オレオサイエンス
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9 巻, 2 号
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特集総合論文
  • 鈴木 徹
    2009 年 9 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    フライ調理は世界的にも主要な調理手法であり, 各国で古くから利用されてきたが, 一方で健康問題, また資源・環境問題からフライ調理品に油脂吸収残存を少なくする努力が払われ, 多くの研究が行われてきた。近年, フライ調理中の食材に対する油吸収について注目すべき進歩が見られる。すなわちモデル系として小麦粉一水混合物を使った食品素材の状態図を利用しフライ過程での状態変化の経路を推察することで, 水分含量によって多孔質構造生成が異なり, 結果として油吸収, 水分蒸発メカニズムに影響を及ぼすことが明らかにされた。すなわち油吸収はフライ過程では蒸気圧に拮抗する小さな細孔内の毛管力による吸収によって起こり, ポストフライ過程では蒸気の凝縮減圧による吸収によって生じる。よって初期水分含量の低い食品への油吸収は主としてフライ過程での油吸収が支配的であり, 水分含量の高いバッター状の食品では発達した複雑な表面に付着した油のポストフライ過程での吸収が支配的であることが明らかにされた。
  • 家庭での揚げ調理における簡便な判定方法の確立をめざして
    村上 恵, 伊藤 知子, 原 知子
    2009 年 9 巻 2 号 p. 51-59
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    フライ油を揚げ物に何度も使用していると次第に油脂の酸化が起こり, 風味や揚がり具合が悪くなるのみでなく, 毒性を示すようになることはよく知られている。フライ油の劣化の判定には, 粘度や酸価, カルボニル価などの測定法が用いられているが, 家庭でこれらの測定を行うことは困難である。日本調理科学会近畿支部, 揚げる・妙める分科会では, このフライ油の使用限界をどのような基準で判定するのかについて着目し, 分析機器などの設備がない家庭でおいしい揚げ物を作るためのフライ油の使用限界について, 官能検査法で評価できるかを検討してきた。その結果, これまでにフライ油の使用限界の判定として, 暫定油脂分析試験法による油の風味点数3を基準に用いることがフライ油の着色や揚げ種, 揚げ方法の違いに左右されず, 家庭での簡易法として有効であることを明らかにした。
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