安全工学
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52 巻, 1 号
安全工学_2013_1
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会告
安全への提言
総説
  • ―(株)クレハ・いわき事業所の地震被害調査をもとに
    大場 弘行, 松川 圭輔, 和田 有司, 大久保 元, 高木 伸夫
    2013 年 52 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    2011 年3 月11 日に発生したマグニチュード9.0 の地震ならびにその1 ヶ月後の4 月11 日および4 月 12 日に直下型ともいえる地震を経験した福島県いわき市に立地するクレハ化学(株)いわき事業所の被害状況と同事業所の地震への準備と対応を紹介するとともに,地震に対する化学プラントの被害軽減を図る上での設備面での基本的な対策ならびに地震などの緊急事態に対するプラント防災の視点について複数のメンバーで検討したので本稿で紹介する.
  • 小口 正弘・滝上 英孝・遠藤 和人・大迫 政浩
    2013 年 52 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    2011 年3 月11 日の東日本大震災で生じた津波堆積物の有効利用や適正な処理処分に向けては,その化学物質汚染状況の把握が必要である.本稿では,津波堆積物の化学物質汚染の調査事例を紹介し,東日本大震災で生じた津波堆積物の化学物質汚染状況の概要をまとめた.いくつかの調査事例に基づけば,鉛,ヒ素,ふっ素,油分について土壌環境基準値等の参照基準値を超える汚染が一部見られたものの,基本的には化学物質による深刻な汚染はなく,汚染が見られた地点についてもその多くは海底や河川底質など自然由来であると考えられた.ただし,ごく一部の箇所では事業所等の損壊による化学物質の流出が原因と考えられる汚染が見られた.また,そのような汚染の可能性を土地利用や施設立地情報の活用によって事前に判別する方法を検討した事例を紹介した.
  • 加藤 和彦
    2013 年 52 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    2011 年3 月の東日本大震災と福島第一原子力発電所の重大事故を契機に,太陽光発電システムの普及が加速しているが,「環境に優しい」という技術イメージばかりが先行し,発電設備としての長期信頼性や安全性などの品質に関する議論が後回しとなっている.また,「メンテナンス・フリー」という言葉が先行し,適正な保守点検の技術検討や制度整備もなされていない.それには,そもそも故障や不具合に気がつきにくいという太陽電池モジュールの工業製品としての本質的特性が強く影響している. 本稿では,太陽光発電システムの不具合事例を紹介するとともに,本技術の普及拡大に隠された上記のような問題を指摘する.
論文
  • 藤原 俊明・黒瀬 俊明, 根津 幸宏, 高橋 悦之, 松本 浩二
    2013 年 52 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    事業者が製品事故にまつわり,リコールの実施を意思決定するにあたり,リスクアセスメント手法の一つであるR-Map 手法を用いて,事故の頻度と被害の程度から定量的にリコールの実施を判断する手法が経済産業省から提案されている.このR-Map における判断基準は,頻度と被害の程度であるが,これに加えて,リスクバイアスと呼ばれる方法を用いて,定性的な事象(バイアス因子)を反映させる手法が開発されている.現在までのところ,様々なバイアス因子が指摘されてきた. 本研究では,リコール事例の傾向分析によってバイアス因子を明らかにすることを試みた.この結果,リコールを義務付ける法規制や,品質上の問題によってリコールが増加する等の傾向を明らかにした.これらは,バイアス因子となり得ることを指摘した.
  • 西村 育人・今村 友美・茂木 俊夫・土橋  律
    2013 年 52 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    閉空間におけるガス爆発では空間内の急激な圧力上昇により,大きな被害をもたらす.適切な安全防護や安全管理を行うためには,ガス爆発時の圧力挙動を的確に予測する必要がある.しかしながら,既往の圧力上昇計算モデルや小規模実験による危険性評価は,実際の大規模空間での爆発時に現れる火炎の自発的な乱れの影響を無視しており,実規模のガス爆発に対して過小評価となってしまう危険性がある.そこで本研究では,火炎の自発的な乱れの影響を考慮した圧力上昇計算の新規モデルを提案し,さらにガス爆発の危険性評価指標であるKG 値に対しても,自発的な乱れによるスケール効果を考慮した修正モデルを提案した.これらの結果は現実のプラントなどの大規模施設において,より適切な安全管理の実現のために活用されることが期待される.
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