日本臨床細胞学会雑誌
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ISSN-L : 0387-1193
30 巻 , 6 号
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  • 原島 三郎, 荷見 勝彦, 平田 守男, 南 敦子, 都竹 正文, 池永 素子, 古田 則行
    1991 年 30 巻 6 号 p. 973-978
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1970年より15年間に癌研究会附属病院細胞診断部で, 生検と直視下ブラッシ細胞診併用し, 検索した食道癌282例と食道良性疾患488例について細胞診陽性率を検討した.
    食道癌症例の平均年齢は64歳で, 60歳代に頻度が高く, 男女比は6.1: 1であった.食道癌は胸部中部に多く, X線分類ではらせん型, 内視鏡分類では潰瘍浸潤型が多かった.長径としては4.0~6.9cmの範囲の分布が多かった.
    食道癌細胞診陽性率は部位的にみると, 胸部上部と中部が頸部と腹部より高かった.X線分類別, 内視鏡分類別, 長径別では有意の差がなかった.
    食道癌282例の細胞診成績は, 陽性95.0%, 疑陽性1.4%, 陰性3.5%であった.食道良性疾患488例では, 陽性0.2%, 疑陽性3.5%, 陰性96.3%であった.
  • 加藤 拓, 渡辺 義二, 鈴木 泰俊, 武田 敏
    1991 年 30 巻 6 号 p. 979-983
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    PTCD胆汁細胞診631件の中で手術, 剖検および臨床的に肝外胆管癌と診断された22例について検索した.(1) 胆汁細胞診陽性を示したものは14例 (63.6%), 疑陽性を示したものは4例 (18.2%) であり, これらの中では下部胆管癌 (Bi領域) の症例が9例 (40.9%) と最も多かった.(2) 陽性または疑陽性を示した胆汁細胞診の出現細胞形態は下部胆管癌においては集塊を形成し集合性に認められる傾向にあったのに対し, 上部胆管癌 (Bs領域) は孤立散在性に認められた。(3) これらの症例を臨床病理学的に検索すると下部胆管癌は多彩な腫瘍肉眼形態を示し, 腫瘤の大きさが平均2.1cmにて胆汁細胞診で腫瘍細胞を認めることができた。一方上部胆管癌では結節浸潤型および浸潤型を示し, 腫瘍細胞が胆汁細胞診にて認められる時点ではすでに平均的大きさは4.2cmと大きな腫瘤を形成していた.(4) 陰性を示した症例は上中部に発生した結節浸潤型で, その平均的大きさは2.5cmであった.
    これらの結果は癌の発生部位, 組織型および発育進展様式に影響されたものと考えられた.
  • 大沼 眞喜子, 小室 邦子, 長谷 とみよ, 佐藤 裕美子, 武田 鉄太郎, 松田 堯, 小野寺 博義, 桑島 一郎, 斉藤 博之, 中村 ...
    1991 年 30 巻 6 号 p. 984-989
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    宮城県立成人病センターで非浸潤癌と組織診断された27例について検討した.
    乳癌細胞診全体としての成績は, 分泌物では非浸潤癌55%, 浸潤癌51%の陽性率であったが, 穿刺吸引材料では浸潤癌の陽性率88%に対し, 非浸潤癌では48%であった.
    非浸潤癌細胞の集塊では二層構造の消失が特徴的であった.核は基本的に円~類円形だが, 一部で核不整がみられた.核長径はM・G・G染色で平均12.4μm (±1.3) ~18.1μm (±2.9), Pap.染色で8.7μm (±0.9) ~13.2μm (±1.8) であった.非浸潤癌細胞の大多数は小型核で占められ, M・G・G染色15μm, Pap.染色10μm前後であった.著明なクロマチン増量はなかった.散在細胞は細胞質を保持しているものが多かった.
  • 小林 照明, 前田 陽子, 三上 貴代, 工藤 玄恵
    1991 年 30 巻 6 号 p. 990-994
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    特発性女性化乳房15例 (40~82歳, 平均64歳) の穿刺吸引細胞診材料を用い, その細胞学的特徴について検討した.比較対照として女性の線維腺腫10例と男性乳癌4例の穿刺吸引細胞診材料を選んだ.女性化乳房は以下のような特徴的な所見を有していた.
    1) 細胞は主に集塊として出現する。その細胞集塊の絶対数は少ないが, 大集塊 (100個以上の細胞集団) と中集塊 (11~99個) が相対的に多い。そしてその集塊は高い核密度と多少の核配列の乱れ, そして重積性を示す共通性を有している.
    2) 細胞は細胞質に乏しく, 核形は比較的小型で大きさの揃った円形~類円形から, 大小不同で不整形のものまで幅がある.クロマチンは通常細穎粒状で比較的均一に分布し, 核小体は目立たず, あっても1~2個の小型である.
    3) 核分裂の数は一症例当たり線維腺腫や癌例と比較して少なめであるが, 頻度的に9例 (60%) と高い.
    4) 線維腺腫の全例に多数みられる双極裸核の出現頻度は15例中4例と低く, そしてその絶対数も少ない.
    5) 集塊中の筋上皮細胞は全例に認められるが, 大半の症例は少数である.
    6) 女性化乳房の細胞所見は良性のそれであり, 乳癌とは容易に鑑別可能である.
  • 高橋 里美, 薄田 勝男, 菅間 敬治, 佐川 元保, 佐藤 雅美, 太田 伸一郎, 永元 則義, 斎藤 泰紀, 藤村 重文, 仲田 祐, ...
    1991 年 30 巻 6 号 p. 995-1001
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    昭和57年度から昭和63年度までの7年間の肺癌集検総受診者141万6936名中, 5.0%に相当する7万1043名に対して喀痰細胞診を施行した。全発見例499例中, 喀痰により148例 (受診者10万対208), X線により379例 (受診者10万対27), の原発性肺癌が発見された.そのうち, 28例は両者により発見された.喀痰から発見された女性の肺癌例はなかった.喀痰のみで発見された肺癌120例中116例は扁平上皮癌であった.
    Occultcancerあるいは臨床病期1期の占める割合は, 喀痰発見例が148例中124例 (84%), X線発見例が379例中190例 (50%) と喀痰発見例の方が有意に高い値であった.病理病期0期および1期の占める割合も, 喀疾発見例が148例中98例 (66%), X線発見例が379例中138例 (36%) と喀痰発見例の方が有意に高い値であった.切除率も, 喀痰発見例が77%, X線発見例が65%と有意に喀痰発見例の方が高い値であった.Kaplan-Meier法による全発見例および切除例の5年生存率をみると, 喀痰のみによる発見例は, 85%, 88%であり, X線のみによる発見例の33%, 48%と比較して有意に良好であった.このことは, 肺癌集団検診における喀痰細胞診の有用性を強く示唆している.
