オレオサイエンス
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16 巻, 1 号
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特集総説論文
  • 屋 宏典, 稲福 征志, 齋藤 星耕, 福田 雅一
    2016 年16 巻1 号 p. 7-19
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー

    イソプレンとは植物が強い光や高い温度に曝されたときに,光合成系から供給されるDMAPPを基質として,イソプレン合成酵素(ISPS)の作用により生成される炭素数5の揮発性有機化合物である。 イソプレンは光合成の場である葉緑体のチラコイド膜を安定化することにより,強光や高温による光合成反応の阻害を防止すると考えられている。その一方において反応性が高く,大気中においてメタン等の温暖化ガスの酸化分解にかかわる大気成分であるオゾンやヒドロキシラジカルと容易に反応してこれを消費し,間接的にメタン分解を抑制すると考えられている。従って,イソプレンの放出の制御は大気化学的側面ばかりでなく,温暖化ともからんで地球規模で重要な問題である。イソプレン放出は一義的には温度と光強度に依存しており,これまで特定の光や温度条件下におけるイソプレン放出量の推定には温帯樹木のデータを基にして構築された予測式が用いられてきた。しかしながら,筆者等は熱帯樹木の温度応答性が温帯植物とは異なる可能性を指摘してきている。このことは熱帯樹木のイソプレン合成と放出の調節機構が温帯樹木とは異なることも示唆している。本稿においては,断片的ではあるが著者等の研究室においてこれまで明らかにされてきた熱帯植物におけるイソプレン合成の調節機構とこれらの応用の可能性について紹介する。

  • 山城 秀之
    2016 年16 巻1 号 p. 21-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー

    刺胞動物のイシサンゴ類の中で,褐虫藻と呼ばれる単細胞共生藻を持つものは有藻性サンゴあるいは造礁性サンゴと呼ばれ,褐虫藻の光合成産物を得て成長が早く,サンゴ礁の形成に貢献する。サンゴ類は,褐虫藻の光合成産物あるいは動物プランクトンなどを摂取し,脂質の形でエネルギー源を貯蔵する。 軟組織に占める脂質の割合は約30%(乾燥重量%)を占める。主要な貯蔵脂質は,ワックスエステルとトリアシルグリセロールで,それら貯蔵脂質の割合がサンゴの健康状態や環境変動の影響を計る指標になる。 例えば,褐虫藻密度の低下する病的な骨格過成長部あるいは近年の高水温による白化現象で褐虫藻の抜けたサンゴでは,貯蔵脂質が激減することがわかってきた。サンゴの脂質を調べることにより,サンゴの健康状態あるいは周辺環境の変化を把握することができる。

特集トピックス
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