オレオサイエンス
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13 巻, 12 号
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学会賞・進歩賞受賞総説論文
  • 川瀨 德三
    2013 年 13 巻 12 号 p. 573-585
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    界面活性剤は界面において様々な機能を発揮する物質であり,その化学構造と機能との関係は学術的にも実用的にも非常に重要である。本稿では,表面におけるRf基の配向を制御して緊密にパッキングすることを目標として,「Rf基と導入点の間にメチレン鎖を挿入したセミフルオロアルキル基(Semi-Rf)を多鎖型で有する」を新たなコンセプトとして提起するとともに,両端にRf基を有する含フッ素オリゴマー型界面材料,Semi-Rf基を二鎖型で側鎖に導入したポリマー型表面改質剤,Semi-Rf基を二鎖型で有するGemini型界面活性剤の開発に関する筆者の研究成果を概説した。さらに,環境適応型の界面活性剤として,コリノミコール酸,Gemini型界面活性剤の開発,ならびに酒石酸型Geminiやコハク酸型Geminiにおける分子の立体化学と界面機能との関係についても述べた。
  • 吉村 倫一
    2013 年 13 巻 12 号 p. 587-597
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    近年,従来の単鎖型界面活性剤の性能の向上および機能性の発現を目指して,さまざまな構造の新規界面活性剤が分子設計されている。その一つであるジェミニ型界面活性剤は,単鎖型と比べて低い臨界ミセル濃度(CMC)や高い表面張力低下能などの優れた界面活性を有し,水溶液中でプレミセル形成や自発的ベシクル形成などユニークな会合挙動を示すことが知られている。本稿では,3タイプの新規界面活性剤,(1)ジェミニ型のさらなる性能の向上を期待して設計した分子内に異種の親水基または疎水鎖をもつ非対称構造のヘテロ・ハイブリッドジェミニ型界面活性剤,アミノ酸や糖を有する環境適合のジェミニ型界面活性剤,(2)ジェミニ型を延長した構造の四級アンモニウム塩タイプのトリメリック型界面活性剤,(3)鎖長18~22のアルキル鎖と2または3つの親水基を有する超長鎖型界面活性剤,の分子設計・合成とCMCや表面張力などの基礎物性ならびに水溶液中で形成する会合体の特性について紹介する。
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