日本臨床細胞学会雑誌
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44 巻 , 1 号
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  • 喜納 奈緒, 藤村 正樹, 白井 貴子, 高橋 道子, 織田 克利, 白水 健士, 黒住 昌史
    2005 年 44 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:婦人科腫瘍領域における穿刺吸引細胞診の有用性について臨床病理学的に検討し, その細胞学的特徴と問題点について報告する.
    対象:対象は当科で過去4年間に治療, 検査した37例40部位からの穿刺吸引細胞診である. 原疾患は, 子宮頸癌14例, 子宮体癌5例, 卵巣・卵管癌11例, 膣癌2例, 外陰癌3例, ダグラス窩腫瘍2例であった. 穿刺時期は初回治療時10例, 再発時30例であった. 穿刺病変は充実性と嚢胞性に分類し, 充実性病変は34例, 嚢胞性病変は6例であった. Class IV, Vを陽性として陽性率を比較し, おのおのの臨床病理学的特徴を検討した.
    結果:穿刺病変部位別の陽性率は充実性病変では25/34 (73.5%), 嚢胞性病変の陽性率は2/6 (33.3%) で, 充実性病変で高頻度に悪性所見が認められた. 一方, 嚢胞性病変では陽性は低く, その陰性4例中の2例は卵巣癌の膣断端嚢胞状の再発病変で穿刺吸引細胞診と同時に外科的処置を行い再発を確認しえた偽陰性症例であった.
    結論:婦人科腫瘍領域における穿刺吸引細胞診は充実性病変は陽性率も高く有用であるが, 嚢胞性病変では偽陰性の可能性もあり注意が必要である.
  • 黒川 哲司, 吉田 好雄, 八木原 亮, 福田 美佳, 河原 和美, 森 正樹, 今村 好章, 福野 直孝, 紙谷 尚之, 小辻 文和
    2005 年 44 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:子宮内膜細胞診の正診率を上げるため, 検討しなければならない課題の一つは, 診断に適する標本作製と考える. そこで, 直接塗抹法と保存液を使用した液状細胞診法 (以下LBC-P法と略す) を比較し, どちらが診断に適する標本が出来るか検討した.さらに, メリットとデメリットについても検討した.
    方法:福井大学医学部産科婦人科外来で, 子宮内膜細胞診を施行した52例を対象とした. すべての症例に対し, 直接塗抹法とLBC-P法で同時に標本を作製し, 次の5項目について検討を行った.(1) 医師および検査技師の手間を比較検討,(2) 標本の精度評価,(3) LBC-P法による異型細胞出現の再現性を検討,(4) 保存液中における細胞変性の検討,(5) コストを比較.
    成績:(1) LBC-P法では, 医師の手間が少なくなるのに対し, 検査技師の手間は増える.(2) 赤血球や乾燥が診断の妨げとなる標本は, 直接塗抹法で52例中の36例 (69%), LBC-P法では0例. 内膜腺細胞が少なく診断に不適と考える標本は, 直接塗抹法で16例 (31%), LBC-P法では1例 (2%).(3) すべてに異型細胞の出現を認める.(4) 変性は認めず.(5) 直接塗抹法では, 1標本あたり数十円に対し, LBC-P法では, 1標本あたり約100円.
    結論:LBC-P法において, 診断に適した標本が, 少しの手間とコストで出来上がることがわかった.
  • 馬場 剛, 森下 美幸, 明石 祐史, 山口 弘一, 宍戸 健二, 水野 均, 鈴木 孝浩
    2005 年 44 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:子宮体部のprimitive neuroectodermal tumor (PNET) はきわめてまれな腫瘍である. 今回われわ れは, その1例について文献的考察を加え報告する.
    症例:80歳, 女性, 不正性器出血と下腹痛を主訴に受診. 子宮腫大, 子宮頸部より腫瘍組織の排出, 子宮膣部前唇に腫瘍の浸潤を認め, 経膣超音波断層像にて子宮内膜肥厚像が認められた. 細胞診にて小円形の悪性細胞が散在性に認められ, 組織診では小型な円形細胞がびまん性に増殖し, 核異型が強く, 核分裂像も散見され, 特定の組織構築パターンに乏しい像を呈した. 免疫組織化学的所見ではkeratin陰性, vimentin陽性であったものの, LCA, CD3, CD79a, α-SMA, desminは陰性, NSE, CD99 (MIC-2) 陽性であったことから, 最終的にPNETと診断した. CT上, 肝, 肺に転移巣を認めたため, 化学療法を施行した. 治療により, 腫瘍の縮小が得られたが, その後は全身状態悪化のため, 治療を中止し, 診断後5ヵ月で死亡した.
