オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
7 巻, 12 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
学会賞受賞論文
  • 好野 則夫
    2007 年 7 巻 12 号 p. 513-518
    発行日: 2007/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    フッ化炭素鎖を有する化合物はポリ (テトラフルオロエチレン) で代表されるように, 低エネルギー表面を形成することから, 擾水・擾油性, 潤滑性, 防汚性などに優れた表面を構築する。この特異な性質を示すフッ化炭素鎖をもつ表面改質剤として, フッ素系シランカップリング剤とフッ素系界面活性剤を合成し, それらの物性ならびに応用について検討した。合成したフッ素系シランカップリング剤F (CF2) 10CH2CH2SIX3 (X=CL, OCH3, NCO) に対して歯科分野への応用を検討した。また, ビフェニル構造を有する新しいフッ素系シランカップリング剤を合成した。得られた化合物で改質された表面は350℃の耐熱性を有し, 耐酸化性ならびに耐酸性を示した。フッ化炭素鎖と炭化水素鎖の両方を一分子内に持つ新しいタイプの “ハイブリッド界面活性剤” を合成した。この界面活性剤は工業, 医学あるいは歯科の分野において将来性が期待される化合物である。
  • 藤谷 貫剛, 中岡 久男, 本谷 衛, 小林 義典
    2007 年 7 巻 12 号 p. 519-523
    発行日: 2007/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    共役ジエン含有量が極めて少ない液状不飽和アルコールは, パーム核油を原料とする工業用オレイルアルコールを銅-クロムーマンガン酸化物触媒を用いての選択水素化, それに続いて分留, 水蒸気脱臭を行うことにより製造される。このようにして得られた液状不飽和アルコールは, 酸化分解から起こる臭気と色相の劣化を抑制する優れた性能を有している。またこれらの操作を行っても, 操作の前後で曇点は低く保たれていることを確認した。
  • 細川 雅史
    2007 年 7 巻 12 号 p. 525-532
    発行日: 2007/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    水産物中に含まれる脂溶性成分の有効利用を目指し, それらの機能性評価や高機能化に関して研究を行った。ワカメなどの食用海藻中に含まれるフコキサンチンは, ヒト白血病細胞や大腸癌細胞に対してアポトーシスを誘導した。このようなアポトーシス誘導能は, ホヤから分離したフコキサンチンの類縁カロテノイドであるフコキサンチノールやハロシンチアキサンチンでより顕著であることを見い出した。また, フコキサンチンは, 糖尿病/肥満マウスの内臓脂肪の蓄積や高血糖を改善する作用を示した。一方, 優れた生理機能を有し幅広い利用が期待できる高度不飽和リン脂質の調製には, 酵素的合成反応が有効であった。とくに, 必須水分代替物の利用により反応収率が顕著に上昇することを示した。また, 高度不飽和脂肪酸から新規な機能性が期待される環状ヒドロキシ脂肪酸を調製するには生物変換反応が有効であった。
feedback
Top