  • 須甲 憲明, 阿部 庄作, 小倉 滋明, 中島 功雄, 遠藤 隆志, 竹川 宏典, 渡部 直巳, 国兼 浩嗣, 磯部 宏, 川上 義和
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1002-1006
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    胸水・腹水などの体腔液細胞診で悪性細胞か否かの診断が困難な異型細胞に遭遇することがある.このような細胞の鑑別のため, 疑陽性と判定された異型細胞のSilver-bindingnucleolarorganizer regions (AgNORs) について検討した.同じく疑陽性と判定された異型細胞でも, 悪性体腔液中の異型細胞では核内AgNORs平均個数 (mean±SD) は3.4±0.7であり, 非悪性体腔液中にみられた異型細胞での2.0±0.6に比べて有意に高値であった (P<0.01).特に核内AgNORs平均個数が3以上のときは, その体腔液が悪性である可能性がきわめて高かった.また, 疑陽性と判定された悪性胸水では, 多くが胸水CEA・核内AgNORs平均個数とも高値であるが, 前者が正常, 後者が高値の例もあった.体腔液に疑陽性と判定された異型細胞がみられた場合, 核内AgNORsの計測は体腔液の良性・悪性の鑑別に有用であった.
  • 安井 洋, 中川 仁, 石井 勝, 江良 英人, 佐野 裕作, 松井 武寿, 田久保 海誉
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1007-1012
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    体腔液中の癌細胞と反応性中皮細胞との鑑別を目的として, 酵素抗体間接法でepithelial membrane antigen (EMA), carcinoembryonic antigen (CEA), basic fetoprotein (BFP), NCC-ST-439, carbohydrate antigen50 (CA50), secretory component (SC), carbohydrate antigen 19-9 (CA19-9), squamous cell carcinoma related antigen (SCC) 染色を, 連続した58癌症例と良性疾患9例の胸, 腹水の塗抹標本に行った.癌細胞を含む58例の体腔液塗抹標本の免疫染色において, EMAは97%, BFPは95%, CEAは89%, NCC-ST-439は76%, CA50は68%, SCは60%, CA19-9は56%, SCCは17%の症例で陽性となった.またほぼすべての癌症例で, EMAとCEA染色のいずれかの一方は陽性であった.良性疾患患者の体腔液中の反応性中皮細胞は, BFPは全例で, NCC-ST-439は1例が陽性を示し, そのほかの染色では陰性であった。以上の結果より.体腔液細胞診において, EMAとCEA染色を併せて行うことにより, 癌細胞と中皮細胞を鑑別することが可能であると思われた.
  • 金子 千之, 社本 幹博, 新里 雅範, 田嶋 基男, 蒲 貞行, 栗田 宗次
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1013-1017
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸・腹水は末期癌患者をはじめ, 結核性胸・腹膜炎, 化膿性胸・腹膜炎や肝硬変症などでよく貯溜してくる.担癌患者の胸・腹水中に多数のTリンパ球が出現してくることをすでにわれわれは報告している.今回は担癌患者体腔液中におけるヘルパーTとサプレッサーTについて検討した.すなわち体腔液中に腫瘍細胞が認められる場合, ヘルパーTよりサプレッサーTの比率の高い症例の多いことが判明した.しかし, 担癌患者でも腫瘍細胞が認められない場合や非癌患者ではヘルパーTの占める割合が高かった.さらに体腔内薬剤投与例で13例中6例は投与前にはサプレッサーTが多かったが, 投与後にヘルパーTが増加していた.すなわちヘルパーTとサプレッサーTの比率が逆転した.そのうちの6例中3例においては癌細胞が消失し, このうち1例は一般状態が好転した.薬剤を投与することにより, ヘルパーTの比率が増加することは, おそらく, 患者の免疫能の改善を反映しているものと思われる.担癌患者体腔液中においてサプレッサーTの比率が高いことは担癌患者の免疫機能の低下を強く示唆しているが, 腫瘍細胞に存在するなんらかのファクターがサプレッサーTを誘導している可能性も考えられた.
  • 栗田 宗次, 中村 栄男, 越川 卓, 布施 清子, 中里 景子, 加藤 悦子, 蒲 貞行, 奥田 克子, 須知 泰山
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1018-1022
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    細胞診のみならず最初の組織診においてもT細胞性Lennertリンパ腫と考えられた多数のT細胞を伴うB細胞性大細胞型リンパ腫の2例について報告した。症例は74歳男と58歳女である。生検リンパ節の捺印May-Giemsa細胞診にて, リンパ球は65~70%と多く, 大型類リンパ球は20~30%にみられ, また中型の前リンパ球, 類上皮細胞とともに類形質細胞, 好酸球などもみられた.flowcytometryによるリンパ節細胞の膜抗原は, CD2, CD3陽性のT細胞が多数を占めた.しかしパラフィン切片の免疫組織化学にて多数の小型および中型細胞はUCHL1陽性のT細胞であるが, 大型細胞はL26陽性のB細胞であり, 最終的には多数のT細胞を伴うB細胞性のびまん性大細胞型リンパ腫, いわゆるT-cellrichB-celllymphomaと診断された.本症例と反応性病変やLennertリンパ腫, AILD様リンパ腫などとの細胞所見の相違点について考察した.
  • 加藤 一夫, 吉見 直己, 佐治 重豊, 島 寛人, 杉江 茂幸, 田中 卓二, 高橋 正宜
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1023-1029
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    モノクローナル抗体5E8を使用して, フローサイトメーターによる体腔液中の腫瘍関連抗原gp 160陽性腫瘍細胞の検出を試みた.陰性対照としてのリンパ球はチャンネル10に蛍光ピークがあり, 95%の細胞がチャンネル40以下であった.チャンネル40より蛍光強度の弱い細胞はgp 160陰性とし, チャンネル40より蛍光強度の高い細胞をgp 160陽性とした.陽性対照としての肺の大細胞癌由来の培養細胞株C-1509の蛍光ピークをチャンネル60に感度調整したとき, gp 160陽性細胞は81.7%であった.肺癌および胃癌患者からの細胞診陽性体腔液検体では, 全例で50%以上の細胞がgp 160陽性で広範な蛍光強度分布を示した (8/8).フローサイトメトリーによる体腔液中の肺癌または胃癌細胞の検出にモノクローナル抗体5E8は使用可能と考えられた.
  • 梶原 啓司
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1030-1036
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    従来の煩雑なコロニー形成法にかわる新しい温熱感受性試験として, 生細胞のミトコンドリアに選択的に取り込まれるrhodamine 123 (Rh-123) の有用性を検討した. HeLa細胞では, 43℃ ・1時間加温直後にRh-123で染色されたミトコンドリアが核膜周囲へ著明に集積した。一方, コロニー形成率でHeLa細胞より高い温熱感受性を有するL929細胞では, ミトコンドリアは40℃ で核膜周囲へ移動を開始し, 41℃ でHeLa細胞の43℃ に匹敵する著明な核膜周囲への集積を認めた. この核膜周囲への集積度合は温度依存性であり, コロニー形成率から評価した温熱感受性とよく相関した。そこで外科的切除標本17例の初代培養細胞を利用して検討した。17例中3例が核膜周囲ヘミトコンドリアの集積を呈した. またコロニー形成率を評価し得た3例中で, 核膜周囲へ集積を示した1例が他の2例より明らかにコロニー形成率の低下を認めた. 以上より, Rh-123染色されたミトコンドリアの細胞内局在を評価することは, コロニー形成率による評価より迅速で簡便な温熱感受性試験として有用である.
