西日本皮膚科
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40 巻, 6 号
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図説
綜説
  • Garry T. COLE
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1083-1104
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    The conidial fungi are those members of the Deuteromycetes which produce asexual, nonmotile and usually deciduous propagules (conidia) by de novo growth from, or conversion of a fertile hypha (conidiogenous cell). Accommodated in this group of fungi are most of the important pathogens causing plant and animal, including human, mycoses, many species associated with food spoilage and release of mycotoxins (e.g., aflatoxins), numerous microbes employed in antibiotic production and other industrial processes, several fungi which are potentially useful in biological control and a large number of microorganisms which have aroused the interest of experimentalists in many disciplines of biological sciences. The conidial fungi clearly rank as a very significant group within the Division Mycota. In spite of the recognized importance of conidial fungi, the taxonomy of this group is still confusing and cumbersome. Workers are often frustrated while attempting to identify species using conventional keys for identification which are usually based on highly variable morphological characters such as conidial shape, septation and pigmentation, conidiophore arrangement and cultural features. Investigations of conidial and conidiogenous cell development have provided new, genetically stable and thus, taxonomically reliable data which the systematist can incorporate into existing classifications in order to yield a more functional system. It has been this relationship between conidiogenesis and taxonomy that has been the principal impetus for continuation of these studies. Examination of aspects of conidium ontogeny, however, has recently involved additional research areas such as ultrastructure, cytology, biochemistry, plant pathology and medical mycology. The taxonomy of medically important conidial fungi is particularly chaotic. Many species are capable of alternating between yeast and hyphal phases both in tissue and pure culture, which increases the difficulty of accurate identification of these microorganisms. The minute size of most pathogenic species of such genera as Phialophora, Exophiala, Cladosporium, Sporothrix and Histoplasma also places strain on the mycologist to identify these fungi based on light-microscopic examinations of morphological characters alone. Electron-microscopic investigations of conidial fungi have provided new and taxonomically significant information by revealing aspects of conidiogenesis which have clarified earlier developmental concepts and defined new categories of conidium and conidiogenous cell ontogeny. By correlation of data obtained by light- and electron-microscopic analyses, certain key morphological features which are recognizable with the light microscope can be used, retrospectively, for identification of a particular mode of development. Such correlation is necessary for the formulation of a functional classification in which developmental characters are employed. The categories of conidial and conidiogenous cell development described in this paper provide the basis for incorporation of such characters into existing classifications of conidial fungi.
  • 小澤 明, 大城戸 宗男
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1105-1119
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
症例
  • —Colloid Degeneration of the Skin(Plaque Type)との異同について—
    西村 正幸, 幸田 弘, 西尾 一方, 占部 治邦
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1120-1127
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    63才男子の左頬に生じた単発性結節を, 病理組織学的, 組織化学的および電顕的に検索し, primary localized cutaneous amyloiclosis(tumefactive form)に近縁のものと診断し, colloid degeneration of the skin (plaque type)との関係について私見を述べた。電顕的検索から本症例における病的沈着物の生成に, 線維芽細胞が深く関与すると思われる所見をえた。
