安全工学
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51 巻, 2 号
安全工学_2012_2
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 宇都野 穣
    2012 年 51 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    福島第一原発事故に関わる原子核物理について量子論の知識を前提としない立場から概説する.採り上げる話題は,原子力で利用されている核分裂反応,および事故の直接的物理的過程である原子核の崩壊と放射線である.核分裂反応に関しては,原子核反応のエネルギースケール,原子核の構造,自発核分裂と中性子誘起核分裂の機構,連鎖反応と臨界現象について,原子核の形状と内部エネルギーの関係を軸に議論を展開する.原子核の崩壊と放射線に関しては,安定同位体と不安定同位体,不安定核種の崩壊様式,安定核の核図表上の分布,核分裂片が不安定核種となる機構,放射線の一般的性質について,陽子数と中性子数の数と内部エネルギーの観点から議論する.

  • 池上 正
    2012 年 51 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    経済産業省の産学連携製造中核人材育成事業には産業横断的・日本縦断的に65 プロジェクトが採択されている.化学プロセス関連では水島と千葉及び化学工学会の3 プロジェクトが製造中核人材育成の課題に取り組んでいるが,本稿では水島での活動について報告する.水島では産・学連携,産・産連携により中核オペレーター対象の安全・安定運転関連2 コース14 講座,中堅マネージャー対象のリスク管理・競争力強化関連2 コース9 講座の教材を開発した.講座を開講して現在6 年目を迎え,年間の講義数は約 70 回,受講者は全国各地から年間1 000 人を超えている.講座の特徴は“考える事のできる人材”,“Know-Why”,“企業間の人材ネットワークの提供”にある.

  • 八島 一也
    2012 年 51 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    団塊世代の大量退職に伴い,経験した事の無い早さで従業員構成の世代交代が進んでいる.この結果として経験不足が原因と思われるミスやトラブルが少なからず発生しており,その頻度が過去の実績よりも増加傾向にある.このような傾向にストップをかけて減少傾向に導き,発生ゼロを継続して行けるよう,様々な安全活動に取り組んでいる.今回は当社工場における安全活動のうち,事故・災害防止の活動としてのヒヤリ・ハット活動とその活用事例およびアクシデント・ゼロプロジェクト活動について紹介する.

論文
  • 宮下 達也, 須川 修身・和田 義孝, 川口 靖夫
    2012 年 51 巻 2 号 p. 96-105
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    大型の浮き屋根式石油タンクで全面火災発生時,大容量泡放射砲により10 000 ~40 000 L/min の泡消火剤を放射投入し,消火活動を行う.しかし,放射された泡消火剤は,風や火炎による上昇気流の影響を受け易いため,放射軌跡や放射挙動の予測が困難である.本研究は,大容量泡放射砲による放水及び泡放射の三次元シミュレーションモデルを構築し,数値計算を行った.モデルの構築には,MPS 法を基盤として用い,水塊の分裂モデルにはRosin-Rammler 分布を応用したモデルを適用した.また,放射流量 1 500 L/min の放水及び泡放射実験を実施し,放射軌跡及びフットプリント内の分散分布を測定した.計算値と実験値を比較すると,射程及び射幅が誤差1 ~11%で一致したことから,モデルの妥当性を確認した.さらに,放射した流体粒子の位置座標を解析し,タンク内へ効率良く投入するために最適な放射条件を提案した.

資料
  • 牧野 良次・松倉 邦夫・和田 有司, 熊崎 美枝子
    2012 年 51 巻 2 号 p. 106-112
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    ヒューマンエラーの分類について様々な提案があるが,実際に発生した事故においてどのようなタイプのヒューマンエラーが原因となっているのかは必ずしも明らかではない.そこで,事故データベースに収録されている事故事例の中からヒューマンエラーに起因する事故を抽出し俯瞰的に分析することを試みた.抽出された事故をヒューマンエラーのタイプで分類し,各タイプの発生頻度,各タイプと事故の重大性との関連,および事故事例で提案されているヒューマンエラー防止対策を調べた.事故事例を事故防止に生かすには,ヒューマンエラーを起こした背景要因に踏み込んで調査し,その結果に基づいて管理者や作業者を安全行動に導くための制度設計をすることがひとつの有効なアプローチであろう.経済学は上記制度設計を行う際に役立つ方法論を提供していると考える.

  • 梅津 隆弘
    2012 年 51 巻 2 号 p. 113-118
    発行日: 2012/04/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    化学物質を含む危険物事故対応時において使用されるべき化学物質保護衣の選定は,当該化学物質に関する耐性情報が欠けている場合,事故対応者を悩ませるものとなる.このような状況時に,選定判断の支援としてHansen Solubility Parameters を利用することを検討した.その結果,耐性があり使用可能という積極的な判断材料としてではなく,耐性がない可能性があり使用すべきでないという消極的な判断材料として用いることができると考えられた.

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