日本臨床細胞学会雑誌
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35 巻 , 4 号
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  • 甲斐 俊一, 佐藤 美帆, 藤富 豊, 横山 繁生
    1996 年 35 巻 4 号 p. 285-288
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    手術後病理組織診断の確定した浸潤性乳管癌48例の穿刺吸引細胞診脱色標本を用いてc-erbB-2遺伝子産生蛋白の免疫細胞化学的検索を行い, 乳癌の予後に最も密接に関与するといわれる腋窩リンパ節転移との関係を主に統計学的処理を行い検討した. c-erbB-2遺伝子産生蛋白の免疫染色結果と年齢, 組織型および腫瘍径の間に関連は認められなかったが, 陽性群において腋窩リンパ節転移が有意に多くみられた (x2検定, P<0.001). 以上のことより穿刺吸引細胞診脱色標本を用いたc-erbB-2遺伝子産生蛋白の免疫細胞化学的検索は, 腋窩リンパ節転移と予後を術前に推測するうえで有用であることが示唆された.
  • 丸田 淳子, 野口 志郎, 山下 裕人
    1996 年 35 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    頸部に発生した胸腺腫7例について穿刺吸引細胞診像を検討し, さらに核面積および核径の計測を行った. 当院での過去16年間の甲状腺疾患を除く頸部腫瘍手術例では, 493例中7例 (1.4%) が胸腺腫 (男女比1: 6, 平均年齢55.3歳) であり, 平均追跡期間6年1ヵ月現在, 全例非再発生存である. 鑑別すべき悪性腫瘍のリンパ節転移, 反応性リンパ節炎, 悪性リンパ腫, 神経鞘腫などはおのおの全体の4.1-10.1%であった. 頸部胸腺腫の細胞学的特徴は, 縦隔胸腺腫と同様に組織像を反映した胸腺上皮由来の腫瘍細胞とリンパ球のtwo cell patternであり, 胸腺組織の発生学的特徴や鑑別すべき疾患を考慮すれば診断は可能であった. 組織型との対比では, 核の長径と短径の比はmixed lymphoepithelial cell typeが小さく, spindle cell typeで大きな値を示した. invasive症例はencapsulated症例に比べ腫瘍細胞の核面積の変動係数が大きい傾向がみられた. 細胞診像に併せ核面積や核径の計測を行うことにより, 組織型や浸潤の有無の推定が行える可能性がある.
  • 上坊 敏子, 岩永 久美, 佐藤 倫也, 立岡 和弘, 蔵本 博行
    1996 年 35 巻 4 号 p. 294-299
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    50歳以上の閉経後卵巣腫瘍161症例において, 子宮膣部から採取した細胞診標本の細胞成熟度指数 (Maturation Index以下M.I.) を検討し, 以下の成績を得た.
    1.良性腫瘍が85例 (52.8%), 境界悪性腫瘍が11例 (6.8%), 悪性腫瘍が65例 (40.4%) であった.
    2.年齢は50-98歳に分布し, 55-59歳の39例, 50-54歳の38例がピークであった. 境界悪性を含む悪性腫瘍の頻度は, 55-69歳で50-55%と高く, 70歳以上では25-29%であった.
    3.閉経後年数は5年以上10年未満の症例が38例と最も多く, 悪性腫瘍の頻度は, 閉経後2年以上15年未満の症例で高かった.
    4.コントロール群に比し卵巣腫瘍症例ではM. I. の右方移動を認めた. 右方移動の程度は悪性群が最も強く, 境界悪性群がそれに次いだ.
    5.組織型では, 粘液性腺癌, 線維腫, 穎粒膜細胞腫で右方移動の傾向が強かった.
    6.コントロール群では, 閉経後2年以上経過すると著明なM-1. の左方移動を認めたが, 卵巣腫瘍症例では, 逆に閉経後2年以上経過した症例における右方移動を認めた.
  • 高林 晴夫, 藤井 亮太, 桑原 惣隆
    1996 年 35 巻 4 号 p. 300-302
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮体癌検診において子宮内膜細胞診の有用性は, 疑問のないところであるが, ときに偽陰性例に遭遇することがある. そこで, 偽陰性例を減少させることを目的として, 子宮体癌症例の子宮内膜細胞診偽陰性例の検討を行った.