  • 阿倉 薫, 畠中 光恵, 椛澤 みどり, 綾田 昌弘, 岡本 茂, 古川 順康, 弥生 恵司
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1037-1042
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳腺穿刺吸引を行い直接塗抹標本 (直接標本) を作製した後の注射器および注射針に細胞が遺残しているかどうか, またその細胞が診断に役立つかどうかの検討を行った.総数320例中217例 (67.8%) に細胞が遺残していた. 直接標本よりもあきらかに多数の細胞が認められたのは25例 (7.8%) であった. 直接標本のうち10例は不良標本で満足のいく判定が不可能であったが, そのうち9例は洗滌液からの標本 (洗滌標本) に細胞が認められ判定可能であった.直接標本および洗滌標本ともに細胞の認められなかったのは1例のみであった. 洗滌標本のみで悪性と判定しえた症例が1例あった.洗滌液として生食とサコマノ氏液を比較検討した.その結果, 洗滌と同時に固定作用の働くサコマノ氏液の方が細胞の保存は良好であった.しかし両方法ともに細胞集団は立体化がおこり, 細胞も軽度の変性傾向がみられるため洗滌標本の判定には注意が必要であった.
    注射針への細胞の遺残の原因は, 現在使用されているディスポの注射針が針基の内部にわずかに入り込んで盛り上がっているために, 穿刺物が針と針基のくぼみに入り込んでしまい直接塗抹時には押し出されず針基の内部に残ってしまうことが原因であった. 直接標本を作製した後の注射器および注射針を洗滌し細胞を集めて標本を作製することにより判定不能例が減少し洗滌標本を作製することは有用であった.
  • 石井 保吉, 藤井 雅彦, 佐久間 市朗, 桐谷 寿子, 小宮山 京子, 若林 富枝, 杉下 匡, 小田 瑞恵, 大村 峰夫
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1043-1049
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    内膜細胞診における腺腫性増殖症と高分化型体内膜腺癌 (G1腺癌) の質的判定基準を設定するため, 腺腫性増殖症55検体, G1腺癌55検体, および正常体内膜40検体を用い,(1) 乳頭状・樹枝状細胞集塊の出現率および出現個数,(2) 樹枝状集塊中にみられるstromal Aの束の層数およびその分岐について検討し, 以下の結果を得た.
    1) 乳頭状細胞集塊は腺腫性増殖症, G1腺癌ともに全検体に認められ, 1検体平均の出現個数はそれぞれ77.1個, 141.5個であった.樹枝状細胞集塊は腺腫性増殖症55検体中8検体, G1腺癌55検体中48検体に認められ, 平均出現個数はそれぞれ0.2個, 11.6個であった.正常体内膜においては, 乳頭状集塊は40検体中14検体に平均1.1個みられたが, 樹枝状集塊は1検体にも認められなかった.
    3) stromal Aの一次分岐は, 腺腫性増殖症では1検体平均0.1ヵ所にみられたのみで, 二次以降の分岐は認められなかった。一方, G1腺癌では一次分岐は平均5.0ヵ所に認められ, 二次以降の分岐も平均1.1ヵ所に認められた.
    以上, 内膜細胞診においては乳頭状・樹枝状集塊の有無, 集塊内のstromal Aの観察が重要であることが示唆された.
  • 手塚 文明, 東岩井 久, 岩淵 一夫, 及川 和子, 及川 洋恵, 志賀 清彦, 寿円 裕康, 並木 恒夫, 濱中 貴久子, 米本 行範, ...
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1050-1054
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮内膜細胞診における「観察者間の判定再現性」を解析するため, 内膜腺癌・増殖症および非腫瘍性変化を含む70個の上皮性細胞クラスターについて, 19人の経験豊かな観察者 (11人の細胞検査士と8人の指導医) に異型度判定を依頼した. 判定は, 各観察者が70個のクラスターのそれぞれに対し3種のカテゴリー (「陰性」,「疑陽性」および「陽性」) の中の一つを与えるものとした. 判定一致の程度はKappa (κ) 統計値を用いて表した。全体の一致はκ=0.36, 判定カテゴリー別の一致は「陰性」に対しκ=0.46,「陰性」に対しκ=0.47,「疑陽性」に対しκ=0.14であった.観察者が一堂に集まりこれらの結果を検討学習する機会をもち, その後2回目の異型度判定を依頼した. その結果, 全体でκ=0.48,「陰性」でκ=0.55,「陽性」でκ=0.61と著しい再現性の改善が認められた. しかし「疑陽性」についてはκ=0.22, 観察者間で依然として混乱のあることが示された. これは, 内膜増殖性病変における「疑陽性」の取り扱い基準が確立していない現状を反映しており, 早急なコンセンサス作りが必要である.
  • 計良 恵治, 岩崎 秀昭, 武田 敏, 高見沢 裕吉, 堀内 文男, 田口 明美, 石川 明, 白澤 浩, 清水 文七
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1055-1062
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部生検組織を用いてin situ hybridization (ISH) 法によりヒトパピローマウイルスDNAの検出と型同定を行うために, Southern blot hybridization (SBH) 法と比較検討した.
    1.SBH法によりHPVDNAが検出された34症例についてISH法を施行したところ, HPVDNAは28例 (82.4%) に検出され, 残り6例 (17.6%) には検出されなかった。
    2.ISH法でHPVDNAが検出された28例のうち, 26例 (92.9%) はISH法により型同定され, そのうち25例はSBH法との型に一致をみた.
    3.ISH法でHPVDNA6/11は尖圭コンジローマに検出され, 16/18, 31/33/35型検出部位は異形成の変化がみられ, 特に16/18は高度異形成や微小浸潤癌に検出された.
    4.ISH法でのHPVDNA検出部位は, 症例や組織型により異なり, 強いISHシグナルはkoilocytosisなどHPV感染に伴う形態変化がみられる部位と関連していた.また, 弱いISHシグナルは高度異形成や微小浸潤癌に関連し全層にみられた.
    以上ISH法によるHPVDNAの検出率および型同定率は, SBH法によるそれとよく一致したことよりISH法でもかなりの信頼性でHPVDNAの検出および型同定が可能とみられた.
