オレオサイエンス
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3 巻, 1 号
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総合論文
  • 山田 淳
    2003 年3 巻1 号 p. 9-17,7
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ルテニウムトリスビピリジン錯体 (Ru錯体) を電子供与体, ビオローゲンを電子受容体とする光誘起電荷分離対を中心として, これらを高分子薄膜に固定した系や自己集合単分子膜の系を構築することにより, 光-化学, 光-電気エネルギー変換への展開を図った。両親媒性のRu錯体やビオローゲンをドープした高分子薄膜を水面展開法により作製した。膜表面に固定されたRu錯体は光触媒活性を示した。一方, バルク中のRu錯体から膜内のビオローゲンへの電子移動が認められ, 光エネルギー変換膜としての有用性が示された。
    自己集合法を用いて電極表面にRu錯体-ビオローゲン単分子膜を形成し, 光電変換へ応用した。連結分子について, 光電変換効率がD-A-電極間距離やD : A比に大きく依存することを明らかにした。また金ナノ粒子を用いる三次元集積化や表面ゾル-ゲル法との組み合わせによる光電変換システムについても提案した。
  • 長村 利彦
    2003 年3 巻1 号 p. 19-28,7
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    種々の膜を用いた光エネルギーの化学的・電気的・光的変換についてまとめた。光誘起竃荷分離後の逆反応は, 水溶液中の分子集合体界面電場, ミセルなどへの取り込み, メディエーターの利用, 電子交換相互作用による電子のみの拡散などにより効率的に抑制できた。単分子累積膜によりクロモフォアの配列・配向・相互作用を制御し, 増幅消光, 過渡光電流制御などを実現した。金属薄膜上に形成した色素を含む高分子薄膜の反射率の入射角依存性は導波モードによる鋭いディップを示す。その極小値あるいは極小角は高分子薄膜の光励起に伴う複素屈折率変化によって, 二次元・高速かつ全て光で制御できた。このようにして光機能性膜は, これからの地球規模でのエネルギーおよび環境問題あるいは種々の光情報変換を通じて人類の福祉に大きな寄与が期待される。
  • 池田 篤志
    2003 年3 巻1 号 p. 29-34,8
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    [60] フラーレン (C60) を代表とするフラーレン類は特異な電子構造が注目され, 半導体, 超伝導, 光電変換, 導電材料, 医療材料など様々な応用が期待されている。しかし, (i) 極性溶媒に対する溶解性の低さ, (ii) 光二量化などの副反応の存在, などの問題点を抱えている。これらの問題点を解決するため, ホスト-ゲスト包接錯体を形成させ未修飾C60の水溶化を行った。さらに, この水溶化された包接錯体がDNAの光切断試薬として機能することを確認した。この包接錯体は電極上に並べることにより, 光電変換素子としても機能することが明らかとなった。これらの機能は, いずれもカチオン性のホストゲスト包接錯体がアニオン性のDNAや電極上に静電相互作用によって集積されたことにより発現したものである。さらに, 光機能性分子を材料に適用する上で, 包接錯体を形成することによる孤'立化の効果が確認できた。今後, ホストゲスト包接錯体の利用によって, より複雑な系を構築することが容易となると予測され, 様々なナノテクノロジーやセンシングシステムにおける超分子デバイスの開発に包接錯体の導入は有効な手段となるものと期待される。
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