多成分界面活性剤溶液の臨界現象について, カチオン系界面活性剤BTDAB, 非イオン性界面活性剤C
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7, アニオン性界面活性剤SDSを試料として光散乱, 濁度, 粘度, 相図から検討した。臨界異常の解析はくりこみイジングモデル, ならびに2重臨界挙動に焦点をあてて行った。いずれの場合も, くり込みイジングモデルの妥当性が明確に示された。SDS/Butanol/NaCl/waterの系では, ループ型の相図が得られ, 2重臨界点の出現が確認できた。また, 2重臨界点の近傍では, 臨界指数値が2倍になるという理論的予測を裏付ける結果が得られ, 2重臨界性を考慮した臨界普遍性の妥当性を実証した。動的臨界挙動については, ミセルサイズの有限性を考慮した修正クラスターモデルにより矛盾なく再現できることが示された。
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