オレオサイエンス
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15 巻, 12 号
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工業技術賞受賞総説論文
特集総説論文
  • 田中 巧, 土井 萌子, 西本 健治, 長谷 昇
    2015 年 15 巻 12 号 p. 555-561
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー

    我々は,天然植物由来のオリーブ油を,筑波山の花から見つかった酵母を用いて発酵させ,得られたバイオサーファクタントによる表面処理顔料を開発した。この表面処理顔料を配合したメイクアップ化粧料(プレストパウダー,リキッド)は,クリーミーな感触と優れた皮膚への親和性を示した。一方,この表面処理顔料を水/油=6/4の比率の系に投入すると,安定なエマルションを形成することがわかった。 さらに,水と1,3-ブチレングリコールは完全に相溶化して混ざり合うが,この表面処理顔料を投入することで,水と1,3-ブチレングリコールは分離されてエマルションを形成することがわかった。この表面処理顔料は,1,3-ブチレングリコール滴の周りを覆うように存在し,あたかもピッカリングエマルションのような構造をとることを見出した。この非常にユニークな特性を生かすことで新しい形態の化粧料の配合が期待される。

  • 早瀬 基
    2015 年 15 巻 12 号 p. 563-569
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー

    微生物が生産するバイオサーファクタント(BS)は近年注目されている素材であり,その物性,製造方法,処方検討などに関する知見も蓄積されてきている。本稿では化粧品原料として市場実績のあるマンノシルエリスリトールリピッド-B(MEL-B)とサーファクチンナトリウム(SFNa)の2種のBSを取り上げた。これらの2種のBSはそれぞれが異なった物性を持つ。MEL-Bは難溶解性のノニオン性界面活性剤である。一方,SFNaは水溶性の高いアニオン性界面活性剤である。ここではそれぞれのBSを用いた化粧品への適用製剤の検討について紹介する。MEL-Bは他のノニオン性界面活性剤と組み合わせることにより,特異な乳化製剤や化粧水の製剤が設計できた。SFNaは他のアニオン性界面活性剤には見られないラメラ液晶形成などの特性を持ち,それを適用することにより乳化物や保湿化粧品の調製が可能であった。

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