    対象症例は当科において子宮内膜細胞診, 子宮内膜組織診および子宮全摘術術後病理組織学的検索を施行した子宮体癌21例とした. 内膜細胞採取にはオネストブラシ, エンドサーチまたはエンドサイトを使用し, 同時に掻爬生検を行い, 内膜組織を採取した.
    細胞診で偽陰性および誤判定と認めたのは4例 (19%) で, このうち3例が高分化型, 1例が中分化型腺癌であった. それらの4例はいずれも腫瘍が卵管子宮口周囲に限局していた.
    子宮内膜細胞診において, 子宮腔特に卵管子宮口周囲に限局した腫瘍の細胞採集エラーを防ぐために, 採取器具および採取法についてさらなる工夫が必要であると考えられた.
  • 今井 忠朗, 横野 秀樹, 本告 匡, 泉 貴文, 源田 辰雄, 蔵本 博行
    1996 年 35 巻 4 号 p. 303-308
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    エンドサイトを用いて採取された無病正常例354例の内膜細胞診標本を詳細に観察し, 子宮内膜腺細胞塊normal glandular cell cluster (n-GCC) と子宮内膜間質細胞塊normal stromal cellsheet (n-SCS) に注目し, これを規定した. また, 内膜細胞診標本1枚あたりにみられたn-GCC, rSCSの出現数, 出現頻度を検討し, 以下の結果を得た.
    (1) 年齢別に検討したところ, n-GCCは20歳代, 30歳代, 40歳代において出現数, 出現率ともに多く認められ, 50歳代以後では有意に漸減していた (p<0.01). n-SCSも同様減少したが, 60歳以後で, n-GCCに比べ一年代遅かった (p<0.01).(2) 性周期別に検討した177例では, 分泌期に比べ増殖期でn-GCCの判別が容易であり, 出現数も有意に多かった (p<0.025). (3) 閉経前後で検討した270例では, 閉経後n-GCCの平均出現率が1.7個であり, 閉経前10.1個に比べ著しく少なかった (p<0.01).
    以上, 正常内膜細胞診に出現する細胞塊をn-GCC, n-SCSとして把握し, 年齢, 性周期, 閉経の有無によるそれらの出現パターンを理解しておくことは, ともすれば細胞診断が難しい子宮内膜異型増殖症や分化型子宮内膜癌の早期発見に役立つ基礎的資料となり得ると考える.
  • 本間 慶一, 根本 啓一, 渡辺 芳明, 西村 広栄, 宇佐見 公一, 須貝 由美子, 泉田 佳緒里, 佐藤 由美
    1996 年 35 巻 4 号 p. 309-314
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    まれなIntravascular bronchioloalveolar tumor (IVBAT) の微小孤立腫瘤例を経験したので, その細胞像を中心に報告した. 症例は61歳, 女性. 検診異常影にて, 当院内科初診. 画像上, 右S2末梢の肺腺癌が疑われ, 穿刺吸引細胞診ではClass IV. 右上葉切除と縦隔リンパ節廓清を施行され, 術後の組織検索にてIVBATと診断された. 術後4年9ヵ月の現在に至るまで, 転移, 再発はない.
    穿刺吸引材料では, 腫瘍細胞はシート状ないし小集塊状に存在し, 核は類円形, 単核から多核で, 軽度の大小と不整があった. 核小体はやや腫大し, 1ないし少数明瞭にみられた. クロマチンは微細~細顆粒状で軽度増量し, 分布は均一であった. 胞体はライトグリーンに淡染性, 空胞状で, 細胞境界は不明瞭であった. 胞体内は複数の小空胞や腺腔様で輪郭明瞭な大きな空胞を認め, 特に後者は, 組織像との対応から, 血管腔を模倣するものと判断された.
    本例の細胞像は, IVBATおよびその同義の疾患であるepithelioid hemangioendotheliomaも含め, これまで報告された6例の細胞像と, ほぼ一致した. IVBATの診断のためには核所見よりも胞体像が重要で, 1) 空胞状で淡明な胞体, 2) 血管腔を思わせる輪郭明瞭な空胞の存在, の2点が, 特に重視されるべき所見と思われた.
