細菌感染を伴った褥瘡, 皮膚潰瘍患者56例を対象にユーパスタコーワ
®の有効性(とくに細菌に対する効果), 安全性および有用性について検討し以下の結果を得た。1)56例中1例は投与開始時に副作用のため中止したので, この1例は安全性のみ採用し55例で解析を行った。2)全般改善度は中等度改善以上が全体で72.7%(40/55)となり褥瘡52.4%, 皮膚潰瘍85.3%の改善率を得た。また創面が治癒·著明改善するまでの日数をみたところ全体で27.4±15.6日となり褥瘡32.4±12.2日, 皮膚潰瘍25.6±16.4日と皮膚潰瘍がやや早く改善する傾向であった。3)潰瘍面積の推移は投与前平均2659mm
2であったものが投与後には平均1895mm
2と有意に縮小し, とくに褥瘡, 熱傷·放射線潰瘍, 術後潰瘍において有意な縮小効果が認められた。また投与4週後には半数以上の症例において100mm
2未満まで縮小していた。4)MRSAに対する効果をみると投与4週後には70%(7/10)と創傷治癒剤としては高い消失率を得た。5)MRSA以外の菌に対する効果をみると, MSSA 85.7%(6/7), CNS 100%(6/6),
Pseudomonas属83.3%(5/6),
Streptococcus属100%(7/7)と平均84.6%(33/39)でMRSAと同様に高い消失率が得られた。6)概括安全度は56例中3例に副作用(疼痛など局所的な症状)が認められた。7)有用度はやや有用以上で90.9%(50/55)と高い結果が得られた。
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