    結論:本疾患は, 発生がまれであること, 進行した状態で発見されることが多いことから,
    治療方針に一定の見解がない.
    細胞診を含め多数例の集積が必要と考えられた
  • 畑中 一仁, 大谷 知広, 小田 憲一, 井上 正年, 植草 利公
    2005 年 44 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:膵嚢胞性腫瘍の2例 (粘液性嚢胞腺腫および膵管内乳頭粘液性腺腫) について, その細胞所見および病理組織学的所見を比較し, 興味ある知見を得たので報告する.
    症例:症例1は50歳, 女性. 膵尾部に径75cm大の嚢胞性腫瘤を認め, 摘出術が施行された. 粘液貯留を伴う径7cm大の多房性嚢胞を認め, 摘出術が施行された. 組織学的に粘液産生性の高円柱上皮が乳頭状増生を呈し, 卵巣様間質を有する粘液性嚢胞腺腫であった. 摘出標本捺印細胞診ではシート状配列, 小型核小体, 軽度の核間距離の不均等を認め, 良悪の判断が困難であった. 症例2は75歳, 男性. 膵頭部に増大傾向を伴う径5cm大の腫瘤を認め, 摘出術が施行された. 径5cm大の嚢胞状に拡張した主膵管を認め, 多量の粘液貯留を伴っていた. 組織学的には一部で高円柱上皮が乳頭状増生を呈する膵管内乳頭粘液性腺腫であった. 膵管擦過細胞診では弱い結合性, 小型核小体, 軽度のクロマチン増量, 核の大小不同を認め, 悪性が示唆された.
    結語:膵嚢胞性腫瘍では, 病理組織学的には非悪性であっても, 細胞診では良悪の判断が困難な場合や悪性が示唆される場合があり, その診断には画像所見および臨床所見を併せた十分な検討が必要と考えられる.
  • 泉 佳恵, 谷山 清己, 加太 武, 藤原 恵, 有難 俊一, 中山 宏文, 三本 亜希, 武市 宣雄
    2005 年 44 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:穿刺吸引細胞診にて, 甲状腺乳頭癌の一部に粘液含有細胞や異型角化扁平上皮細胞が同時に認められたきわめてまれな症例を経験したので報告する.
    症例:67歳, 男性. 左頸部リンパ節腫脹を主訴に受診. エコー検査にて左頸部に4cm大, そのすぐ下に3cm大, 甲状腺左葉に0.7cm大の腫瘤を認め穿刺吸引細胞診が施行された. 両者ともにclass Vと診断され, 甲状腺左葉・左頸部リンパ節切除術が施行された. 細胞診では甲状腺左葉は乳頭癌, 左頸部リンパ節は甲状腺乳頭癌のリンパ節転移と考えられた. また, 粘液含有細胞や異型角化扁平上皮細胞 (粘表皮成分) が甲状腺左葉では少数, 左頸部リンパ節では比較的多く認められた. 切除標本では甲状腺左葉は大部分が高分化型乳頭癌で, その中に粘表皮成分がごく少数含まれていた. 左頸部リンパ節転移巣では高分化型乳頭癌に加え, 粘表皮成分が混在していた. サイログロブリンは乳頭癌細胞で陽性であったが, 粘表皮成分は陰性であった.
    結論:粘表皮成分は原発巣より転移巣で多く認められ, 粘表皮成分の出現は甲状腺乳頭癌の化生性変化と考えられた.
  • 河村 淳平, 木村 文一, 鴨志田 伸吾, 鈴木 文子, 桑野 譲, 桑尾 定仁
    2005 年 44 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:Aggressive angiomyxoma (以下, AAM) は女性の外陰部や骨盤腔に発生するまれな問葉系腫瘍の一つである. 今回, われわれは外陰部に発生した本症例を経験し, 細胞学的および組織学的に検索しえたので報告する.
