日本臨床細胞学会雑誌
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21 巻 , 4 号
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  • 安江 育代, 松本 和紀, 横山 敬, 堂園 晴彦, 佐々木 英昭, 楠原 浩二, 田島 敏久, 斉藤 雪郎, 中谷 正己, 蜂屋 祥一
    1982 年 21 巻 4 号 p. 641-646
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    I. U. D. 挿入患者125例について, 着床期にI. U. D. 抜去を行い, そのスタンプスメアを採取した. さらに, このうちの80例については子宮内膜組織診を施行し, スタンプスメアの細胞学的所見と比較しながら子宮内膜の組織学的変化を, おもにI. U. D. の避妊機序との関連より検討した. スタンプスメアはPapanicolaou染色を, また採取した内膜にはH-E染色, 渡辺鍍銀法の各染色を施行し, 検鏡した.
    細胞学的検討ではPapanicolaou分類にてclass I 87例, class II 38例で, class III以上の症例は認められず, さらに挿入期間との相関はなかった. 出現した細胞のうち, 巨細胞型組織球, 間質細胞の増加を検討した結果, 前者は全体の50%, 後者は91%に認められた. このことは, I. U. D. に対する内膜の組織反応の著明なことを示すと同時に, 線維芽細胞を初めとする間質細胞の著しい増加を示し, 注目された.
    一方, 内膜の組織学的観察では, 異常内膜の出現は全体の70%であった. 特に, 鍍銀染色による内膜の間質結合織の変化を検討した結果, 約85%の高率にその増生を認めた. このことは細胞学的検討の結果ともよく一致し, 避妊機序との深い関連をうかがわせた.
  • 鈴木 光明, 小沼 誠一, 小川 雅利, 玉田 太朗
    1982 年 21 巻 4 号 p. 647-652
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    酵素組織化学的手法を細胞診に応用し, 子宮内膜に存するalkaline phosphatase (ALP) 活性の月経周期に伴う変動を観察した. 同時に血中性ホルモン値を測定し, 当酵素活性に及ぼす性ホルモンの影響を検討した.
    その結果, 内膜のALP活性は, 増殖期初期には弱く, その後月経周期に伴い漸次その活性を増し, 排卵日, もしくはそれに遅れて3目目頃にpeakとなり, その後分泌期中期頃までは比較的高活性を維持するが, 後期に到り再び弱活性となることが確認された. また血中性ホルモン値との関連では, 活性がpeakとなるのは血中estradiol値のpeakから約2日後であり, またprogesterone値が高値を示す分泌期中期からやや遅れて活性は低値となることが判明した. すなわち, 当酵素活性はestradio1によってactivateされ, progesteroneによっては逆にsuppressされる可能性が示唆された.
    細胞診に酵素組織化学を応用するに当たっては, まだ多少の技術的問題点が残されているものの, Papanicolaou染色に酵素組織化学的手法を加味することにより, 今後の細胞診断学のより一層の発展が期待される.
  • 乾 裕昭, 安田 允, 寺島 芳輝, 蜂屋 祥一, 杉下 匡, 天神 美夫
    1982 年 21 巻 4 号 p. 653-662
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    In vitro制癌剤感受性試験で細胞形態と薬剤感受性, および制癌剤の細胞回転に与える影響を検討, 化学療法による細胞死の問題も含め, 臨床応用をはかるべく本研究を行った.
    卵巣未分化胚細胞腫由来の細胞株 (JOHYL-1) をヌードマウスに移植, この皮下腫瘍より, Single cell suspensionを作製, 5-fluorouracil, Mitomycin C, Vincristine, Carbazil quinoneの4制癌剤を高濃度短時間, 低濃度長時間をそれぞれ単独接触させ検討した.
    1) 位相差顕微鏡所見では, 細胞質内顆粒と細胞質ならびに核の腫大を伴った大小突起細胞の出現を認めた.
    2) Pap. 染色所見では, (1) 細胞質の染色性低下ならびに腫大, 空胞出現, 細胞膜の不明瞭化, (2) 核の腫大と空胞出現, クロマチンの粗網状変化, (3) 核小体の腫大, 不明瞭化をそれぞれ認めた.
    3) Tripan blueによるdye exclusion methodと, 核長径測定による核腫大を検討した結果では, 核腫大と死細胞率の増加が相関関係にあることから, 両者には密接な関連性があることが示唆された.
