オレオサイエンス
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14 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
特集総説論文
  • 酒井 俊郎
    2014 年 14 巻 2 号 p. 47-54
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    ポリエチレンオキシド(PEO)とポリプロピレンオキシド(PPO)のブロック共重合体(PEO-PPOブロックコポリマー)であるプルロニック型界面活性剤を用いた金属(金,銀)ナノ粒子の合成について紹介する。プルロニック型界面活性剤は溶液中で金属イオンを還元する作用を発現することから,付加的な還元剤や外部エネルギーを使用することなく,金属塩溶液とプルロニック型界面活性剤溶液を混合するだけで金属ナノ粒子を合成することができる。さらに,プルロニック型界面活性剤の多元特性(金属イオン還元作用,界面活性作用,安定化作用)を巧みに利用することにより,形成される金属ナノ粒子のサイズ・形状,分散安定性の制御や異種金属の複合化を実現することができる。また,アミノ基を末端に有するPEO-PPOブロックコポリマー(PEO-PPO-NH2)を用いた金属ナノ粒子の合成についても紹介する。

  • 續石 大気, 沢田 英夫
    2014 年 14 巻 2 号 p. 55-66
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    過酸化フルオロアルカノイル [RF-C(=O)OO(O=C)-RF] と汎用のラジカル重合性モノマー 類との反応により,高分子主鎖両末端にフルオロアルキル基が導入されたオリゴマー類 [RF-(M)n-RF] が合成できる。これらフルオロアルキル基含有オリゴマー類は,新しいタイプのABAトリブロック型高分子界面活性剤として分類でき,水さらには有機溶媒中において末端に導入されたフルオロアルキル基同士の凝集作用が活かされたナノメートルサイズにその構造が制御された分子集合体を構築する。フルオロアルキル基含有オリゴマーが構築する高分子集合体は,金,銀さらには銅ナノ粒子等の種々のゲスト分子と相互作用し,対応する含フッ素オリゴマー/ゲスト分子ナノコンポジットを与える。本総説では,これら新規な含フッ素オリゴマー/ゲスト分子ナノコンポジット類の調製とその応用に関して解説する。

  • 遊佐 真一
    2014 年 14 巻 2 号 p. 67-72
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    直鎖状の親水性ブロックと側鎖に疎水性のデンドロンを含むブロックからなる構造の制御された両親媒性ジブロック共重合体を可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型の制御ラジカル重合法で合成した。ジブロック共重合体は水中でデンドロンを含むブロックの疎水性相互作用により会合体を形成した。ポリマーの構造に応じてミセル間の凝集による高次会合体やベシクル構造を形成した。また会合により生じた疎水性ドメインは,ゲスト分子の微細な構造の違いを認識した取込挙動を示した。

  • 青島 貞人, 金澤 有紘, 金岡 鐘局
    2014 年 14 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    近年,様々な分野への応用を見据えた,刺激応答性高分子材料の創製が注目されている。本報では,その中でも検討が進んでいる,水中で高感度な応答を示す温度応答性ポリマーを中心に概説する。特に,最近の高分子合成技術の進歩は著しく,例えばリビングラジカル重合により多数のモノマーから構造や分子量の制御されたリビングポリマーが合成されるようになり,その結果,種々の刺激応答性ブロックポリマーなどの新しい材料が創製されている。ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)をはじめとするポリアミド系とポリ(エチレンオキシド)を側鎖に有するポリエーテル系がその代表例である。本文中では,それらのリビング重合による精密合成法からはじまり,温度応答性の特徴や自己組織化にも触れる。また,その後次々と合成されているアミド系,エーテル系のポリマーの例を示し,ポリマー構造と刺激応答挙動の関係を明らかにする。後半部分では,温度応答性ポリマーの典型的な例として,われわれが検討している刺激応答性を有する星型ポリマーや選択的分解性を合わせ持つポリマーの合成,ドラッグデリバリーに利用可能な温度応答性リポソームの例を示す。

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