オレオサイエンス
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9 巻, 7 号
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総合論文
  • 原 英彰, 松永 望
    2009 年 9 巻 7 号 p. 283-291
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ビルベリーは, 主にヨーロッパにおいて生息する多年草であり, その果実は暗青色や紫黒色を示す。ビルベリーエキスは眼精疲労や視野機能の改善のためサプリメントとして一般的に使用されてきた。しかしながら, その薬理作用並びに作用メカニズムについては十分に検討されていない。一方, 日本の失明原因の代表的な疾患として緑内障や糖尿病網膜症がある。これらの疾患は網膜の障害および網膜血管の異常な新生が深く関与している。そこでわれわれは, これらのin vitroおよびin vitroモデルとして1) 網膜神経節細胞の障害および2) 網膜血管新生に対するビルベリーエキスの作用を検討した。
    1) ビルベリーエキスとその主要成分アントシアニジン (デルフィニジン, シアニジン, マルビジン) は, ラット由来網膜神経節細胞株 (RGC-5) においてペルオキシナイトライト (活性酸素種) 誘発によるラジカル発生および細胞死に対して抑制作用を示した。さらに, ビルベリーエキスの硝子体内投与は, N-methyl-D-aspartic acid (NMDA) 誘発マウス網膜障害を抑制した。
    2) ビルベリーエキスは血管内皮増殖因子 (vascular endotheHal growth factor : VEGF) によって誘発されるヒト隣帯静脈内皮細胞の管腔形成, 増殖および遊走を抑制した。また, ビルベリーエキスのマウス硝子体内投与は, 高酸素誘発網膜血管新生を抑制した。
    以上, ビルベリーエキスは網膜障害および網膜血管新生と関連のある疾患の予防や治療に有用である可能性が示唆された。
  • 高塚 直能
    2009 年 9 巻 7 号 p. 293-296
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    日本人にはなじみの深い大豆および大豆製品摂取の人体健康への影響について, 近年, 多くの知見が蓄積しつつある。本論文では大豆の血清脂質およびそれをリスク要因とする動脈硬化性疾患への影響について, 最近の疫学研究の動向を概観する。
  • 三島 敏
    2009 年 9 巻 7 号 p. 297-302
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    高齢者が加速度的に増加するわが国では, 病気予防により健康寿命を延伸することが重要である。長い高齢期を元気な人生とするため, トクホを含む機能性食品への期待が高まっている。酵素技術や, 有用成分の創製あるいは製剤設計により食品機能を高めることは, 種々の疾患に対しより有効に働くと考えられる。
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