西日本皮膚科
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57 巻 , 6 号
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図説
綜説
  • 森田 秀樹, 堀 美佳, 喜多野 征夫
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1127-1131
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    Nitric oxide(NO)は低分子量のガス状ラジカルであり大気汚染の原因物質のひとつとして悪名高い窒素酸化物の一種である。この物質が生命科学の領域で注目されるに至ったきっかけは, 1987年にMoncadaらが血管内皮細胞由来の弛緩因子が実はNOであると同定したことである。その後, 心血管系, 免疫系, 神経系での新しい情報伝達物質の役割や広範な臓器で病態に関与していることが明らにされてきている。今や種々の疾患の発症と進展についてNOぬきでは考えられないほどで各科臨床医も熱い視線を注いでいる。そのインパクトの大きさからScience誌はNOを1992年の“Molecule of the Year”に選んでいる。皮膚科領域においてもNOは今後注目されると思われる。本稿ではNOについて最近続出している知見について綜説した。
症例
  • 三好 研, 大川 幸三, 小玉 肇
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1132-1136
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    HTLV-1キャリアーに発症したReiter病の1例を報告した。患者は62歳の男性。尿道炎, 結膜炎, 関節炎と膿疱性乾癬に類似した皮疹を全身に認めた。HLA-B27は陰性。病理組織学的にspongiform pustuleの像を示した。塩酸ミノサイクリンとメソトレキサートの併用内服, エトレチナートとPUVAとの併用療法が有効であった。副作用のため内服中止後再発した乾癬様皮疹と関節炎に対してシクロスポリンが奏効した。
  • 高崎 修旨, 岡本 壽男, 板見 智
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1137-1141
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    39歳の女性。顔面播種状粟粒性狼瘡様皮疹を呈した結節型サルコイドーシスの1例を報告した。顔面の丘疹の組織像では乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を示した。初診時の胸部X線像には異常所見なくその他の肺外病変も認められなかったため顔面播種状粟粒性狼瘡と診断し経過観察していた。7ヵ月後に頭部脱毛斑および頸部リンパ節腫脹が出現。さらに2年後胸部CTにて両側肺門リンパ節腫脹を認めた。脱毛斑およびリンパ節の組織像は典型的なサルコイドーシスの像を示した。以上より本症例を乾酪壊死を伴う結節型サルコイドーシスと診断した。
  • 信藤 肇, 林 雄三, 森川 博文, 篠田 勧, 杉田 康志, 矢野 貴彦
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1142-1147
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    Clonal type of seborrheic keratosisの3症例について病理組織学的検討を行い報告した。いずれも肥厚を示す表皮内に小型の基底細胞様細胞(basaloid cell)が胞巣状あるいは充実性の増生を示すintraepidermal epitheliomaの像を示していた。同様にintraepidermal epitheliomaの像を示すhidroacanthoma simplexとの病理組織学的鑑別が必要であったが, hyperkeratosis, papillomatosis, acanthosisからなる隆起性の表皮増殖性病変を示すことを重要な鑑別点とし, その他に細胞胞巣と周囲の表皮角化細胞との間に移行が認められ, また, 基底細胞様細胞間に細胞間橋が認められないことよりclonal type of seborrheic keratosisと診断した。また3症例とも大腿部に発生しており, その肉眼的所見はBowen’s diseaseあるいはbasal cell carcinomaなどの悪性疾患を疑わせる性状を示したことが注目された。