  • 太田 さなえ, 永井 宣隆, 谷本 博利, 藤本 英夫, 大浜 紘三, 藤原 篤
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1063-1067
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    子宮頸部各種病変106例の擦過細胞より得たDNAより, Human Papillomavirus (HPV) 16型および18型DNAのE7領域をPolymerase Chain Reaction (PCR) 法によって増幅し, HPVDNAの検出を試みた.
    全体の検出率は16型陽性が41例 (38.7%), 18型陽性が15例 (14.1%), また16, 18型ともに陽性が1例 (1.0%) であった.
    細胞診成績との比較においては, クラス1で37.5%(3/8), クラスIIで20.5%(8/39), クラスIIIaで56.3%(9/16), クラスIIIで83.3%(10/12), クラスIIIbで66.6%(4/6), クラスIVで87.5%(14/16), クラスVで全例 (9/9) と, クラス分類の上昇にしたがってHPV検出率の増加をみとめた.また, クラス1, IIの47例中11例 (23.4%) にHPVDNAが検出され, HPV感染症例中に細胞診上異常所見を示さない症例の存在が確認された.
    このうち組織学的検索を行った73例においても, 細胞診成績との比較と同様に, 病変の進行につれて検出率の上昇をみとめた.
    以上, PCR法によるHPV16型, 18型DNAの検出は, 擦過細胞における検出が十分可能で検出感度に優れ, 短時間での多検体処理ができることから, 今後スクリーニングを含めたHPV感染検索への応用が期待された.
  • 関口 勲, 鈴木 光明, 赤堀 彰夫, 玉田 太朗
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1068-1072
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    不妊外来の婦人を対象として, クラミジアザイム (EIA) によるクラミジア感染のスクリーニングを施行した. 同時に, クラミジア感染症例の細胞所見についても検討した.
    EIAによるクラミジア感染陽性率は5.4%(40/746) であった.陽性例の41%(7/17) が子宮卵管造影検査で両側あるいは片側の卵管閉鎖が確認され, 陰性例 (18%) に比べ, 有意に高率であった (p<0.05).EIA陽性症例の68%(15/22) が細胞診にてクラミジア感染陽性と判定された. クラミジア感染を示唆する細胞質内封入体, Intracytoplasmic inclusion (ICI), Nebular inclusion (NI) およびCentral target formation (CTF) は, それぞれ11, 6, 2例に認められた. また, EIA陽性例の27%に異型細胞の出現が認められ, 上皮内癌が1例存在した.
    以上より, 不妊症婦人に対するクラミジア感染のスクリーニングの必要性が確認された.また, 子宮頸部細胞診におけるクラミジア感染のスクリー二ングに際しては, NIに加え, ICIの出現にも注意を払うべきと考えられた.
  • 各務 新二, 石原 明徳, 上森 昭, 山中 秀高, 白石 泰三, 矢谷 隆一
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1073-1077
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    擦過細胞診でウイルス感染に特徴的な細胞像を示したヘルペス食道炎の1例を報告する.
    患者は78歳の女性. 脳梗塞後遺症にて通院中, 左大腿骨々幹部骨折にて入院し, 貧血および吐血をきたしたため, 上部消化管内視鏡検査が施行された. 食道の擦過細胞像では, 背景に好中球を多数認め, N/C比大の円形上皮細胞が単一または小集団でみられ, 核構造はスリガラス状に変化し, 核縁の肥厚がみられた (full型核内封入体). また一部の細胞では, 核の中心部に大型の好酸性封入体 (Cowdry A型) がみられ, それぞれ多核巨細胞形成がみられた.これら以外に, 細胞形がbizzarで, 細胞質がオレンジG好染性で濃く染まり, 核濃染傾向を示す細胞もみられた. 免疫組織学的には抗Herpes simplex virus1, 2型ともに核内および細胞境界部に陽性反応を示し, 電顕的検索でも核内および細胞境界部にウイルス粒子が観察された.以上より単純ヘルペスウイルス感染による食道炎と診断された.
  • 北村 玲子, 中野 勝彦, 小関 孝之, 吉田 豊, 飛岡 弘敏, 原田 浩, 関 利盛, 若山 明久, 川端 真
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1078-1082
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    穿刺吸引細胞診によって術前診断が可能であった膵尾部原発の粘液性嚢胞腺癌の1例を経験したので報告する.
    症例は56歳, 女性.左上腹部腫瘤を主訴として来院し, 外傷の既往, 画像所見から臨床的には外傷性尿腫が疑われたが, 穿刺吸引細胞診では多量の粘液を背景とした高円柱状細胞の集塊に混在して, より異型の高度な腺癌細胞を認め, 粘液性嚢胞腺癌と診断された.その原発臓器については腫瘍の存在部位と推定組織型を勘案して, 膵臓が最も疑われた。摘出された腫瘍は, 肉眼的に膵尾部に連続して存在する多房性嚢胞性腫瘍で, 組織学的には大部分は異型に乏しい粘液性嚢胞腺腫の像で, その一部に乳頭状増殖の著しい粘液性嚢胞腺癌の成分を混在していた.すなわち, 細胞診における良性集塊と悪性集塊の混在性はこれを反映しているものと考えられた.
    本症例では, 穿刺吸引細胞診によって腫瘍の悪性度, 組織型のみならず, 原発臓器の推定も可能であった.これは腫瘍の臨床診断における細胞診の有用性を示すものといえよう.
  • 山下 学, 島崎 栄一, 上妻 喜勝, 松能 久雄, 小西 二三男, 高柳 尹立, 南部 澄, 宮本 正俊
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1083-1089
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    若年型膵腫瘍はおもにpapillary cystic neoplasm (PCN) と膵芽腫とに大別される.8歳女児のPCNと10歳男児の膵芽腫について細胞像を中心に臨床病理学的に報告した.肉眼像, 組織像では両者は固有の特色ある所見を示したが, 捺印細胞像では, 類似した細胞像を示し, その鑑別はむずかしいと考えられた.共通した細胞学的特徴は, 1) 核は大小不同に乏しく均一な卵円形で偏在し, 核クロマチンは細顆粒状, 核縁は円滑で薄い, 2) 核小体は小型円形で1~3個, 3) 中等大・立方状腫瘍細胞の胞体は広く, 核の2~4倍程度であり, ライトグリーン好性微細顆粒状あるいは泡沫状を示し, 細胞境界は不明瞭である, 4) 疎な結合のシート状配列を示す, などである.また, 捺印細胞を用いた免疫細胞化学的検索でもPCNと膵芽腫はともに膵amylaseとalpha-1-antitrypsinが共通して局在し, 両腫瘍の鑑別法にはならなかった.PCNのみに認めた所見は一部の腫瘍胞体にみられたライトグリーン好性の粗大顆粒であり, この所見はPCNの診断に有効な細胞学的所見と考えられた.一方, 膵芽腫に特異的な所見はPAS反応で細顆粒状に強陽性となる豊富な胞体内糖質の存在であった.
