耳鼻咽喉科展望
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48 巻, 4 号
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  • 肉芽腫, 沈着症 (II)
    西山 茂夫
    2005 年 48 巻 4 号 p. 212-213
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 吉田 茂, 石井 正則, 須藤 正道, 中村 将裕, 近澤 仁志
    2005 年 48 巻 4 号 p. 214-220
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    空間識を形成する感覚系のひとつとされる耳石器に正弦波状の直線加速度刺激を一定方向に連続負荷することで, 空間の認識, 特に重力軸と水平軸の認知に与える影響を検討した。
    装置は宇宙開発事業団 (現, 宇宙航空研究開発機構) の直線加速度負荷装置を用いた。方法は臥位にした被験者のZ軸方向 (体軸方向 : 主に球形嚢刺激) とY軸方向 (左右水平方向 : 主に卵形嚢刺激) に, それぞれ連続かつ反復負荷した。重力軸と水平軸認知の計測法は, 被験者の正面の壁に液晶ディスプレイで2点を投影し, この2点をジョイスティックの操作で被験者に回転させた。そして重力軸方向と水平軸方向を示させ, 重力軸と水平軸それぞれの角度誤差を計測した。計測した角度誤差よりZ軸方向負荷, Y軸方向負荷が重力軸方向と水平軸方向の認知に与える影響を検討した。
    結果としては重力軸認知に関しては, 体軸方向負荷のほうが左右水平方向負荷よりも角度誤差が大きくなる傾向を示した。水平軸認知に関してはZ軸方向負荷とY軸方向負荷で差を認めなかった。Z軸方向負荷は, 主に重力軸方向のセンサーである耳石器 (主に球形嚢) に直線加速度刺激を反復したことになり, その結果, 重力軸の認知が低下したと考えられた。このことから, 耳石器は空間識形成に関与している可能性が考えられた。
  • 反復性中耳炎, 遷延性中耳炎, 難治性滲出性中耳炎を中心に
    上出 洋介
    2005 年 48 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科診療所を受診する小児中耳炎のうち反復性, 遷延性, 難治性滲出性中耳炎罹患児を中心に鼓膜弛緩部の変貌について検討した。観察には鼓膜内視鏡とCCDカメラならびに専用の画像ファイリングコンピュータを用いた。
    対象症例は240名で, 1年におよぶ治療を継続し, 少なくとも3年以上経時的に追跡している症例とした。弛緩部陥凹評価はTosの分類を用いた。
    結果
    1.Tosの病型分類に基づいて0-IV型に分類した結果, 初診時0型は43.4%, I型は36.0%, II型は16.4%, III型は4.0%, IV型は0真2%であった。終診では, 0型は40.9%, I型は39.0%, II型は148%, III型46%であった。IV型は初診時1例 (0.2%) に見られ, 終診でもこの症例のみに見られた。
    2.弛緩部陥凹の改善についてはII型までであれば中鼓室の改善に伴って正常位置に回復する場合もあるが, III型になると改善が見込めないことが多い。
    3.III型でダウン症候群や口蓋裂の子供たちが多く含まれることから, III型にいたる症例の背景には潜在的に耳管機能不全があるものと推測される。
    4.今回の調査では弛緩部型真珠腫を形成する症例は見られなかった。
  • 須田 稔士, 石井 彩子, 福田 佳三, 歌橋 弘哉, 石井 正則
    2005 年 48 巻 4 号 p. 230-235
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    症例は19歳男性。術後9日目より発熱, 鼻汁, 咽頭痛等の上気道炎症状を認め, 腹痛, 嘔吐, 関節痛, 蛋白尿と次々と全身症状が出現したため診断に苦慮した。その後紫斑が出現, 皮膚生検によりアナフィラクトイド紫斑病の診断に至った。ステロイドパルス療法, 第皿因子の補充療法により症状の軽快を得た。現在全身症状の改善を認め, 外来経過観察中である。
  • 難聴の遺伝カウンセリング
    齊藤 優子, 田中 里江子, 硲田 猛真, 間 三千夫, 船越 宏子, 池田 浩己, 芝埜 彰, 輿田 茂利, 夜陣 真司, 北野 博也, ...
    2005 年 48 巻 4 号 p. 236-241
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    Waardenburg症候群は内眼角と涙点の側方偏位, 広く高い鼻根, 正中部眉毛過形成, 虹彩異色症, 先天性感音難聴, 前頭部白髪の6主徴を特徴とする常染色体優性遺伝形式をとることが多い遺伝性疾患である。本邦でも多くの報告がなされているが症状の発現や程度は様々である。今回, 新生児聴覚スクリーニング検査から発見されたWaardenburg症候群1型の2例 (父子症例) を経験し, 遺伝カウンセリング, 聴力所見を中心に難聴の浸透率や難聴の表現型などについて検討した。父子の症例であるが感音難聴, 虹彩異色の発現及びその程度に違いが認められた。父親には難聴はみられなかったが, 患児は暗一側性の高度難聴を認めた。
  • 春日井 滋, 犬飼 賢也, 肥塚 泉
    2005 年 48 巻 4 号 p. 242-245
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 優れた有効性とその製法
    榎本 仁司
    2005 年 48 巻 4 号 p. 246-252
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    一般の治療に抵抗し経過が遷延する難治性の外耳道炎・鼓膜炎38例53耳を日本薬局方に則って作製した7-8%ブロー液 (酢酸アルミニウム液) にて治療した。
    全38例からMRSA, 緑膿菌, β-lactamase (+) 黄色ブドウ球菌, 真菌など菌交代現象に関連する菌種がいずれも高率に検出され, 難治性の理由が納得できた。
    ブロー液はいずれの菌種にも平均して優れた治療効果を示し, 53耳中治癒36耳 (67.9%), 有効8耳 (15.1%), 不変9耳 (17.0%) であった。
    菌種別では, 特にMRSAと緑膿菌の治癒率が高く, 真菌に対しても高い効果があることが判明した。そして効果の発現も早い例が多く, かつ点耳時の刺激や疼痛はほとんど見られなかった。
    この極めて有効な点耳薬を多くの耳科医に奨めたいと思い, 筆者の実行している製法を記載した。
  • 遺伝性難聴の原因解明をめざして
    渡辺 美智子
    2005 年 48 巻 4 号 p. 253-258
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    聴覚障害に対する治療を目的とした基礎研究が現在, どこまで進んでいるのかについては詳しい解説が耳鼻咽喉科展望第48巻第2号 (2005年4月発行) に掲載され, 分子レベルでの内耳構造・機能に影響をおよぼす因子や遺伝子解析等の状況が示されている。本稿では, 聴覚障害の中でも, 遺伝性難聴の治療・研究に有用な新規難聴モデルマウス系の樹立とその特徴, および現在までに明らかになった解析結果等について述べる。
  • 尾尻 博也
    2005 年 48 巻 4 号 p. 259-260
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹
    2005 年 48 巻 4 号 p. 261-263
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 五島 史行, 浅間 洋二
    2005 年 48 巻 4 号 p. 264-266
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    目的 : 医療機器の購入を検討する際には様々な問題がある。日常業務の中でカタログを吟味することが難しい, 病院の納入業者によってメーカーが限定される, 価格競争があまりないことなどである。ユーザーからの比較検討を目的にした。
    方法 : 2~3mmの耳内視鏡, カメラシステムを使用し左鼓膜などを撮影し画像をweb上に公開した。この画像を20名でレーティングした。
    結果 : 一般に直径の太い内視鏡ほど視野角も広く画像の歪みが少ない良好な画像が得られた。
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