  • 安野 佳代子, 前川 嘉洋, 中村 徳志, 進 洋子, 野上 玲子
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1148-1152
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    63歳の男性。37歳時尿崩症で発症したが, その約15年後に皮膚病変により診断されたLangerhans cell histiocytosis(LCH)の1例を報告した。LCHの皮膚症状として前頭部の潰瘍を伴う腫瘤, 多発する上肢の黄色調皮下腫瘤, 顔面, 頭部の脂漏性の紅斑, 四肢の紫斑を認め, 非特異的皮疹としては尖圭コンジローマ, 股部白癬, 汗孔角化症, 陰嚢被角血管腫を認めた。このうち本症例においてはLangerhans cellの増殖より成る黄色調肉芽腫様の皮下腫瘤が特異的であった。
  • 中尾 知子, 永江 祥之介, 今山 修平, 堀 嘉昭, 高橋 朋子
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1153-1156
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    41歳の男性。小児期に口唇, 舌に径3mm前後の小結節が多発したが, 自覚症状がないため放置していた。40歳時に甲状腺の腫瘤とCEAの著明な上昇を指摘され, 種々の検査にて甲状腺髄様癌と診断された。患者は痩せ型で四肢の細長いMarfan様体型を示し, 口唇の肥厚, 眼瞼の翻転を伴う特異な顔貌を呈していた。口唇の多発性小結節は病理組織学的に粘膜神経腫であった。母親と弟は同様の体型, 顔貌で母親には舌, 口唇に多発性小結節がみとめられた。自験例は家族性であることと特徴的な臨床像より多発性内分泌腺腫症2B型(MEN: multiple endocrine neoplasia type 2B)と診断した。
  • 松井 珠乃, 小野 友道, 木藤 正人
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1157-1159
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    23歳の女性。クロラムフェニコール(CP)点眼液で感作され, CP腟錠投与により発症した典型的なsystemic contact dermatitisの1例を報告した。CP腟錠を使用した当日の夜に全身にそう痒を伴った紅斑, 丘疹が出現したため来院。点眼液による既感作部である右眼周囲, ならびに間擦部に高度の浮腫を伴った紅斑, 丘疹を認めた。パッチテストではCP原末, 腟錠, 点眼液ともに陽性を示した。
研究
  • 楊 憲勲, 占部 篤道, 永江 祥之介, 中山 樹一郎, 堀 嘉昭
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1160-1164
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    Avidin-biotin-peroxidase complex法を用いて免疫組織化学的に組織ポリペプチド抗原(TPA)の正常皮膚での局在について検討したところ, エクリン腺導管内側細胞および分泌部細胞で陽性所見がみられた。TPAと共通抗原を有するhuman cytokeratin 8, 18, 19(PKK-1)は分泌部では陽性であったが, 導管内側細胞は陰性であった。エクリン汗器官起源性付属器腫瘍においてはnodular hidradenomaとmixed tumor of the skinにTPA陽性細胞が認められ, 腫瘍細胞のエクリン腺導管内側細胞およびエクリン腺分泌部への分化が示唆された。Eccrine spiradenomaではlarge palestaining cellのみがTPA, PKK-1ともに陽性であったためエクリン腺分泌部のみが関与していることが示唆された。Eccrine poromaを構成するporoid cellはTPA, PKK-1ともに陰性であり, poroid cellがエクリン腺の表皮内および真皮内導管外側細胞に由来するという説を支持する結果と考えた。
  • 赤木 竜也, 土井 勝典, 出来尾 哲, 地土井 襄璽
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1165-1169
