オレオサイエンス
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7 巻, 8 号
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総説
  • 金沢 和樹
    2007 年7 巻8 号 p. 317-325
    発行日: 2007/08/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    植物性食品には多様なポリフェノールが含まれている。その機能は抗酸化能とタンパク質機能調節作用である。有効な抗酸化能を示すポリフェノールはその化学構造にカテコール構造をもつものである。タンパク質機能調節作用は酵素, 受容体, 情報伝達タンパク質などに作用してその機能を調節する効果であるが, これはポリフェノールの立体化学構造によって標的タンパク質が3群に分類される。フェニルプロパノイド類は薬物代謝系の第2相酵素誘導系に, フラボン, フラボノール, アントラキノン類はアリール炭化水素受容体などに, イソフラボンやフラバノン類はエストロゲン受容体などに作用する。ところで, ポリフェノールは非栄養素なので, 体内吸収時にそのほとんどが抱合反応で不活性化される。しかし, 小腸での吸収系を理解して, ポリフェノールを組み合わせるなどのデザインをすれば, 体内で有効な抗酸化能やタンパク質機能調節作用を発揮するポリフェノールを見出すことができる。ここではその機能性を発掘する戦略も議論したい。
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