オレオサイエンス
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11 巻, 12 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
学会賞・進歩賞受賞総説論文
  • 宮澤 三雄
    2011 年 11 巻 12 号 p. 463-480
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2013/07/18
    ジャーナル フリー
    植物から得られる油には, 不揮発性の油脂と揮発性の精油がある。筆者はとくに精油を取り上げ, その主な構成分子であるテルペノイドのヒト代謝に関与するCytochrome P450分子種の決定から精油構成分子が示す特有の代謝様式を明らかにしてきた。また, アセチルコリンエステラーゼ阻害活性, 高選択的シクロオキシゲナーゼ2阻害活性およびDNA変異抑制作用などの現代病発症の予防と治療に関わる多種の生体内機能性を見出した。さらに, この研究を支えた各種生体触媒による精油構成分子の変換によるヒト体内動態物質の量産化の研究では, 多数の天然型新規物質を産生し, 種差間特異的反応の解明など生体触媒反応の有効性と精油構成分子の香気特性解明研究の技術的基盤を提示した。
  • 鷺坂 将伸
    2011 年 11 巻 12 号 p. 481-490
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2013/07/18
    ジャーナル フリー
    超臨界流体になった二酸化炭素は, 有機溶媒に似た物質溶解能力を現すようになる。無毒, 不燃性, 環境調和, 低コスト, 豊富に存在するといったCO2のメリットもあり, 有害有機溶媒の代替物質として多くの人の関心を集めている。また, 超臨界流体の特性 (調節可能な溶媒力, 速い物質輸送特性, 低表面張力など) も超臨界CO2の魅力として加わり, 超臨界CO2の利用が活発に進められている。しかし残念ながら, CO2は, ファン・デル・ワールスカがかなり弱いため, 不揮発性の極性物質に対しては貧溶媒である。これに対し, 超臨界CO2中に極性溶媒の水を安定に分散したW/CO2マイクロエマルション (W/CO2μE) が形成できれば, 物質の極性を問わず利用できる万能溶媒になると期待される。本総説では, 超臨界CO2中で効率的に水を分散させる界面活性剤の構造, 形成したW/CO2μEの相挙動とナノ構造, さらには応用についても紹介させていただく。
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