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    1994年10月から12月までの3ヵ月間に六日市病院でみられた褥瘡患者57名の褥瘡病巣の細菌叢について検索した。病巣から分離された細菌の多くはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌), MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌), 緑膿菌であった。病巣を生じた部位をみると仙骨部が最も多く, 緑膿菌は褥瘡が単発した大きい病巣から, MRSAは多発した中小潰瘍から分離される傾向がみられた。主要な分離菌であったMRSA, MSSA, 緑膿菌については十数種の抗菌剤に対する薬剤感受性も決定し, その結果, 一部で耐性化が進行していると考えられた。
講座
統計
  • 細川 篤, 上里 博, 野中 薫雄, 宮里 肇, 伊集 操
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1176-1183
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    昭和57年から平成3年までの10年間の琉球大学医学部附属病院皮膚科外来のらいの集計を報告した。総新患者は113名, 未定型群9例(8.0%), 類結核型47例型(41.6%), 境界群43例(38.0%), らい腫らい11例(9.7%), その他3例であった。新患の減少, 類結核型やらい腫型及び未定型群の減少と境界群(特にborderline tuberculoid leprosy)の比率の増加, 老人らい及び高齢の女性の比率の増加と小児らいの減少等の傾向から琉球大学医学部附属病院が位置する沖縄県地方のらいが消退期にあることを示すと考えられた。しかし少数ではあるが小児らいや未定型群の散発があり中年層の新患が比較的多い点などから, まだしばらくは新患が発見されると予想される。手足の変形や脱毛などの後遺症は低頻度で軽症例が多かった。しかし, らいに関する情報不足から誤診例や診断が遅れ後遺症を残す症例も散見された。また外国人らいが増加しており沖縄県地方でも将来発見される可能性が大きいと考えられた。
治療
  • 籏持 淳, 森 康二, 植木 宏明, 岡 大介
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1184-1188
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)患者に対しフマール酸ケトチフェン(ザジテン®)を投与しその臨床効果を観察するとともに, その投与前後の血中のinterferon γ(IFN-γ), interleukin 4(IL-4), 可溶性CD23値の測定を行い検討した。投与は原則として8週間以上行い62例に対して評価した。最終全般改善度は「中等度改善」以上で41.9%であったが「軽度改善」以上では100%と高い有効率を示した。副作用は74例中15例に眠気が認められた。有用度は「有用」以上で56.5%と高い有用性が認められた。本剤投与前後で血中IFN-γ, IL-4の値に変動は認められなかった。血中の可溶性CD23は本剤投与後, 有意に上昇することが示されフマール酸ケトチフェンの抗アレルギー作用との何らかの関連性が示唆された。
  • 中山 樹一郎, 久保田 由美子, 古賀 哲也, 堀 嘉昭, 武石 正昭, 日高 桂子, 安田 勝, 陣内 恭子, 矢幡 敬, 原 幸子, 佐 ...
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1189-1197
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者に対するケトチフェン(ザジテン®, サンド薬品)の臨床効果および末梢血中の好酸球およびその脱顆粒蛋白のECP(eosinophil cationic protein), MBP(major basic protein)の変動の有無について九州大学医学部附属病院皮膚科とその関連病院皮膚科で検討した。解析対象症例は79例うち中等症以上が約85%を占めた。全般改善度は治療後6週目まで経時的な改善率の増加がみられ, 8週後では中等度改善以上が74.2%であった。また最終全般改善度は中等度改善以上で62%, 軽度改善以上で94.9%であった。副作用は安全度のみを評価した10例を加えた89例のうち眠気が5例, めまい, 吐き気が1例, 顔面浮腫が1例, 月経不順が1例であった。有用度は有用以上が65.8%, やや有用以上が94.9%であった。解析対象症例35例の末梢好酸球数は治療前後で有意の変動を認めなかった。解析対象中49例の血清ECP値の推移も治療前後で有意の変動はなく, 平均値は治療前が30.52±7.26μg/l, 治療後が31.62±5.98μg/lであった。一方解析対象例中33例のMBP値の推移は治療後に有意に低下がみられ, 33例の平均値は治療前が733.06±56.23μg/l, 治療後は653.15±64.25μg/lであった。とくに他のアトピー疾患を合併する患者7例で治療前が981.57±173.51μg/l, 治療後が681.57±119.57μg/lと有意な低下がみられた。このケトチフェンによるアトピー性皮膚炎患者の血清ECP値およびMBP値に対する異なる効果については今後の研究課題と考えられた。
