オレオサイエンス
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13 巻, 2 号
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総説
  • 高田 十志和
    2013 年 13 巻 2 号 p. 57-65
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    最近注目を集めている,架橋点におけるポリマーの可動性を特徴とするロタキサン架橋(空間結合架橋)構造をもつゲルに焦点を当て,特にゲル化剤の観点からその合成法をまとめた。また,温度応答性やリサイクル特性を示すゲルへの応用とその特徴について述べ,ロタキサン架橋構造の意義について議論した。
  • 英 謙二
    2013 年 13 巻 2 号 p. 67-72
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    オイルゲル化剤の最近の展開と応用について述べた。まず,低分子化合物による溶液の物理ゲル化と溶液からの結晶化について,その類似性を説明した。結晶化は分子が分子間相互作用により三次元的に秩序性のある完全な配列をするために溶媒から相分離する現象であり,物理ゲル化は2次元的な配列で繊維状の会合体が網目構造を形成し,その空隙に溶媒を絡めこむために起こる。結晶化もゲル化も原動力は共に水素結合やファンデルワールス力,静電的相互作用,π-π相互作用などの協同的な非共有結合的相互作用であることを述べた。
    次に,“ゲル化駆動セグメント” という概念を述べ,官能基を含むゲル化駆動セグメントから様々な機能性ゲル化剤が容易に合成できることを示した。
    ポリマーやオリゴマーは分子量分布や屈曲鎖の運動により結晶化しない。この性質を利用して半永久的に安定なゲルを形成するゲル化剤の開発について述べた。ゲル化駆動部位をポリマーの一部に共有結合を介して付加させることにより,安定なゲルを形成するポリマー型ゲル化剤を開発した。極性油としてグリセリド,非極性油として流動パラフィン,シリコンオイルとしてデカメチルシクロペンタシロキサンを選び,三成分混合溶媒系でのゲル化挙動を調べた。
    最後に,環状ジペプチドをゲル化駆動セグメントとするポリマー型ゲル化剤の示す特異なチキソトロピー性について述べた。
  • 鈴木 挙直
    2013 年 13 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    デキストリン脂肪酸エステル及びイヌリン(及びフルクトオリゴ糖)脂肪酸エステルは油のゲル化剤として主に化粧品用途に利用されている。糖の種類,脂肪酸の種類とその組合せを変えた糖脂肪酸エステルの油ゲルは,ゲルの硬さ,チキソトロピー性,透明性などに影響する。
  • 増渕 祐二
    2013 年 13 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    ワックス結晶の立体構造中に油剤が保持されたワックスオイルゲルは,口紅を代表とする化粧品製剤に幅広く応用され,その有用性は非常に高い。本稿では,口紅特性に影響を与えるワックスオイルゲル構造に関する新たな知見について報告する。また,新規高分子量非晶性ポリマーを用いて,微細かつ均一にゲル構造をコントロールした口紅の高機能性について紹介する。
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