オレオサイエンス
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3 巻, 9 号
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総合論文
  • 分子構築への展開
    飯田 浩史, 南後 守
    2003 年 3 巻 9 号 p. 457-465,456
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    光合成膜でのアンテナ系タンパク質 (LH1) 複合体は, 太陽エネルギーを集めて電荷分離を行う光化学反応中心タンパク質複合体 (RC) にそのエネルギーを転送する機能をもつ。このLH1複合体の構造は, αヘリックス膜貫通ポリペプチドと色素 (バクテリオクロロフィルα, BChlα) のそれぞれ2分子がペアになったサブユニットがさらに16量体を形成していると考えられている。しかしながら, LH1複合体の自己組織化に関する取り扱いや修飾方法の検討はあまりなされていない。そこで, 最近我々は, LH1複合体の自己組織化に関する以下の検討を行った;古細菌から抽出したテトラエーテル脂質を用いると耐熱性のLH1複合体のプロテオリポソームの作成およびY型LB膜により10層以上積層できるLHl複合体の2次元膜の組織化を行うことができた。また, 化学合成によりアミノ酸置換したLH1ポリペプチド類や金属置換したBChlαを用いる再構成の実験から, LH1タンパク質のC末端側の極性アミノ酸のTrp残基がLH1複合体の自己組織化に重要な役割を担っていることがわかった。興味あることに, LH1タンパク質を用いてメソポルフィリン2量体の再構成を行うことができ, アンテナ系複合体と類似のポルフィリンのπ電子系の集積とその拡張ができることがわかった。これらの結果から, LHl複合体およびそのモデル複合体は, その機能特性から人工光合成アンテナ, 光増感材および非線形光学材料などへ展開できることが示唆された。
  • 竹中 繁織
    2003 年 3 巻 9 号 p. 467-473,456
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    電気化学遺伝子センサの研究は古くから行われているが, 最近新しい手法による高感度遺伝子検出が達成されている。一塩基多型 (SNP) の観点から一塩基ミスマッチ検出が行われている。Bartonと著者らのグループはミスマッチとフルマッチのDNA二重らせん熱安定性に依存しないミスマッチ検出を発展させている。これらの手法はマルチ電極による多種類の遺伝子同時解析を可能にするものと期待される。このような手法が電気化学DNAチップの発展に有用であろう。マクロ加工技術は新しい遺伝子センサを発展させてきている。このような集積電極の特定の位置へのDNAプローブの固定化を電気化学的な手法を用いて達成されている。SECMを用いたDNAマイクロアレイの画像化の例は新しい電気化学DNAチップのヒントになるかも知れない。
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