  • 国村 利明, 宮坂 信雄, 大池 信之, 荒川 昭子, 上倉 恵子, 永井 智子, 福田 ミヨ子, 諸星 利男
    1996 年 35 巻 4 号 p. 315-320
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    粘液産生膵癌の1剖検例を経験した. 症例は84歳の男性で, 一年半前から上腹部鈍痛を自覚し, 近医にて慢性膵炎にて経過観察されていたが, 摂食困難に陥り当院受診となった. 血液検査にて貧血とCEA, CA19-9の上昇を認め, 腹部画像検査にて主膵管の瀰漫性拡張と膵頭部腫瘤が確認され, 粘液産生膵癌の診断で加療を行っていたが不帰の転機を辿り, 剖検がなされた. 剖検時, 主膵管や一次分岐膵管は粘液を内容し著明に拡張しており, 一部に乳頭状結節が確認された. 膵液細胞診にて, 粘液を背景に乳頭状構造を示す大型でN/Cが高く核小体が目立つ不整な核を有する高度異型の陽性細胞と, 中型でN/Cが高くなく核小体が目立たない楕円形の核を有する中等度異型の疑陽性細胞および異型性のない杯細胞化生細胞が認められた. 組織学的に乳頭状結節は膵管内乳頭腺癌-乳頭腺腫-乳頭状過形成が認められ, 膵液細胞所見は組織学的所見を反映したものと考えられた. また, 膵実質や腹膜には低分化型管状腺癌の著明な浸潤増殖がみられた.
    粘液産生膵癌にはさまざまな異型度の細胞がみられるが, 膵液細胞診では浸潤発育を示す場合の予後は不良であることを念頭に置いた対応が必要であることを示唆する症例と考えられた.
  • 中川 雄伸, 竹屋 元裕, 徳永 英博, 川村 房代, 森本 久美子, 原口 佐千代, 高橋 潔
    1996 年 35 巻 4 号 p. 321-326
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫の細胞像に関してはこれまでにいくつかの報告をみるが, その悪性例についてはほとんど記されていない. 今回われわれは, 悪性褐色細胞腫の1剖検例を経験し, 転移巣の捺印細胞診を行うとともに, 病理組織学的, 免疫組織化学的および電子顕微鏡的検索を加えて良性のものと比較検討したので報告する.
    症例は43歳のSipple症候群の女性で, 9年前に両側副腎の褐色細胞腫の摘出術を受け, 4年前に, 髄様癌で甲状腺全摘術を施行されている. 剖検時の両肺と肝の転移巣の捺印細胞診では, 壊死を背景に小型でN/Cの高い腫瘍細胞が主体を占め, 一部に核形不整の著しい多核巨細胞が混在しており, 核分裂像が頻繁にみられた. 組織所見は, 小型類円形の腫瘍細胞が充実性胞巣 (Zellballen) を形成し, その中心部には壊死が認められた.
    褐色細胞腫は良性のものでもしぼしば多形性にとみ細胞異型がみられ, 被膜への浸潤や血管内侵入像もみられることがまれではないので組織学的に良・悪性の診断を下すのは困難とされている. しかし, 本症例の細胞像とこれまでに報告されている良性例のものとを比較検討すると, 本症例では,(1) 背景に壊死の出現,(2) 小型でN/C比の高い腫瘍細胞が主体を占める,(3) 核分裂像が頻繁にみられるなどの特徴が観察され, これらの所見は, 良・悪性を鑑別するうえで役立つものと考えられた.
  • 小谷 広子, 郡谷 裕子, 三原 勝利, 西田 雅美, 奥村 博, 丸山 博司, 松田 実
    1996 年 35 巻 4 号 p. 327-331
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸水の細胞診で骨髄腫と確定診断されたきわめてまれなBenceJones-k型多発性骨髄腫を経験したので報告する. 患者は55歳女性. 胸水中の異型形質細胞は細胞成分の95%以上を占めていた. Wright-Giemsa染色標本において, 大型の異型形質細胞は豊富な好塩基性の細胞質を有し, ときに細胞質内空胞が認められた. 核は偏在性で円~楕円形を示し, ときにくびれや切れ込みがみられた. クロマチンは微細網状で, 著明な核小体が認められた. 小型の異型形質細胞は塩基性の強い細胞質を有し, 核周明庭をもつ細胞もみられた. クロマチンは粗剛であったが, 典型的な車軸状核は認められなかった. 単核の異型形質細胞がほとんどであったが, 2核の細胞も認められた. 免疫細胞化学的染色では, 異型形質細胞は抗Kappa light chain免疫グロブリンおよびEpithelial Membrane Antigenが陽性を示した. Leucocyte Common Antigenにおいては, 大部分の異型形質細胞は陰性であったが, 一部の細胞に弱陽性ないし陽性を示した.
