タンパク質は金属表面に強固に吸着する場合が多く,食品・医薬品製造工程における汚れの原因となりうる。筆者はこれまでタンパク質の金属表面に対する吸着挙動と吸着タンパク質の効率的な除去手法について検討してきた。これまでの結果,タンパク質の金属表面への不可逆的な吸着にはタンパク質の酸性アミノ酸残基のカルボキシル基と金属表面のカチオン化した水酸基の間の静電的相互作用が大きく寄与していることを明らかにした。また,過酸化水素の電気分解によって発生する水酸化ラジカルを利用する新規洗浄手法(H
2O
2-電気分解洗浄)を考案し,その有効性を検証するとともに,H
2O
2-電気分解洗浄によるタンパク質除去特性について検討した。
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