  • 戸田 淨, 大城戸 宗男, 原田 昭太郎, 川島 眞, 菅原 信
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1198-1205
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    尋常性ざ瘡の女性患者51例を対象に油性肌に適した脱脂力を有するコラージュA脂性肌用石鹸および水溶性コラーゲン含有の保湿性の優れたコラージュ化粧水を併用させ, 主に過剰洗顔による無疹部の皮膚乾燥の予防ならびに皮疹部に対する刺激性の有無について検討した。その結果, 本疾患に対する適切な治療と本石鹸の併用により, 脂漏·脂性の臨床症状は51例中41例(80.4%)に改善が認められた。一方, 石鹸洗顔による皮膚の乾燥およびつっぱり感については, それぞれ51例中33例(64.7%), 49例中37例(75.5%)にその改善を認めた。また本石鹸および化粧水とも試験期間中, 全顔に使用させたが副作用は全例に認められなかった。試験に先立ち行った肌質の調査では94.1%が油性と乾燥を併せもつ混合肌であり, しかも無疹部における皮膚乾燥は約50%が中等度以上であり, その程度は比較的高い方に偏っていた。なお試験終了時に実施した患者のアンケートでは本化粧水使用により, かさつき感およびつっぱり感に対し, それぞれ70.6%, 72.5%の改善を認め, 主治医判定と同様, 患者自身による高い評価が得られた。以上の結果コラージュ化粧水の尋常性ざ瘡患者に対する使用は過剰の石鹸洗顔に伴う皮膚の乾燥およびつっぱり感の症状を改善し, しかも病変部に対し刺激がなく安全性の高い有用な化粧水であることが確認された。
  • 小川 秀興, 植木 理恵, 西山 茂夫, 伊藤 雅章, 西岡 清
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1206-1211
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    円形脱毛症に対する抗アレルギー剤(アゼラスチン:アゼプチン®)の臨床症状におよぼす影響と有用性について広く円形脱毛症の治療薬として用いられているセファランチンと比較検討した。総症例数は53例であった。円形脱毛症患者のアトピー素因の有無に関係なくアゼラスチン投与群ではセファランチン投与群に比較し脱毛巣およびその周辺の病的毛や抜け毛の程度は速やかに改善された。再生毛の推移は両試験群とも同様の改善経過であった。抗アレルギー作用を有するアゼラスチンが円形脱毛症の臨床像改善に効果をおよぼしたことは円形脱毛症の治療上にも, その病態形成を考える上でも興味深い知見であると考えられた。
  • 高木 晴美, 今泉 孝, 橋本 功
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1212-1216
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    ニュータイプの経口用セフェム系抗生剤であるバナン®(cefpodoxime proxetil, CPDX-PR)ドライシロップを幼小児の伝染性膿痂疹患者76例に使用して臨床的·細菌学的有効性, 安全性および有用性を検討した。さらに1日2回投与と1日3回投与の有用性を比較検討した。有効率は84.2%であり細菌学的効果を判定できた41例中菌消失率は27例65.9%であった。起炎菌が分離同定された症例は68例であり, その感染形態は単独菌42例61.8%, 複数菌は26例38.2%であった。また臨床分離株に対して最小発育阻止濃度の測定を行ったところStaphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Streptococcus sp.に対していずれも3.13μg/ml以下であった。副作用は1例に軽度の下痢が認められたが重篤なものではなく薬剤の投与中止後速やかに改善した。臨床効果と安全性を勘案した有用度はやや有用以上が98.7%であった。1日2回投与と1日3回投与の比較検討では, 臨床効果は改善以上がそれぞれ82.4%と85.7%であり有意差はみられず, ほぼ同等の効果があった。また, 内服拒否により投与中止となった症例は1例1.3%のみであり, 高い服薬性を認めた。したがって, バナン®ドライシロップは伝染性膿痂疹に対してきわめて高い有用性を持ち, 特に幼小児患者においてfirst choiceで用いることができる抗生物質のひとつと考えられた。