  • 堀 嘉昭, 伊勢 信子
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1128-1132
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    発症後約1年半の経過で死亡した(死亡時75才女子)悪性血管内皮細胞腫の1例を報告した。本症は老人の頭部, 顔面に好発し, 血管拡張と浮腫で始まり, 出血性の腫瘤を形成する。ひとたび発症すると網状の紅斑すなわち血管拡張は周辺にとめどなく拡大し, その部に腫瘤を形成し, 末期には肺, 骨などに転移し, 死の転帰をとるきわめて悪性度の高い腫瘍と考えられる。病理組織学的には血管の拡張, 浮腫, 出血と血管内皮細胞の腫大, 増殖, 管腔内への突出, 管腔の狭窄ないし閉塞, 血管外の増殖を特徴とする。初期には腫瘍細胞の異型性はそれほどではないが, 末期にはきわめて強くなる。アルカリフォスファターゼ活性は陽性であるが, 異型性がきわめて強く, 管腔を形成しない腫瘍細胞では陰性を示すものもある。本症例は種々の化学療法に抵抗し, 放射線照射がやや有効であつたが, 増殖傾向が強く, 肺胸膜, 脊椎骨に転移して死亡した。
  • 田中 章, 高岩 堯
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1133-1136
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    1才1ヵ月女児のangioblastomaを報告した。臨床像, 組織像ともに典型的で, Dermopan照射により著明に改善した。加えて, 本邦報告例60例について若干の文献的考察を行なつた。
  • 宮脇 由美子, 友田 哲郎, 緒方 克己
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1137-1141
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    凍結手術により治療した52才女子および67才男子の巨大棘細胞癌(T4N0M0)の2例を報告した。2症例とも根治的腫瘍摘除術が困難で, ほかの治療にもあまり奏効せず, 反復施行した凍結手術により一応治癒状態に到達できた。凍結手術は症例を選択すれば皮膚悪性腫瘍の治療法としてきわめて有効と思われる。
  • 高松 スミ子
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1142-1151
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    11才女児4例のtrichotillomaniaにたいして, 生育歴をふくめた生活全体の把握を基礎にして面接治療を行なつた。頭毛のみ抜去2例(うち1例はtrichophagia), 頭毛+眉毛+睫毛抜去1例, 眉毛+睫毛+鼻毛抜去1例で, 3例にそう痒をともなつていた。4例とも重症の精神症状はみられないが, 情緒不安定, 不安, 欲求不満があつた。人格像は内向的, 神経質, 自罰傾向で神経症的傾向を有していた。母子関係の緊張があり, 母親に溺愛と拒否の矛盾した養育態度がみられた。この上に生活の場における困難, 不安, 緊張をひきがねとして発症していた。ストレス除去, 遊び, 運動の奨励, 家族関係とくに母子関係の調整を含めて, 精神的支持療法により容易に治癒に向かつたが, 困難に直面すると容易に再発した。問題解決にたいする積極的な適応を指導することが再発防止上重要であつた。頭毛の抜去は治癒が容易であつたが, 眉毛, 睫毛抜去は治癒困難であつた。
研究
  • 野中 薫雄, 下山 時生, 本多 哲三, 吉田 彦太郎
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1152-1155
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    長崎県在住のPCB中毒(油症)患者およびその発生地域住民の尿中ポルフィリン体測定をおこなつた。対象は油症患者71名, 対照180名であり, 尿中コプロポルフィリン体値は油症患者1例を除いて有意差は認められなかつた。油症患者群のうち49才男子例では尿中コプロポルフィリン316.8μg/l, ウロポルフィリン2514.8μg/lと著しい増加が認められ, 露出部位に小水疱, 色素沈着などporphyria cutanea tardaを思わしめる変化がみられたが, この症例ではアルコール大量摂取の既往があり, PCBとの因果関係は明確ではない。
  • 中川 昌次郎, 後藤 昌子, 三村 茂, 難波 昌子, 幸田 衛, 植木 宏明
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1156-1158
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    各種皮膚疾患について血清中のantistaphylococcal α-hemolysin(AStaL)抗体価を測定した結果, 慢性蕁麻疹39例中4例(10.3%), 掌蹠膿疱症21例中1例(4.7%), 結節性紅斑7例中1例(14.3%), 伝染性膿痂疹8例中2例(20.5%)が健康人のAStaL値と比較して高値を示した。慢性蕁麻疹および掌蹠膿疱症でAStaL反応が高値を示した症例の頻度はASLO反応に高値を示した症例の頻度と比較して, 低いかあるいは同程度であつた。
  • 二木 昇瑞, 二木 昇平, 平山 芳, 細谷 律子, 辻 和男, 細川 良三, 皿井 靖長, 石川 友章, ジンヨン·ピサヌボ ...
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1159-1163
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    Exfoliatim(Ex)産生黄色ブドウ球菌(ブ菌)がSTENやimpetigoの原因であることは広く知られている。著者らはこのEx産生ブ菌がSTENやimpetigo以外の疾患からも分離されることを認めさらにこれらブ菌について薬剤および重金属耐性を検索し, これらを疾患別, Exの血清型別, ファージ型別に検討したところ, つぎのごとき結果をえた。
    1) Ex産生ブ菌がSTENやimpetigo以外の皮膚疾患からも分離され, 病巣皮膚, 鼻腔, 咽頭から分離されたブ菌中に占めるEx産生ブ菌の陽性率はそれぞれ29%, 20%, 20%である。
    2) Impetigoの鼻咽腔におけるEx産生ブ菌の検出率がそれぞれ63%, 86%と高いことからSTENのみならずimpetigoでも治療には抗生物質の内服併用が必要であると思われる。また抗生物質は現在のところCEXがもつとも効果的であると思われる。
    3) Ex非産生ブ菌と産生ブ菌について薬剤耐性を比較すると一般にEx非産生株により多くの耐性株が認められるが耐性頻度の高いPCやEMなどにくらべ耐性頻度の低いCEXに有意の差が認められる。
    4) 薬剤や重金属耐性をファージ型別に検討すると, I群ついでNT群に多くの耐性株が見られるのにたいしII群は少ない。
    5) 環境の汚染度はとくにSTENやimpetigoを発症させる重要な因子とはならない。
  • —ステロイド外用剤との比較試験—
    山本 一哉, 斎藤 幸雄
    1978 年 40 巻 6 号 p. 1164-1167
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    非ステロイド系抗炎症剤であるbufexamacクリームならびに吉草酸ベタメサゾンクリームをアトピー皮膚炎皮疹部にODTで外用し, 皮表細菌に与える影響をODT前後において比較検討した。その結果, (1) 検出された細菌相では黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌が主体を示した。(2) 菌数の前後差により両剤の比較検定を行なつた結果, 表皮ブドウ球菌では両剤間に有意差はみられないが, 黄色ブドウ球菌では吉草酸ベタメサゾンの方が, 菌数増加が有意に高かつた。アトピー皮膚炎増悪因子のひとつとしての菌数増加が少ないbufexamacクリームは, アトピー皮膚炎に安全に使用しうる外用剤といえる。
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