    4) ICPによる核DNAヒストグラムの解析ではCQによる高度な核腫大化をきたした細胞が細胞回転の停止を認めた.
    以上より核腫大と細胞死は密接な関連があり, 感受性試験のパラメーターとなり得ることが示唆された.
  • 栗田 宗次, 村瀬 和子, 布施 清子, 蒲 貞行, 黒木 須雅子, 木島 悦子, 須知 泰山
    1982 年 21 巻 4 号 p. 663-669
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    血管免疫芽球性リンパ節症は, リンパ節に内皮細胞の腫大した樹枝状小血管といわゆる免疫芽球が著明に増殖し, 免疫グロブリンの異常を伴う予後不良な疾患である. 本症の11例のリンパ節生検捺印メイ・ギムザ染色標本にて細胞所見を検討した. リンパ節細胞所見は前リンパ球, 小リンパ球, 小型類リンパ球とともに類形質細胞, 大型類リンパ球が種々の程度に出現し, また好中球, 好酸球, 免疫芽球, 形質細胞, 明細胞なども散見され, 多彩な像を呈する. これら細胞のうち主要な増殖細胞は類形質細胞と大型類リンパ球であるが, 類形質細胞や大型類リンパ球の多い症例は, 初診時発熱や血清LDE値上昇, あるいは末梢血リンパ球数減少のみられる例が多く, 治療に反応し難く, 予後不良であることが認められた.
  • 船本 康申, 浅本 仁, 伊藤 剛, 楠木 秀和, 溝 暁, 古田 睦広
    1982 年 21 巻 4 号 p. 670-680
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    1975年以来, 国立京都病院を中心として経験したnon-Hodgkin's malignant lymphoma 44例のうち12例のT cell lyrnphoma (convoluted lylnphocyticまたはlyrnphoblastic type3例, mycosis fungoides 2例, pleomorphic typeまたはimmunoblastic sarcoma? 5例, adult T cell leukemia 2例) の細胞をLukesとCollinsおよびLSG分類を参考に分類し, おもにB cell lymphomaと比較検討すると, 特徴的な形態を示すことがわかった. また, T cell lymphomaがこのような独特の形態を示す意義についても述べた.
    一方, PASおよびacid phcsphataseによる染色性を16例のB cell lymphoma, T cell line (molt, HPB-ALL), B cell line (Raji, P3 HR-I), Null cell line (HPB-Null) と比較した.
    T cell IymphomaおよびT cell lineではPAS陽性穎粒を有する細胞が多く, かつ構成細胞の大きさによって染色態度が異なった. また, この穎粒はグリコーゲンと推察された. B cell lymphoma, B cell line, Null cell lineでは一部のimmunoblastic sarcoma (IBS) を除いて全く陰性であった. IBSにおける陽性物質は免疫グロブリン, またはその関連物質と思われた.
  • 森 修
    1982 年 21 巻 4 号 p. 681-686
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    6例の骨巨細胞腫における腫瘍細胞核DNA量を, 顕微螢光測光法を用いて測定し, 核DNA量ヒストグラム, 分布パターンについて検討した.
    1) 顕微螢光測光法では, 巨細胞の核DNA量測定を正確に行うことは, 困難であった.
    2) stromal cellにおいては, 8C以上の高い核DNA量をもつ細胞や, 2Cと4Cの中間, 4Cと8Cの中間の核DNA量をもつ細胞が出現, 増加していた. ヒストグラム, 分布パターンは骨悪性腫瘍のそれと近似していた.
    3) Grade分類間, 転移再発のあるなしでの核DNA量の相違はみられなかったが, Grade I のものではGrade II以上に比較し4Cより高い核DNA量をもつ細胞の出現の割合が低いようにみえた.
    4) 核DNA量の点からみて, 骨巨細胞腫は良性悪性の中間病変あるいは潜在的premalignant lesionと考えることができ, この点からも顕微螢光測光法による核DNA量の測定は意義あるものと考えられる.
