重曹およびミョウバンを主成分とする入浴剤において, オーツ麦エキスの効果を検討するためにオーツ麦エキスを除いた入浴剤を対照として臨床試験を行い以下の結果を得た。1. 汗疹の患者43例に両入浴剤を1週間使用させたところ(被験入浴剤23例, 対照入浴制20例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『丘疹·小水疱』において両者とも有意な改善が認められた(Wilcoxon符号順位検定, P<0.01)。2. 汗疹の患者においては試験後に両入浴剤を比較したところ, 『そう痒』, 『紅斑』において被験入浴剤使用群の方が, 対照入浴剤使用群に比し有意に症状は軽減した(
χ2検定, P<0.05)。また『全般改善度』, 『有用性』において被験入浴剤の方が, 対照入浴剤に比し有意に優れていた(
χ2検定, P<0.01)。3. 小児アトピー性皮膚炎の患者34例に両入浴剤を2週間使用させたところ(被験入浴剤20例, 対照入浴剤14例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『丘疹·小水疱』, 『糜爛』, 『乾皮症』, 『鱗屑』, 『浸潤·肥厚』において両者とも有意な改善が認められた(符号順位検定, P<0.01, 対照入浴剤の『乾皮症』のみP<0.05)。また, 入浴剤試験後の各症状および『全般改善度』, 『有用性』において両入浴剤間に有意な差は認められなかった。
抄録全体を表示