけ,金だけ,自分だけ」の政治が暴走したら,国民の安全・安心な暮らしを守ることはできない.

論文
  • 中垣 真美・澁谷 忠弘, 中村 いずみ, 大谷 章仁
    2013 年 52 巻 5 号 p. 300-307
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,減肉を有する立体配管系を対象として,地震荷重下で減肉の存在が配管系の振動応答および破損挙動に与える影響をパラメトリック解析により調査した.過去に実施された実験結果を再現できる解析モデルを構築し,数値解析の妥当性を検討するとともに,エルボ部の面外曲げと面内曲げの2 つの曲げモードに着目しラチェット変形を考慮した疲労寿命評価を実施した.解析の結果,以下のことが明らかとなった.(1 )減肉率が増加するほど剛性が低下し,振動数が低下することによりひずみサイクル数は減少するが,変位量の増加により疲労損傷は大きくなる.(2 )内圧の増加にともない,面外曲げを受ける減肉エルボではラチェットひずみが増加し,疲労寿命が低下する.(3 )面外曲げにおいては局部減肉部の局所的な変形によって全周減肉よりも疲労寿命が大きく低下する可能性がある.

  • 赤坂 俊哉・田沼 正蔵, 岡田 有策
    2013 年 52 巻 5 号 p. 308-317
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    事故の発生可能性を低める改善活動を作業者自らが行っていける体制の構築を目指している組織では,安全活動が様々な形で活性化することを期待し,ヒヤリハットを始めとする兆候事象の収集,分析を行っている.現場における改善活動においては,作業者自身が,ヒューマンエラーを誘発するような,作業をしづらくしている問題点に一つでも多く気付けるようになることが重要である.本研究では,兆候事象の報告活動を,問題点に気付く能力の育成に繋がる形で運用できるような方策を検討した.検討の結果,導入に際する既存報告制度への変更要求を最小限に抑えつつも,問題点に気付くための視野の拡張に繋がるような情報を作業者にフィードバックすることのできる方策を完成させた.

資料
災害事例分析
  • ―その1:災害概要,被害状況,測定・実験
    八島 正明
    2013 年 52 巻 5 号 p. 332-339
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    アルミニウム製品の研磨加工工場において爆発が発生し,室内で作業を行っていた7 名が死傷する重大災害があった.その1 では,災害の概要,被害状況,測定・検証実験の結果を述べる.測定と実験は次の項目について行った.①採取した粉じんの顕微鏡観察と粒度分布,②かさ密度,③成分元素,④水との反応性(水素の発生の可能性),⑤粉が堆積する速度,⑥爆発特性(最小着火エネルギー,爆発下限濃度,爆発の強さ),⑦集じん機の性能,⑧集じんダクトの吸込み速度,⑨集じん機バグフィルターの電気抵抗, ⑩被災した研磨機を使った再現実験,⑪火花による着火の確認,⑫気流中の火炎の伝ぱ,⑬電気ストーブの温度.

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