  • 佐々木 功典, 荻野 哲朗, 川内野 和孝, 西村 冨士美, 奥田 信一郎
    1982 年 21 巻 4 号 p. 687-692
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    人胃癌40例について, 捺印標本にFeulgen染色を施し, 顕微分光光度計にて細胞核のDNA量と核の面積を測定し, DNA量分布のヒストグラムと組織型とを対比し, また核面積との関係を調べた. 組織型との関係は一般に必ずしも明瞭とはいえないが, 一応下記のような傾向が伺われた. すなわち, 高分化型管状腺癌では4c前後に第1のピークを持つ2峰性パターンを示す症例が多いのに対し, 低分化腺癌では明らかなピークを示さないか, 幅広い1峰性パターンを示し, 高分化型に比し大きな分散を示す傾向がみられた. 低分化腺癌として扱われている印環細胞癌のDNAヒストグラムは急峻な立ちあがりと高いピークを有し, DNA量の分散が極めて小さく, またこのピークに一致する細胞は典型的な印環細胞の形態を示し, これら細胞がGo期にあることが示唆された. 一方, 核の大きさはDNA量に良く比例しており, 通常の細胞診にさいし, 核の大小不同性からDNA量の分散をある程度まで推定しうると考えられた.
  • 沢田 勤也, 福間 誠吾, 松村 公人, 池田 栄雄, 福田 昇
    1982 年 21 巻 4 号 p. 693-701
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    末梢気管支発生の腺癌は, 術後, 予想外に早期に血行転移で失う場合がある. そこで切除肺腫瘍から捺印塗抹標本と組織標本を作成し細胞形態と組織分化度, 臨床病期との関係を研究し, 治療成績の改善に資したいと考えた. 検索対象は, 53例で全例, 肺葉切除術がなされている. 組織分化度が高くなるに伴い臨床病期1期+II期の頻度が高くなり, 肺胞上皮型は高分化型とほぼ同率であった. 細胞多形性, 核クロマチン量と核縁の折れこみ所見は組織分化度, 臨床病期と相関しているが, 肺胞上皮型は全例, 特徴所見に乏しかった.
    PAS染色では手技, 観察に特に注意をはらい陽性率と3型 (びまん型, 顆粒型, 塊状型) の陽性パターンに分類し, 客観性をもたせた. 細胞100個の観察から陽性率は低分化型で最も低く, 他型はほぼ同率であった. 臨床病期間の差異はみられなかった. びまん性は低分化型に低く肺胞上皮型に高かった. 顆粒型は低分化型に低く, 塊状型は肺胞上皮型に特異的に高率であった. しかし, 臨床病期別での差異はみられなかった. Alcian-Blue染色は, 陽性率, 矢谷氏分類IX型 (細胞表面型) 出現率とも肺胞上皮型に特異的に高くみられ, 臨床病期別ではIII期+IV期にやや低率であった.
  • 坂本 康紀, 岸 恭也, 山本 洋介, 猪野 博保
    1982 年 21 巻 4 号 p. 702-708
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    近年, 婦人科領域においても, carcinoid tumorが注目されている. われわれは, 子宮頸部に発生し, 摘出術後短期間に再発し, 急速に増悪した症例を経験し, その細胞像を観察したので報告する.
    症例は, 49歳の主婦で, 主訴は不正性器出血であり, 子宮腟部前唇に花野菜状の腫瘤が認められた. 子宮頸癌IIa期の臨床診断のもとに広汎性子宮全摘術および骨盤リンパ節廓清術を施行した. 摘出標本の組織像は充実性未分化癌で, 一部索状部分も認められた. Grimelius染色にて多数の陽性細胞が, 電顕的検索にては, 神経分泌様顆粒が認められた. 術後3ヵ月で再発し, その後急速に増大転移し, 術後11ヵ月で死亡した. 剥離細胞所見では, 腫瘍細胞は主として孤立性一部集塊状に存在し, 核は円形ないし短楕円形で, 大小不同は著明でなかった. 細胞質は乏しく, ライトグリーンに染まり, 裸核細胞も多かった. 核クロマチンは中等度に増量し粗大顆粒状であった. 核小体は比較的小型であった. また, 子宮頸部に発生した本腫瘍は腸管に発生した本腫瘍とは異なって, 悪性経過をとることが多いために, 頸部未分化癌に対しては特殊染色による本腫瘍のスクリーニングが必要と考えられる.
