オレオサイエンス
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10 巻, 2 号
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総説
  • ソフトおよびハードマテリアル
    中西 尚志
    2010 年 10 巻 2 号 p. 63-71
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ナノ・マイクロメートルサイズに次元規制, 構造制御された分子組織化構造の創製は, その組織構造由来の機能, または構成分子の持つ光・電子物性を保持した構造材料となることから, ナノサイエンスおよびナノテクノロジー分野において脚光を浴びている。筆者は, 超分子的手法を用い, 溶かす溶媒を適宜選択することで, 次元・構造規制された多形のフラーレン分子集合構造の創製に成功した (超分子ポリモルフィズム) 。分子設計したフラーレン (C60) 誘導体は, 長鎖アルキル基が導入されており, C60間で生じるπ一π相互作用とアルキル鎖間で誘起されるファン・デル・ワールス (vdW) 相互作用をいかに制御するかが, 超分子構造材料構築の鍵となる。機能としては, 薔薇様 (フラクタル状) 組織構造の表面が, 超擾水性を示すことを見出している。また, ナノカーボンフルイド材料としてC60含有の半導体性液晶や室温液体の創製に成功している。このように, 適切な分子設計のもと, 分子間相互作用を巧みに制御可能であれば, さまざまな超分子組織構造を創製できるのみならず, 有機材料化学を中心とする多くのサイエンスを, 同一分子デザインを用いて展開可能となる。本総説では, 筆者の最近の研究を中心に, アルキル鎖導入C60を素材とする多形超分子材料の開発に関して解説す。
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