逆相分配クロマトグラフィーにおける高度不飽和グリセロ脂質分子種の保持容量 (保持時間) を支配する因子, および隣り合うグリセロ脂質分子種の分離度を支配する因子を明らかにし, それらを応用することによって水産グリセロ脂質の内, とくにリン脂質の分子種を同定し, その特徴を明らかにした。次いで, 水産グリセロリン脂質の主要分子種であるDHA結合型リン脂質分子種を合成し, その有用機能の一端として抗腫瘍性物質に対する機能促進性を明らかにするとともに, それを応用したリボソームも作成し, その抗腫瘍性からみた有用性についても評価した。

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乳化剤 (界面活性剤など) を使用せずに, 超音波を用いて調製された水中油滴型エマルション (サーファクタントフリー0/Wエマルション) の分散安定性, 油滴成長過程について検討した。その結果, 長鎖炭化水素からなるサーファクタントフリー0/Wエマルションは分散安定性が高いことが分かった。また, 少量の長鎖炭化水素や疎水性ポリマーを短鎖炭化水素に混合すると, 油滴の分散安定性が飛躍的に向上することが見出された。本稿では, これまで得られたサーファクタントフリーエマルションに関する成果について, とくに, (i) サーファクタントフリー油滴の分散安定性と成長過程, (ii) 油滴成長過程検出のための単一液滴検出法の開発, (iii) 油滴の分散安定性向上へのアプローチ (2種炭化水素の混合, 低周波数-高周波数超音波の併用など), (iv) ナノ-マイクロスケール材料合成への応用について紹介する。

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