  • 鈴木 由美子, 萩原 暢子, 飯藤 容弘, 寺井 晋, 植木 実, 杉本 修
    1982 年 21 巻 4 号 p. 709-713
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    われわれは腟欠損症の5例に, 直腸を用いた造腟術を施行し, 術後の新腟粘膜の経時的変化をスメア像を中心に検討した. 対象症例は, 18~21歳で, 術式は, 藤原氏法による直腸曠置術を行い, 術後2週目より1~3ヵ月ごとにスメアを採取して, 術後2年から5年間追跡し, 適時試験切除を行った.
    その結果, 術後2週目では, 無数の赤血球を背景とし, 粘液を豊富に有する腺上皮細胞の剥離が多くみられ, 1ヵ月を過ぎる頃には, 赤血球は減少した. 術後4ヵ月までは, 炎症細胞や細胞破砕物がしばしばみられた. シート状, 柵状に剥離した円柱上皮細胞は, 全経過を通じて認められたが, 細胞質に粘液を貯留した細胞は漸時減少した. 術後2~5年目の組織所見では, 直腸粘膜構造を保ち, 被覆上皮および腺窩の腺上皮細胞ともに, ほとんど変化を認めなかった. なお, 扁平上皮化生は, 細胞診および組織所見からもうかがわれなかった.
    臨床的経過では, 腟の萎縮, 狭窄はなく, 性生活にも満足が得られており, 予後は良好であった. さらに5年以上の長期経過後の臨床および組織学的な変化について, 追跡する必要があると考えられた.
  • 菅 三知雄, 熊谷 幸江, 福士 明, 佐藤 重美, 高野 敦, 佐藤 達資, 工藤 一
    1982 年 21 巻 4 号 p. 714-719
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    われわれは, 腟や尿の細胞診中に, リンパ球様細胞が多数出現してみられた悪性リンパ腫の1症例を経験した.
    患者は71歳の女性で, 不正性器出血や尿閉を訴えて当科を受診した.
    腟スメア (Pap.染色) では小型, 円形~類円形の細胞が孤立散在性にみられた. 軽度の大小不同がみられ, 細胞質に乏しく, 核は大部分類円形であるが, 一部に切れ込みを示すもの (cleavedcell) もみられた. 核縁は肥厚傾向にあり, 核クロマチンは細~粗顆粒状を呈しており, 一部では不規則な凝集を示していた. 分裂像は比較的よくみられたが, 核小体はあまり目立たなかった. 尿や腹水中にも同様の細胞が認められた.
    以上の細胞所見および腟生検による組織所見から, 本症例はLSG分類における非ポジキンびまん性リンパ腫の小細胞型に相当するものと思われた. また, 剖検所見では, 骨盤臓器が腫瘍によって広く浸潤されていたが, 病変部の状態からみて腟が原発部位と推定された.
    悪性リンパ腫の診断に際し, 剥離細胞診は有意義なものと思われた.
  • Kazuo KATO, Masahiko FUJII, Takuji TANAKA, Yasuo BUNAI, Masayoshi TAKA ...
    1982 年 21 巻 4 号 p. 720-725
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の既婚女性で, 不正性器出血を訴え子宮全摘をうけた. 腫瘍は子宮底に広基性に付着するポリープ状の軟らかい腫瘍で, 外子宮口より突出していた. 切除材料の捺印標本にて, 腺様の悪性細胞が単独または集合して多数認められた. 細胞は小型, 類円形で, 辺縁の不鮮明な細胞質を有していた. 核クロマチンは細顆粒状で過染性を示し, カリオゾームもみられた. 核小体は著明に腫大し通常1個みられた. 子宮内膜の高分化型腺癌に類似していた. 同時に繊細なクロマチンと腫大した核小体を有する卵円形の核とcyanophilicに淡く染まる胞体からなる紡錘形ないし多形性の細胞が単独あるいは数個の集団として認められた. これらは未分化な内膜間質細胞肉腫の細胞に類似していた. 組織標本で認められた軟骨組織や類骨組織は捺印標本には認められなかった. 細胞化学的に, アルカリホスファターゼ活性は細胞により差異が強く, 腺様の悪性細胞は細胞辺縁を中心に強い活性を呈したが, 大型多形性の肉腫様細胞では活性を認めなかった. アルカリホスファターゼ染色は本例のような混合性腫瘍において, 上皮性成分と非上皮性成分の鑑別に有用なことが示唆された.