  • 正和 信英, 山田 喬, 藤原 利男, 信田 重光, 佐々木 英夫, 佐藤 豊彦
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1090-1097
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    小児の悪性肝腫瘍のうち代表的な肝芽腫の細胞像について, 自験3例をまとめて, その特徴像を報告する.3例とも生後数日から1ヵ月で発見され, 2例は腫瘍の捺印, 1例は穿刺吸引による細胞診標本を用い, 組織像と対比して検討した.
    腫瘍細胞は, 分化度により, 2型に大別した.すなわち, 高分化肝芽腫は, 正常肝細胞に類似するが, より小型で異型的な細胞がシート状ないし散在性に出現, 個々の細胞では, N/C比は1/3~4, 胞体はレース状かつ弱好酸性, 核形は類円から楕円形, 核クロマチンは中顆粒状に増加し, 核小体は目立たず, しばしば髄外造血細胞の出現を伴っていた.骨髄巨核球由来と思われる多核巨細胞も混在していた.一方, 低分化型肝芽腫では, 表在する細胞がほとんど裸核の不規則な集塊, 疎に結合する葡萄房状ないしシート状集団, またロゼット様配列など, 多彩な出現パターンがみられた.個々の細胞では, 核の性状は高分化型と類似するが, 核形はより不整で, クロマチンは中から粗顆粒状に増量し, N/C比は1/1~3と高く, 肝細胞への分化は明らかでなかった.核分裂像も散見された.細胞形態と予後との関連では, 低分化型なほど, 患者の予後を悪化する因子になりうると考えられた.
  • 根本 則道, 小松 京子, 関 利美, 斉藤 俊夫, 稲庭 義巳, 絹川 典子, 桜井 勇
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1098-1102
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    発熱, 血痰および左胸痛を主訴に来院し, 難治性胸膜炎ならびに膿胸の診断のもと開胸胸膜生検からアメーバ性膿胸と診断された34歳, 男性例を経験した.術前の胸水細胞診では診断が困難であったが, 再検の結果, 栄養型アメーバ虫体ならびに嚢子を確認できた.強い壊死性背景から少数のアメーバを見出だすことは容易ではないが, 粘血性胸水を伴う難治性胸膜炎の存在をみた場合, 患者の生活歴に注意し, アメーバ性膿胸の可能性も考慮して検索する必要があると思われた.患者は診断確定後, フラジール (Metronidazole) を中心とした治療を受け経過良好である.
  • 塚本 健一, 小山田 美穂, 三上 晴克, 小島 英明, 藤田 美悧, 須藤 幸夫, 鈴木 康弘, 高橋 基夫, 遠藤 隆志
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1103-1108
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    男性乳癌の1例を経験したので, 女性乳癌22例と臨床細胞学的に比較検討した.症例は71歳男性で1987年3月に近医で右乳頭部腫瘤を切除されるも, その後治療を受けずに放置していた.1990年3月に右腋窩部リンパ節腫脹に気付き当院外科を受診し, リンパ節生検の結果, 乳癌 (乳頭腺管癌) の転移と診断された.同時に術中捺印細胞診においても乳癌細胞を認めた.同年4月に右乳房定型的切断術が施行され, 局所再発はみられなかったが, 廓清されたリンパ節のほとんどに転移を認めた.
    本例の細胞像を同じく術中捺印標本の得られた, 女性乳癌22例の細胞像と比較検討を行ったところ, 女性乳癌 (乳頭腺管癌) には細胞異型の高度なグループと軽度なグループに分けられ, ホルモン・リセプターは前者が陰性, 後者が陽性の傾向を示したが, 本例は異型の高度なグループに属するにもかかわらずホルモン・リセプター陽性を呈する点で女性乳癌とは異なっていた.また生物学的悪性度の指標になるといわれる癌遺伝子c-erbB-2癌遺伝子産物は女性乳癌3例で陽性を示したが本例は陰性であった.
  • 日野浦 雄之, 丸塚 浩助, 林 透, 荒武 八起, 大滝 幸哉, 難波 清, 佐藤 新伍
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1109-1114
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    間質に破骨細胞様多核巨細胞を伴う乳癌はまれであり, 吸引細胞診で診断された報告例は少ない.われわれは41歳女性の1例についてその細胞像を示すとともに種々の細胞・組織学的検索, 電顕的観察を行い巨細胞の由来について検討した.吸引細胞診標本にはまりも状, 乳頭状構造を示す癌細胞集塊に加え単核細胞および多核巨細胞を多数認めた.後者は破骨細胞様形態を呈し, 細胞中心部に数個ないし35個の核を有していた.酵素細胞化学的にはacid-phosphatase強陽性, alkali-phosphataseおよびesterase弱陽性であった.組織学的には乳頭腺管癌であり, 多核巨細胞は免疫細胞化学および免疫組織化学的に一部の細胞がlysozymeおよびα1-antitrypsin陽性であった.電顕的には多核巨細胞と癌細胞の問には移行やdesmosomeによる細胞接着の所見は認められなかった.
    以上の所見より多核巨細胞は間質の細胞であり, 今までの報告同様組織球由来が考えられた.
  • 布山 繁美
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1115-1119
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    多数の破骨細胞様巨細胞の出現をともなった乳癌の1例を経験し, その細胞像を観察し得たので文献的考察を加えて報告する.症例は41歳女性の右乳腺腫瘍で, 臨床的には線維腺腫が疑われた.腫瘤の切除生検が施行され, その際に捺印細胞診が行われた.捺印細胞像ではきれいな背景のなかに上皮性細胞集塊とともに多数の多核巨細胞を認めた.上皮性細胞集塊は結合性が強く, 核重積性と核の軽度の大小不同を認めたが, 異型性は軽度であった.多核巨細胞は広い胞体を持ち, 大きさおよび核の数はさまざまで, 大きなものでは核数が50個以上のものもみられた.巨細胞は主として上皮性細胞集塊周辺部に存在していた.組織学的には主として小型の腺管よりなるinvasiveductal carcinomaであり, 間質には非腫瘍性と考えられる多数の破骨細胞様巨細胞を認めた.パラフィン切片を用いた免疫組織学的検索では, 癌細胞はEMA, MB-が陽性を示し, 破骨細胞様巨細胞はVimentinのみが陽性であった.免疫組織学的検討などの結果から, 癌細胞と多核巨細胞は性状が異なるものであり, 本例の乳癌にともなって出現してきた破骨細胞様巨細胞は間質由来であり, 反応性に出現してきたものと考えられた.
  • 蛇沢 晶, 佐藤 良重, 吉田 克己, 守部 政二, 林 光雄, 斎藤 陽久, 小室 康男, 斎木 茂樹, 山中 晃
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1120-1123
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸部X線上で結節性陰影および両側肺門リンパ節腫脹を呈し, 鋭匙細胞診所見からサルコイドーシス (以下, サ症) がつよく示唆され, ほかの検査所見から確診しえた症例を報告する.
