オレオサイエンス
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2 巻, 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
総合論文
  • 長田 恭一, 山田 耕路
    2002 年2 巻5 号 p. 249-256,247
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    動物性加工食品のコレステロールは加工段階あるいは加工後の保存過程で酸化されやすい。内因性の酸化コレステロールは多くのin Vitro研究によって, ステロール生合成の阻害, 細胞毒性, あるいは動脈硬化誘発等の有害な作用を有していることが明らかにされている。しかし, 食事由来の外因性酸化コレステロールの影響に関しては不明な部分が多い。この総合論文では, 種々の加工食品に存在する酸化コレステロールのレベル, 食事由来酸化コレステロールの代謝や細胞機能に及ぼす有害な作用について述べる。
  • 山崎 慎司, 小沢 直記, 渡部 烈
    2002 年2 巻5 号 p. 257-265,247
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    生体内に種々のコレステロール (Ch) 酸化成績体が検出され, その毒性学・生理学的意義が報告されてきた。本稿では, まずCh7α-および7β-ヒドロペルオキシドに注目し, 1) その高感度分析法の確立, 2) ラット皮膚中総Ch7-ヒドロペルオキシド (Ch7-OOH) が加齢マーカーとなりうること, 3) 総Ch7-OOHが生体内脂質過酸化反応のマーカーとなりうることを紹介する。次いで, 4) 光増感剤フェオフォルバイドa投与ラットへの可視光照射により, その皮膚中にCh5α-ヒドロペルオキシドが生成することを明らかにすることにより, 生体系で一重項酸素が生成すること示す。さらに, 5) 癌原性が示唆されるCh5, 6α-および5, 6β-エポキシドを生成する脂質過酸化反応の機構解明について紹介する。
  • 前場 良太
    2002 年2 巻5 号 p. 267-274,248
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    酸化コレステロールは, ヒト動脈硬化巣や, 血漿中の動脈硬化惹起性の低密度リポタンパク質 (LDL) サブフラクション中に多量に存在することから, 動脈硬化の発症・進展への関与が推測されている。ヒト動脈硬化巣や循環血中で最も多く検出される27-Hydroxycholesterolは, 胆汁酸への異化過程で酵素的に生成する酸化コレステロールで, 動脈壁のような末梢組織からの過剰なコレステロールの排泄に関与している。一方, フリーラジカルの関与で生成する酸化コレステロール (C-7, C-5, 6酸化生成物) は, 細胞内コレステロール代謝 (合成, 取込み, エステル化, 排泄) や血管への影響 (反応性, 傷害性) から, 動脈硬化惹起性であると思われる。しかし, 現在までのところ, 酸化コレステロールがヒト動脈硬化を促進するという直接の証拠は得られていない。
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