  • 林 逸郎, 江本 修, 古沢 毅, 有田 毅, 工藤 輝俊, 柴田 興彦
    1982 年 21 巻 4 号 p. 726-730
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    術中捺印細胞診にて診断し得た49歳, 女性の小腸間膜線維腫症を報告する.
    腫瘍の大きさは9.5×13, 4.5×6cm, 卵円形, 黄白色調, 弾性硬であった. 浸潤は小腸粘膜下層まで認められた. 捺印細胞診では紡錘形, 類円形, 多形の腫瘍細胞が孤立性または少数平面的集合として認められた. 細胞質は明瞭で, ライトグリーン淡染性で, その辺縁は細線維状を呈していた. 核は卵円形, 短紡錘形で, 核クロマチンは顆粒状であった. 明瞭な核小体を有するものが多くみられた.
  • 須田 耕一, 若林 とも, 森下 保幸, 黒田 ゆり子, 江里口 正純, 藤井 源七郎, 渡部 迪男, 鈴木 節子, 田村 八千代
    1982 年 21 巻 4 号 p. 731-736
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    症例は右季肋部痛と黄疸を主訴として入院した49歳男性である. レ線的に十二指腸下行脚と総胆管下部の狭窄像, 上部胆道系の拡張および血管写上膵頭部にpoolingが認められたため膵頭部癌が最も疑われた. PTCドレナージよりの胆汁細胞診にて, 核は大部分が径5-9μであったが, なかには13μにも及ぶ大型核がありクロマチンも粗大顆粒状で, 顕著な核小体をみるなどの多様性の所見よりpositiveと判定した. 膵頭部癌の診断のもとに開腹すると, 膵頭部は超鶏卵大に腫脹し, 体尾も硬く, 被膜も変色し, 癌が膵全体に拡がっていると考えられ, 膵全摘を行った. 病理組織学的に, 膵頭部には癌はなく, 膵内胆管の狭窄を伴った慢性反復性膵炎であった. しかし, 胆管壁には膵よりの炎症の波及による著しい粘膜の増殖像があった. したがって, 本例は, これらの増殖した粘膜よりの剥離細胞を偽陽性とした可能性が高い. このように胆汁の細胞診には, 他領域と多少異なり良性異型細胞の存在など判定上のいくつかの問題点があり, この点について若干の考察を行った.
  • 永井 荘一郎, 塚崎 克己, 篠原 正樹, 渡辺 茂, 宮野 勝秋, 三田 盛一, Makio MUKAI, Atsuo MIKATA
    1982 年 21 巻 4 号 p. 737-742
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    41歳女性の大網に原発したと考えられる悪性線維性組織球腫 (Malignant fibrous histiocytoma) についてその病理組織学, 細胞診断学的な検討を行うと同時に超微形態学的な観察を行った. その結果, (1) 病理組織学的には, 短ないし長紡錘形細胞の束状配列が認められる一方, vacuolated cell および負食能を有する大型多核細胞が主体をなす像が認められた. (2) 細胞診断学的には線維芽細胞様細胞と組織球様細胞に大別され得る異型細胞集団が認められた. 紡錘形一部桿状の線維芽様の異型細胞がやや多く認められたが, 単核, 多核の組織球様の異型細胞も認められ, これらの一部は明らかな貪食作用を有していた. (3) 超微形態学的観察では, 視野による多少の差はあるものの, 線維芽細胞様の細胞が多く認められ, 一部で組織球性と考えられる細胞が認められた.
  • 平井 利和, 東 正明, 三瓶 善康, 斉藤 龍生, 新 和夫, 佐藤 豊彦, 山田 喬
    1982 年 21 巻 4 号 p. 743-748
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    症例は76歳女性. 症状は特になく, 右中肺野に異常陰影を指摘され受診. 経気管支的生検 (TBLB) 後の喀疾細胞診でClass IVと判定され, 右下葉切除を行った. 剥離異型細胞は細胞間結合が強固で, 特異な分化型を示す腺癌細胞集塊を形成していた. 組織学的には, 核および細胞異型のほとんどみられない高円柱状の腺癌細胞が, 肺胞壁に接して島状に増殖していた. 間質の反応は乏しい. このような分化型腺癌は文献上まれであるので症例報告した.
  • 1982 年 21 巻 4 号 p. 749-755
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 21 巻 4 号 p. 793-897
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
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