    症例は55歳女性.検診にて胸部異常陰影を指摘され旭中央病院受診.両肺に多発性異常陰影があり, 鋭匙細胞診・経気管支肺生検 (以下TBLB) を行った.鋭匙細胞診では, 類上皮細胞の集塊が多数観察され, 多核巨細胞もわずかながらみられた.壊死背景をまったく欠き, 異物・真菌などもみられなかったことから, 細胞診の段階でサ症をつよく疑った.TBLBで気管支壁内に非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽種がみられた.以上の所見およびほかの検査所見からサ症と確診した.
    剥離細胞診はサ症の診断にほぼ無力であるが, 直接採取法による細胞診は結節性病変をともなうサ症診断に有力な手段になりうることが確認された.
  • 橋本 泰吉, 智片 英治, 西川 秀樹, 富野 郁子, 螺良 英郎, 桑原 修, 野田 貴代, 花田 正人
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1124-1129
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    呼吸器系に限局して発生する限局性肺アミロイドーシスの2症例を報告した.術前の気管支擦過標本や術中捺印標本 (パパニコロウ染色) では, 2例とも多数のリンパ球を背景に壊死様無構造物質が認められた.この物質はパパニコロウ染色のままで偏光顕微鏡下で偏光を示した.またコンゴレッド染色は陽性で, 偏光顕微鏡下で偏光を呈し, アミロイド物質であることが明らかにされ, 術後の組織標本でも, いずれもアミロイドーシスと診断された.
    一方, 肺癌や肺結核の壊死物質はパパニコロウ染色標本の偏光観察では, 偏光を示さず, 明らかにアミロイド物質との鑑別ができた.したがって本法はアミロイドーシスを細胞診の段階で診断しうることを明らかにした.
  • 藤田 結花, 上井 良夫, 清水 哲雄, 坂井 英一, 野口 雅之, 小野寺 壮吉
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1130-1135
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    いわゆる肺硬化性血管腫の切除例2例について, 術前の経皮的肺針生検・吸引スメアの細胞像を検討したところ, 本腫瘍にみられる細胞を次のようにまとめることができた.
    1) 散在性または乳頭状集塊を形成する類円形細胞.2) 類円形細胞よりも小型の核と明るい細胞質を有し, 軽度の重積性をもって配列する細胞.3) 細胞質が広く, 核も大きく核小体のめだつ大型多辺形細胞.4) 小型類円形細胞の乳頭状集塊の芯にみられる紡錘形核の細胞.5) 多数のヘモジデリンを貧食している組織球.6) 炎症性細胞.
    このなか, 腺癌一特に末梢型一と鑑別を要する細胞は小型類円形細胞と大型多辺形細胞であり, 前者は腺癌に比べると核異型や細胞異型が一般に軽度であり, かつ, 乳頭状集塊の芯に紡錘形核のみられることが鑑別に役立つ所見であった.後者は個々の細胞所見のみでは腺癌細胞との鑑別はきわめて難しく, 上述のように多種類の細胞の出現することや, 特に多量のヘモジデリンおよびこれを貪食した組織球の多い血性背景が本腫瘍を示唆し, 腺癌細胞との鑑別に有用な所見であった.
    なお, 大型多辺形細胞は間葉系由来ともいわれているが, 免疫染色法により小型類円形細胞とともに肺胞上皮起源を強く示唆する所見を得た.
  • 下嶋 時子, 山田 チカ子, 山川 光徳, 今井 大, 荒井 茂
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1136-1140
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Interdigitating cell (IDC) sarcomaの1例を経験したので, その捺印標本による細胞学的および免疫細胞化学的所見について報告する.症例は54歳で, 右頸部リンパ節腫脹を主訴に来院, 外来にて同部腫瘤の生検を受けた.腫瘍割面捺印標本では, 腫瘍細胞は大型で, 平面的な配列をしており, 結合性は弱く, 細胞質は好塩基性で, 辺縁には偽足様あるいは樹状の細胞突起が認められた.核は大きく, 複雑なくびれ, 切れ込み, 分葉が著しかった.壊死物質と少数の小型リンパ球, 形質細胞が背景にみられた.酵素および細胞化学的にAdenosine triphosphatase, S100蛋白, CDla, CD4, CD45, HLA-DR抗原などが陽性であった.皮膚病変はなかった.以上の所見から, 本症例はリンパ節原発のIDC sarcomaと診断された.本腫瘍はまれであるが, 診断時には特徴的な細胞形態と細胞化学的所見が参考になると思われた.
  • 三浦 弘資, 小池 美貴男, 藤原 さおり
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1141-1146
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    腹水中にRussell小体様の封入体をもつ異型細胞が出現した回盲部原発の悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する.
    症例は63歳男性で, 便秘, 排尿障害を主訴とし8ヵ月後手術が行われた.切除標本では, 回盲部に潰瘍形成性腫瘍がみられ, 肝曲部に壁内転移していた.組織学的には, 中型またはやや大型の核にくびれなど核形不正を示すリンパ球がびまん性かつ部分的に結節形成傾向を示しながら増殖する悪性リンパ腫 (Non-Hodgkin, diffuse, mixed cell type) で特徴的なこととして, 豊富な好酸性胞体をもち核が偏在するRussell小体様の封入体をもつ異型細胞が多数混在してみられた.酵素抗体法 (ストレプトアビジン・ビオチン法) にてIgM, κ がモノクローナルに染色され, リンパ腫細胞の分化成熟により免疫グロブリンを産生するようになったと考えられた.術後1ヵ月頃より, 腹水が貯留しはじめ穿刺細胞診が行われた.反応性中皮細胞, 組織球に混じってリンパ球が少数みられた.核にくびれがあるものとともに, Papanicolaou染色ではエオジン好性のcore状の胞体をもち核が偏在する印環様細胞を呈し, Giemsa標本では核を押しやる空胞状像として, Russell小体様の封入体をもつ異型細胞に一致する細胞がみられた.体腔液中にもこのようにまれではあるがRussell小体をもつ異型細胞が出現する悪性リンパ腫があることを念頭において細胞診断を行うべきである.
  • 石田 剛, 瀬田 章, 堀内 啓, 田中 文彦, 岡 輝明, 志賀 淳治, 坂本 穆彦
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1147-1150
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    母趾原発明細胞肉腫 (clear cell sarcoma, CCS) の1例を報告した.症例は27歳, 女性.右母趾底部に圧痛, 小腫瘤が認められ, 2年後に右母趾切断術が施行された.術前の穿刺吸引細胞診では, 腫瘍細胞は比較的均一で, 中ないし大型の紡錘形を呈し, 比較的明るい紡錘形核をもち, クロマチンは細顆粒状, 核縁は比較的薄く, 核小体は中心性に1個小型で明瞭であった.組織学的診断はCCSであった.一部の腫瘍細胞にMasson-Fontana染色陽性のメラニン顆粒が観察された.腫瘍細胞はS100蛋白, vimentin, epithelial membrane antigenに陽性であり, cytokeratinは陰性であった.電顕的に, 腫瘍細胞にメラノゾームが観察された.CCSでは腫瘍細胞核にきわめて明瞭な核小体が観察され, 細胞学的にも特徴的所見と考えられ, 滑膜肉腫をはじめほかの紡錘形細胞肉腫との鑑別に重要な所見と考えられた.
