オレオサイエンス
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3 巻, 12 号
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受賞論文
  • 阿部 正彦
    2003 年 3 巻 12 号 p. 643-652,641
    発行日: 2003/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    炭化水素系, フッ化炭素系, ハイブリッド系などの種々の界面活性剤の溶液物性とコロイド次元分子集合体が, 界面活性剤単独ミセルと可溶化, 界面活性剤混合ミセルと可溶化, マイクロエマルション, エマルションと乳化, ベシクル, リボソーム, サーファクタントフリーエマルションの項目別に述べられている。
  • 杉田 陸海
    2003 年 3 巻 12 号 p. 653-661,641
    発行日: 2003/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    複合脂質 (リン脂質および糖脂質) は, 植物をはじめ, 微生物から哺乳動物に至るまで広く生物の細胞表面に分布する化学物質であり, 生命現象の各局面では種々の機能発現に深く関わっている。特に高等生物においては, 発癌メカニズムの解明における細胞表面糖脂質構造の劇的な変貌や, 新型糖脂質による新しい免疫システムの制御が重要視されている。また, 複合脂質の構成成分であるセラミドや長鎖塩基についてもそれらの生理的機能が明らかにされ, 注目を集めている。我々は, 地元の琵琶湖に産する貝類を研究材料の出発点とし, その後, 無脊椎動物, 特に前口動物種について, 動物進化の系統樹に沿って研究対象とする動物種を拡大しながら, それらの動物が含有する複合脂質, 主としてセラミド型脂質 (スフィンゴ脂質) の化学構造の解明に力点を置きながらそれらの体系化を目指して現在に至っている。今までに手掛けた動物種は, 軟体, 節足, 環形, 袋形, 触手, 腔腸, 棘皮および原生動物に及んでいるが, これらより数多くの珍しい複合脂質を単離し, それらの化学構造を決定している。本稿では, 1.複合リン脂質の構造に関する研究, 2.複合糖脂質の構造に関する研究, 3複合脂質の免疫化学的研究, 4.複合脂質の調製および分析方法に関する研究, について筆者らの研究を概説した。
  • 北本 大
    2003 年 3 巻 12 号 p. 663-672,642
    発行日: 2003/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    バイオサーファクタント (BS) は, 微生物によって作り出される両親媒性の機能性脂質である。BSは, 優れた界面活性や高い生分解性を示すばかりでなく, 様々な界面で合成界面活性剤とは異なる挙動, 機能を発現する。マンノシルエリスリトールリピッド (MEL) は, 酵母によって大量に生産される糖脂質型のBSである。MELは, 優れた自己集合特性 (表面・界面張力低下能, 巨大ベシクル形成能) を示すばかりでなく, 抗微生物活性や動物細胞に対する分化誘導活性も有している。MELは, 氷粒子に対して優れた凝集抑制効果を示すため, 氷スラリーを利用した冷熱蓄熱システムの高効率化にも有効である。さらに, ヒト抗体に対して高い結合性や結合容量を示すことから, そのアフィニティ分離担体としての利用の可能性もある。最近, MELを組み込んだリボソームが, 腫瘍細胞に対して非常に高い遺伝子導入効率 (リボソーム法としてはこれまでの最高レベル) を示すことが判った。このように糖脂質型BSは, 環境適合性と多機能性を併せ持つため, グリーンテクノロジーばかりでなく, ナノテクや先端医療技術など幅広い産業分野で, その機能利用が期待される。
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