  • 松井 武寿, 上原 敏敬, 佐野 裕作, 坂本 允弘, 吉成 勉, 白水 健士, 松澤 眞澄, 岸 紀代三
    1996 年 35 巻 4 号 p. 332-337
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    56歳の主婦に発生した子宮体部原発の悪性ミューラー管混合腫瘍の1例を報告した. 癌成分として内膜型高分化腺癌, 肉腫成分として悪性横紋筋様腫瘍から構成されていた. 塗抹標本では, 腺癌と考えられる細胞は集塊として出現し, 一方悪性横紋筋様腫瘍細胞は孤立散在性に多数出現していた. それらの腫瘍細胞には硝子様の細胞質内封入体が認められ, 電顕的にこの封入体が中間径フィラメントの集塊であることが確認された. さらに一部の悪性横紋筋様腫瘍細胞の細胞質内は電顕的にはミトコンドリアであると思われる緑色の穎粒状物質が認められた. 悪性横紋筋様腫瘍を成分にもつ悪性ミューラー管混合腫瘍の報告は世界でもまれで, 本邦の論文ではわれわれの検索した範囲では最初であると思われる.
  • 高橋 年美, 西野 武夫, 藤崎 和仁, 久保田 浩一, 河西 十九三, 田島 康夫, 菅野 勇, 長尾 孝一
    1996 年 35 巻 4 号 p. 338-343
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣原発の悪性純粋型カルチノイドで, 異所性ACTH症候群を伴った1例を経験した. 症例は51歳, 1妊1産. 下腹部痛を主訴とし, 超音波検査にて卵巣腫瘍を認め, 腫瘍マーカーCA125300U/ml, CA19/9104U/mlにて悪性卵巣腫瘍が疑われた. さらに血中のACTH増加を伴ったクッシング症候群を呈した. 術後5ヵ月に腹壁直下に転移を認め, 放射線治療および化学療法の効なくその後3ヵ月で死亡した. 腫瘍は左卵巣に発生し, 長径16cmの嚢胞性で一部の充実性部の割面は黄色調を呈していた. その捺印細胞像では, 孤立散在性または充実性集団として腫瘍細胞を認め, 核は類円形で高度なクロマチンの増加を示し, 狭少不明瞭な細胞質を有していた. 腫瘍性多核巨細胞も少数散見され, 一部に相互封入像や腺管様あるいはロゼット様配列を認めた. 組織学的には未分化癌に類似した像が腫瘍の多くを占め, 一部に管状, 索状, 島状構造を示していた. Grimelius染色で強陽性を示し, 免疫染色ではChromograninA, ACTH, Serotoninに陽性であった. 電顕的には腫瘍細胞の細胞質内に長径200~300nmの神経分泌顆粒を多数認めた. 本例は世界で2例目と思われる.
  • 中村 雅哉, 須永 義市, 柏瀬 芳久, 水渡 哲史, 小島 勝
    1996 年 35 巻 4 号 p. 344-345
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 木村 雅友, 田中 浩平, 野中 喜代美, 古田 朋子, 橋本 重夫
    1996 年 35 巻 4 号 p. 346-347
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 前田 智治, 古谷 敬三, 竹田 知子, 大泉 えり子, 北出 公洋
    1996 年 35 巻 4 号 p. 348-349
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 木村 雅友, 野中 喜代美, 烏野 美千代, 西 一典, 橋本 重夫
    1996 年 35 巻 4 号 p. 350-351
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 各務 新二, 渡辺 昌俊, 白石 泰三, 矢谷 隆一
    1996 年 35 巻 4 号 p. 352-353
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 大野 あけみ, 北山 美佳, 池田 庸子
    1996 年 35 巻 4 号 p. 354-355
    発行日: 1996/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 35 巻 4 号 p. e1
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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