  • 東浦 賢, 市原 周, 竹田 計一, 林 和馬, 田村 潤, 安藤 文隆
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1151-1153
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    3歳の少女の網膜芽細胞腫に対して術中迅速細胞診を行った.広範なghost cell necrosisを背景に裸核様類円形核を有する異形細胞がゆるい集塊状ないし孤立散在性に出現.ごく一部にロゼット類似の構造を認めた。組織学的には眼球内に限局する未分化型網膜芽細胞腫で, 血管周囲性偽ロゼット, 一部血管周囲に塩基好性物質の沈着を認めた。真のロゼット, 石灰化は認めなかった.免疫染色ではNeuron specific enolase と Glial fibrillary acidic proteinが陽性であったが両者の染色態度には差がみられた。
  • 九島 巳樹, 太田 秀一, 風間 和男, 古川 恵子, 杉山 喜彦, 鈴木 孝夫
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1154-1158
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    原発性骨髄線維症の経過中に腹水が貯留し, その腹水中に多数の巨核球を含む造血細胞が認められた症例を経験した。さらに本症例のように腹水細胞診に出現した巨核球と, 種々の多核「巨細胞」との見分けかたについても考察したので報告した.症例は75歳の女性で, 体重増加と腹部膨満を主訴として初回入院.入院時, 腹水の貯留を認め, 腹水の細胞診では中皮細胞と炎症細胞のみであったが, 約7ヵ月半後に再入院した際の腹水細胞診で多数の巨核球をはじめ, 赤芽球系および顆粒球系を含む造血細胞を認めた.大型で多核の細胞 (巨核球) が目立つため, 最初は未分化癌や肉腫との鑑別が問題となったが, PAS染色と各種免疫染色の結果, 巨核球と判明した。化学療法 [cytosine arabinoside (以下Ara-Cと略す), 6-mercaptopurine (以下6-MPと略す)] により巨核球を含む造血細胞は消失し, 約3ヵ月の経過で腹水貯留もなくなり, 退院した.種々の疾患で腹水中に巨核球を含む造血細胞が出現しうることは, 従来より指摘されていたが, その頻度はきわめて低く, 日常の細胞診業務で経験することは, 非常にまれであると考えられる.したがって, 本症例のように骨髄線維症の髄外造血の表現として, 巨核球を含む造血細胞が腹水あるいは胸水中に出現する可能性があることを念頭において鏡検することが重要であると考えた.
  • 山城 勝重, 野島 孝之, 平 紀代美, 井出 ありさ, 岩本 和彦, 在家 裕司, 藤田 昌宏
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1159-1163
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    きわめてまれな腫瘍である精巣鞘膜中皮腫の穿刺細胞像について報告する.症例は20歳男性で, 2年前より左陰嚢腫脹を繰り返し, 陰嚢水腫の診断のもと, 3度の穿刺, 排液の後, 瘤切除術をうけていた.1990年4月になり穿刺細胞診で中皮腫が疑われ, 術中組織診断で悪性が疑われたため除睾術を受けた.病理診断は低悪性度の精巣鞘膜中皮腫であった.穿刺液細胞像では中皮類似の大きな乳頭状細胞集塊の多数の出現をみたが, 細胞異型は乏しく細胞学的に悪性と診断することは困難であった.陰嚢水腫の穿刺液の細胞学的検査は精巣鞘膜中皮腫の有効な術前診断方法であるが細胞異型の弱いこともあるので診断には十分な注意が必要である.
  • 福田 正彦, 大川 裕子, 山田 範幸, 田辺 一成, 小林 裕, 片山 博徳, 河合 俊明
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1164-1168
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Adenomatoid tumorは傍精巣器官に好発し, 中皮起原が有力とされている比較的まれな良性腫瘍である.今回われわれは精巣鞘膜に発生したAdenomatoid tumorの1例を経験したので, その捺印細胞所見を中心に若干の文献的考察を加えて報告する.捺印細胞の特徴として, 1) 核内細胞質封入体, 2) 核クロマチンの微細顆粒状均等分布, 3) 小型で1個の核小体, 4) レース状で不均一空胞をもつ細胞質, 5) 正常中皮細胞様結合, 6) PAS染色陰性, アルシアン青染色陽性の粘液産生, 7) 上皮様細胞の出現が内皮様細胞の出現より優位, などがあげられた.組織所見で立方状の上皮様細胞と扁平な内皮様細胞が不規則な腺管形成するかあるいは索状配列を示し, 間質には弾性線維の増生やリンパ球の集籏をみた.免疫組織化学的にはサイトケラチン, ビメンチンが陽性で第VIII因子関連抗原, EMAが陰性であった.電顕所見では腫瘍細胞が構成する腺管内腔面に多数の微絨毛を認め, 細胞質内にトノフィラメントを有し, 細胞相互はデスモゾームにより接着していた.これらの所見は本腫瘍が中皮由来であるという考えと矛盾しないと思われた.
  • 高岡 和夫, 植村 弘幸, 井上 勝一
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1169-1173
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    本症例は, 肺転移および胸腔内甲状腺を臨床上認めないにもかかわらず, 対側の癌性胸膜炎で発症した腫瘍発育上まれな甲状腺癌症例で, 細胞診が診断に有用であった.症例の左胸水細胞診所見は, 乳頭状重積性で濾胞状構造もみられた.細胞はN/C比の大きな比較的均一小型な細胞で異型度は低かった.しかし, 核内封入体・砂粒体を認めた.以上の細胞診所見より, 甲状腺癌の存在が推定された.精査の結果, 右甲状腺癌と診断された.甲状腺全摘の結果, 病理診断は乳頭癌でリンパ節転移 (#5) を認めた.9ヵ月後に胸水の再貯留が出現し初回と同様の腺癌を確認した.このときの血中および胸水中のサイログロブリン値は, それぞれ87.8ng/ml, 1549ng/mlと著増していた.以上の検査結果および臨床経過より右甲状腺原発癌による左転移性癌性胸膜炎と診断した.
  • 北村 隆司, 中川 信廣, 飯田 善樹, 光谷 俊幸, 鈴木 孝夫
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1174-1178
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部の最も高分化な腺癌であるadenoma malignumを経験したので, これらの光顕像, DNA測定について報告した.
