オレオサイエンス
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4 巻, 2 号
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総説
  • 村田 耕一郎
    2004 年4 巻2 号 p. 57-62
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    人類の知恵は, 各種の化学物質を作り出し, これらは人類の生活を豊かにすることに大いに貢献した。今日の塗料は, これらの化学物質を多く組み合わせて構成されている。塗料の原料は, 天然のもの, 化学的に合成されたものを合わせて, 数千種類にも上がる。過去の歴史における技術の加速度的な進歩は, 人類の生活を大いに向上させたが, いまや地球の環境に悪影響を及ぼすに至った。化学物質による大気や水の汚染, 酸性雨による森林や湖沼への悪影響, フロン化合物によるオゾン層の破壊, さらには大気中の炭酸ガス濃度の上昇による地球の温暖化など多くの問題が認識されている。
    塗料は, 昔から人々の生活のあらゆる場面で活用されてきた。塗料は物体を保護して長持ちさせ, 結果的に資源の保護に寄与しているし, 物体を美しくすることによって心理的な面で生活環境を良くしてきた。しかし一方では, 塗料自身が環境を汚染する要素をもっている。これらの矛盾を解決することが, 今日の塗料技術者にとっての大きい課題の一つである。
    塗料は社会のいろいろな分野で利用されているので, その社会の発展, 特に工業化の進展に伴って規模を拡大してきた。また, それぞれの時期に社会のさまざまなニーズに対応してきた。現在の塗料に対する主なニーズを挙げると, 次のようになる。
    (1) 環境保護対策, 資源とエネルギーの節約
    (2) 塗膜性能の高度化, 塗膜の外観とデザインの向上
    (3) 新しい機能性塗料
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