    症例:患者は52歳女性. 2年前より外陰部皮下腫瘍を認めていたが, 軟らかくみずみずしい腫瘤であったため, 自己切開と排液を繰り返していた. 今回, 腫瘍増大にて当院婦人科を受診し, 外陰部軟部腫瘍との診断により, 腫瘍摘出術が施行された. 手術材料の捺印細胞診では, 大量の粘液を背景に, N/C比がやや高く, 紡錘形~星荘状細胞の孤在性出現が認められた. 組織学的に豊富な粘液を含む問質内に紡錘形~星荘状腫瘍細胞の増生がみられ, 動・静脈および毛細血管の密な増生を伴っていた. 免疫染色にて腫瘍細胞はCD34, smooth muscle actin, vimentin, estrogen receptorおよびprogesterone receptorが陽性, S-100およびdesminは陰性, Ki-67標識率は5%未満となり, AAMと診断された. 2年後の現在, 患者は再発傾向なく無病生存中である. 結論:紡錘形軟部腫瘍にはきわめて多種多様のものが存在するため, まれなAAMの細胞学的診断は決して容易ではない. 患者年齢, 性別, 発生部位あるいは腫瘍の大きさなどの臨床情報や免疫染色による腫瘍細胞の線維芽細胞 (筋線維芽細胞) への分化および低増殖能の証明が補助診断として有用であると考えられた.
  • 池田 聡, 木村 博, 鈴木 恵子, 芝田 敏勝, 船越 尚哉
    2005 年 44 巻 1 号 p. 30-31
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We use PCR to diagnose Pneumocystis carinii (PC) pneumonia together with cytology. In this report, we studied the difference in detection of PC between PCR and cytology, sputum, and broncoalveolar lavage samples suspicious for PC pneumonia. First, we made cytology smears from samples and treated them with Papanicolaou and Grocott stainng. DNA extractation from remnant samples and amplification of DNA specific for PC were also done. Using PCR, we detected PC in 12 of 22 (55%) samples of broncoalveolar lavage, but only 4 of 33 (12%) sputum samples (p=0.0018). In cytology, we similarly detected 6 cases (27%), but only 1 case (3%)(p=0.013). Broncoalveolar lavage samples were thus more suitable than sputum in detecting PC. PCR was significantly more sensitive than cytology (p=0.039). Grocott staining is generally used and is important for detecting PC. However, it could not confirm positive in case of insufficiency of PC on the smears. We concluded that detection using broncoalveolar lavage samples using PCR were suitable for detecting PC.
  • 内藤 愼二, 岩永 彩, 豊岡 辰明, 井上 直樹, 好川 直樹
    2005 年 44 巻 1 号 p. 32-33
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of anaplastic large cell lymphoma (ALCL) in the cervical lymph nodes. A 31-year-old woman had a diagnostic biopsy of swollen cervical lymph nodes. Imprint cytology showed many atypical cells with bizarre nuclei, which were similar to Hodgkin's cells and Reed-Sternberg cells. Histological findings indicated that the sinuses were distended and filled by lymphoma cells that showed atypical mitosis and contained large or giant nuclei and several prominent nucleoli. Immunohistochemical examination revealed that the lymphoma cells were immunopositive for LCA, Ki-1 and EMA. These cytological and histological characteristics were important for diagnosis of ALCL.
  • 奥山 隆三, 榎本 泰典, 市島 國雄, 野田 恒夫, 野々村 昭孝
    2005 年 44 巻 1 号 p. 34-35
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of cutaneous angiosarcoma of the left hip. A 79-year-old woman developing cutaneous angiosarcoma at the radiotherapy site for squamous cell carcinoma of the cervix uteri 15 years earlier was found in imprint cytology to have loosely clumped small round tumor cells with a high N/C ratio. Because she had undergone surgery for double cancer (gastric adenocarcinoma and squamous cell carcinoma of the cervix uteri), we initially suspected low-grade carcinoma metastasis. Malignant cells were stained with CD34 and factor VIII-related antigen by immunohistological study, yielding a final diagnosis of cutaneous angiosarcoma.
  • 橋本 秀哉, 桑原 寿美, 広川 佳史, 白石 泰三
    2005 年 44 巻 1 号 p. 36-37
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report the case of a 68-year-old woman with inflammatory malignant fibrous histiocytoma of the retroperitoneum. Macroscopically, the cut tumor surface showed a solid mass with cystic components. Histologically, the tumor consisted of multinucleated giant cells, atypical large cells, many neutrophils, and xanthoma-like foamy cells within collagen fibers. Cytologically, large atypical cells appeared with neutrophils or xanthoma-like foamy cells as a background. Large atypical cells had multinucleated and bizarre nuclei. Some tumor cells resembled Reed-Sternberg cells. Immunohistochemical staining ruled out leiomyosarcoma and gastrointestinal stromal tumor. She has been followed up for 2 years without any evidence of local recurrence.
  • 蔵本 博行, 石原 得博
    2005 年 44 巻 1 号 p. iii-iv
    発行日: 2005/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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