    症例は47歳女性, 肉眼的に子宮頸部は著明に肥大し, 組織学的には単層性の細胞異型に乏しい上皮からなる頸管腺の不規則な異常増殖を認め, これらの腺管は漿膜側に達していた.その細胞像はおもに平面的シート状配列を示し, 核異型に乏しい.しかし少数ではあるが悪性と診断可能な著明な核異型を認める立体的配列, 本腫瘍の構造異常 (不整型腺管および外方突出) に由来すると思われる腺房状配列, およびシート状集団から突出する小腺房状配列がみられた。DNA測定において本腫瘍はnear tetraploidy patternを示した.
  • 永田 順子, 岡部 一裕, 岩渕 浩之, 藤原 潔, 根岸 能之, 高山 雅臣
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1179-1187
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    最近2年間に経験した腺扁平上皮癌の4症例について, その細胞像, 組織像を検討し, keratinの2種類のモノクローナル抗体, すなわち56 kilodalton (以下KDと略す) および68KDのkeratinを認識する抗体を用いて免疫組織化学的検討を行った.症例1と2においては, 摘出標本にAIS (adenocarcinoma in situ) が認められたが, 術前の細胞診では扁平上皮系の異型細胞がめだち, AISの診断は困難であった.症例3においては術前には腺癌と診断したが, 細胞診標本を見直した結果, 細胞の出現形態や核所見から腺癌細胞とは区別が容易な扁平上皮癌細胞が少数ではあるが認められた.症例4においては細胞診で腺扁平上皮癌を考えたが, 2種類の癌細胞は症例3とは異なり類似していた.免疫組織化学的検討を加えることにより症例3の扁平上皮癌組織は, ほかの3例とは異なる性格であることが判明した。ほかの3例を検討した結果, 腺扁平上皮癌のsquamous componentは, 形態学的には扁平上皮癌に類似していても, 免疫組織化学的には異なる性質であり, AISと, 56 KD keratinが強陽性のCIS (carcinoma in situ) あるいは微小浸潤扁平上皮癌が, 腺扁平上皮癌の初期像であることが示唆された.
  • 清水 康史, 尾崎 喜一, 麻生 武志, 松原 修
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1188-1192
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣原発carcinosarcoma (stage IIIc) 症例に対し, 免疫組織化学的検討を行ったので報告する.
    症例は57歳で, 腹部膨満感を主訴に当科外来を受診し, 手術療法および化学療法 (PEP2クール, CAP3クール) を施行したが残存腫瘍は縮小せず, 術後5ヵ月で死亡に至った.手術時摘出物の病理組織学的所見は, 腹腔内に広範な転移を伴う右卵巣原発のcarcinosarcomaであり, 原発巣では間葉性成分が, 転移巣では上皮性成分が優位であったが, 剖検所見では病巣のほとんどが間葉性成分であった.また術前高値であったCA-125が, 術後は転移巣の程度を反映せず低値であった.手術時摘出材料を用いてCA-125による免疫組織化学的染色を行ったところ, CA-125はcarcinosarcomaの上皮性成分にのみ陽性であった.
    以上の結果より, CA-125は本症例の上皮性成分のマーカーとして変動したものと考えられ, 化学療法は本症例の上皮性成分にのみ奏効し, 問葉性成分には効果を示さず, 死亡に至ったものと考えられる.
  • 清川 貴子, 古里 征国, 佐々木 寛, 多田 聖郎, 松本 和紀, 寺島 芳輝
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1193-1198
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    neuroendocrine differentiationを示した子宮頸部の低分化型腺癌の1例を経験し, その細胞診, 組織学的特徴を光顕, 免疫組織化学, 透過型電顕を含めて検討した.
    症例は38歳の経産婦で, 不正性器出血を主訴とし, 細胞診では子宮頸部腺癌と判定されたが生検にてneuroendocrine differentiationを示す低分化型腺癌が示唆された.摘出標本の組織像では, 中型の円型ないし多角型の腫瘍細胞がシート状, 索状あるいはリボン様の配列を示し子宮頸部間質に浸潤性に発育しており, 腺管構造をとる腫瘍細胞も認めた.また, 頸管腺細胞は, 上皮内腺癌の像を呈していた.Grimelius染色, chromogranin Aに陽性で, 電顕上神経分泌顆粒を有する腫瘍細胞も散見された.腫瘍細胞の核計測では, 神経内分泌能を示す細胞核はそうでないものに比べ有意に小型であった.
    neuroendocrine成分を含む子宮頸癌は予後不良であり細胞診での診断が困難なことが多い.子宮頸部の低分化型癌では積極的にGrimelius染色, 免疫組織化学, 電顕によりneuroendocrine differentiationの有無を確認することが必要であると考えられた.
  • 平園 賢一, 篠塚 孝男, 藤井 明和, 島村 和男, 覚道 健一, 長村 義之, 川井 健司, 伊藤 仁, 篠田 玲子, 赤塚 由子
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1199-1203
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部原発の悪性リンパ腫はまれな疾患であり, 潰瘍形成に乏しいため細胞診における検出率は低く, 未分化癌, 肉腫, 濾胞状頸管炎などとの鑑別が重要である.
    症例は35歳の主婦.不正性器出血を主訴に来院.子宮膣部擦過細胞診にてcleaved cellを含む幼若リンパ球類似の異型細胞を認めた.コルポ診では明らかな異常所見は認められなかった.組織診では中型のリンパ芽球類似の異型細胞がmonotonousに増生していた免疫組織化学染色ではBcellマーカーであるSL-26が陽性, T-cellマーカーであるUCHL-1は陰性であった.病理診断はLSG分類で, 悪性リンパ腫 (びまん性, 中細胞型, B細胞型) であった.
    身体所見, 血液検査および画像診断などにてほかに病巣が検出されなかったことから術前診断は子宮頸部原発の悪性リンパ腫StageI (FIGO分類: IAnn-Arbor分類: IE) となった.
    治療は準広汎子宮全摘と所属リンパ節郭清を施行した.病巣は子宮頸部に限局し, その広がりは環状に6分の1, 深さ3mmと小範囲に限局したものであった.術後2年を経過した現在, 再発の兆候はない.
  • 横山 宗伯, 鈴木 恒道, 五味 渕誠, 前田 昭太郎, 山本 鼎, 鈴木 仁子, 長澤 紘一, 浅野 伍朗
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1204-1205
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 小宮 格, 千野 秀教, 福島 範子, 手島 伸一
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1206-1207
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 松田 実, 南雲 サチ子, 元林 宏子, 建石 龍平
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1208-1209
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 中澤 久美子, 石井 喜雄, 弓納持 勉, 早川 直美, 長田 美智子, 貴家 基, 久米 章司
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1210-1211
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 黒滝 日出一, 菅 三知雄, 鎌田 義正
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1212-1213
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 野口 秀樹, 清水 廣美, 松田 実
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1214-1215
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
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  • 高橋 久雄, 加藤 拓, 清川 尚, 武田 敏
    1991 年 30 巻 6 号 p. 1216-1217
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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