  • 橋本 秀樹, 吉川 賢一, 安斎 眞一, 三橋 善比古, 近藤 慈夫
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1217-1225
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    外用抗ウイルス剤であるアラセナ-A®軟膏(vidarabine)を帯状疱疹35例, 単純性疱疹23例の計58例に対しオープントライアルで使用し有効性, 安全性および有用性について検討を行った。その結果, 帯状疱疹に対しては有効率(有効以上)は88.6%, 単純性疱疹に対しても91.3%と高い有効率を示した。抗ウイルス剤との併用についてみると帯状疱疹では軽症例においてアラセナ-A®軟膏の単独使用群が抗ウイルス剤を併用した群よりも有意に高い有効率を示した。一方, 単純性疱疹においても抗ウイルス剤の非併用群の方が併用群に比し有意に高い有効率を示した。副作用の発現は1例もなくアラセナ-A®軟膏の高い安全性が示された。以上より外来症例の中心を占める帯状疱疹の軽症例, 単純性疱疹においてはアラセナ-A®軟膏のみにて十分な有効性が得られると考えられた。
  • 石井 則久, 中嶋 弘, 毛利 忍, 加藤 安彦, 池澤 善郎, 吉田 貞夫
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1226-1233
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    細菌感染を伴った褥瘡, 皮膚潰瘍患者56例を対象にユーパスタコーワ®の有効性(とくに細菌に対する効果), 安全性および有用性について検討し以下の結果を得た。1)56例中1例は投与開始時に副作用のため中止したので, この1例は安全性のみ採用し55例で解析を行った。2)全般改善度は中等度改善以上が全体で72.7%(40/55)となり褥瘡52.4%, 皮膚潰瘍85.3%の改善率を得た。また創面が治癒·著明改善するまでの日数をみたところ全体で27.4±15.6日となり褥瘡32.4±12.2日, 皮膚潰瘍25.6±16.4日と皮膚潰瘍がやや早く改善する傾向であった。3)潰瘍面積の推移は投与前平均2659mm2であったものが投与後には平均1895mm2と有意に縮小し, とくに褥瘡, 熱傷·放射線潰瘍, 術後潰瘍において有意な縮小効果が認められた。また投与4週後には半数以上の症例において100mm2未満まで縮小していた。4)MRSAに対する効果をみると投与4週後には70%(7/10)と創傷治癒剤としては高い消失率を得た。5)MRSA以外の菌に対する効果をみると, MSSA 85.7%(6/7), CNS 100%(6/6), Pseudomonas属83.3%(5/6), Streptococcus属100%(7/7)と平均84.6%(33/39)でMRSAと同様に高い消失率が得られた。6)概括安全度は56例中3例に副作用(疼痛など局所的な症状)が認められた。7)有用度はやや有用以上で90.9%(50/55)と高い結果が得られた。
  • 澁江 賢一, 清水 昭彦, 古賀 哲也, 利谷 昭治
    1995 年 57 巻 6 号 p. 1234-1237
    発行日: 1995/12/01
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル 認証あり
    Psoriasis area and severity index(PASI)20以上の尋常性乾癬患者11名(男性9名, 女性2名)を対象にシクロスポリン(CYA)3∼5mg/kg/日を投与し, 治療開始1週間後に全血CYA濃度を測定の上, 2週間後および4週間後にPASIを算出し治療前PASIと比較して皮疹改善の評価を行った。さらに患者はbody mass indexに基づいて肥満群の5例とそれ以外の6例の2群に分類し患者体型とCYA内服治療効果との関係を検討した。その結果肥満群では全血CYA濃度は高値を示すものが多く, 全例がPASIの急速な減少を示し皮疹の著明改善が認められた。それ以外の群では全血CYA濃度は低値を示すものが多く, 皮疹の著明改善を認めたのは1例にすぎず, 4例は皮疹の改善は不良であった。さらに1例では皮疹が悪化し, 副作用のため2週間で治療を中止せざるをえなかった。以上の結果から肥満者には低量のCYAで良好な治療効果が得られる可能性が考えられた。
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