耳鼻咽喉科展望
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36 巻 , 2 号
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  • 五十嵐 眞
    1993 年 36 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 金沢 博俊
    1993 年 36 巻 2 号 p. 121-132
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は鼻茸がアストグラフによるメサコリン鼻誘発試験に強い陽性反応を呈することを既に報告してきたが, その成因と本体については未だ不明な点が多い。そこで今回著者は, 当科の鼻茸症例をアレルギー検査陰性と陽性の症例に分類してメサコリン鼻誘発試験を施行したところ, フロー・ボリューム検査にて有意差がみられた。また鼻茸摘出術後の症例では, 下気道の経時的なメサコリン過敏性の変化の推移をフロー・ボリューム曲線の変化で検討したとこ, 鼻茸摘出術は積極的に施行した方が良いと思われる結果となった。
  • 江崎 史朗
    1993 年 36 巻 2 号 p. 133-141
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    片側性上顎洞陰影陽性症例の診断は, 常に慢性副鼻腔炎と悪性腫瘍をはじめとする特殊性疾患との鑑別を念頭におき検討することが重要である。そこで, 日常臨床における診断の一助としてX線所見上で骨欠損の明らかでない片側上顎洞に陰影を認めた成人例90症例に上顎洞穿刺洗浄細胞診を行い, 本法の有用性ならびにその意義について検討した。
    その結果, 上顎洞早期癌 (3例), アスペルギールス症 (2例) の診断を本法によりいち早く下しえた。上顎洞洗浄は, そもそも治療法の一つであり, その洗浄液を用いた細胞診は細胞像の特徴より悪性腫瘍細胞の診断を得るのみならず, アスペルギールス症の菌糸所見, シャルコールライデン結晶やヘルペスウィルスの感染細胞像など多彩な所見が明示されることが他の診断法では得られない利点であった。
  • 菊屋 義則
    1993 年 36 巻 2 号 p. 142-150
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    滲出性中耳炎は耳鼻咽喉科診療の中でも比較的多い疾患である。その治療法としては鼻処置, 鼻咽頭処置, 鼻ネブライザーを行いつつ耳管通気が行われ, 滲出液の残存する症例に対しては外科的治療法として鼓室穿刺, 鼓膜切開, 鼓室チューブ留置術などが行われている。しかし, 各々の治療法もその効果持続時間に制限があり対症療法といわざるをえず, 個々の症例を完治までもっていくには長時間を要する。そこで著者は鼓膜切開の後, 滲出液を吸引し, 切開後の穿孔より鼓膜穿刺針を用いてステロイド (デカドロン ® 0.5cc) を鼓室内に注入する方法を行っているので, その治療成績を報告する。
  • 関 守広, 谷川 譲, 池田 敦子, 宮坂 宏恵, 奥野 秀次
    1993 年 36 巻 2 号 p. 151-157
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    初診時突発性難聴を疑い, 精査中, 症状が急速に悪化し, 両側高度感音性難聴となり, 他の脳神経症状も合併し死亡した膀胱癌 (移行上皮癌, grade III) を原発とする転移性側頭骨腫瘍症例を経験した。
    患者は53歳, 男性, 左難聴出現, 他院にて入院し左突発性難聴と診断されステロイド治療が行われたが改善せず退院。その後, 右難聴も出現し精査加療のため当院入院。耳鼻咽喉科一般検査では異常を認めなかった。聴力検査では高度の両側感音性難聴が認められた。ステロイド治療を開始したが, 聴力は治療に全く反応せず, 悪化の一途をたどりふらつきも増強した。頭痛が増強したため髄液検査を施行し, これにより, 原発不明癌, 側頭骨転移と診断した。原発について検索を行ったが確定できず, 剖検にて初めて原発巣の膀胱癌が発見された。悪性腫瘍が側頭骨に転移をおこすことは稀ではないが, 原発巣としては, 乳癌, 肺癌などであり, 膀胱癌を原発とする症例は少ない。今後, 悪性腫瘍の治療が進歩して延命効果が向上すれぼ, 後から転移症状が現われるためにこのような例が多く見られるようになると思われる。今回その臨床経過, 症状, 側頭骨の病理所見に文献的考察を加え報告した。
  • 加知 賢次郎, 櫻井 尚夫, 高山 孝治, 石塚 洋一
    1993 年 36 巻 2 号 p. 158-165
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頸部リンパ節摘出生検を行った38例について統計的, 臨床的, 病理組織学的に検討し, 診断困難であった4症例 (亜急性壊死性リンパ節炎1例, 転移性リンパ節1例, 悪性リンパ腫2例) について報告した。
    38例の内訳は非腫瘍性病変は15例 (39%) で, 疾患別に見ると単純性リンパ節炎8例, リンパ節結核5例, 亜急性壊死性リンパ節炎2例, 腫瘍性病変は23例 (61%) で, 疾患別では悪性リンパ腫6例, 転移性リンパ節17例である。
    亜急性壊死性リンパ節炎と悪性リンパ腫の鑑別には, 詳細な病理組織学的検討が必要である。転移性リンパ節と診断され, 原発巣が不明の症例には長期的な経過観察が重要である。抗生剤, 消炎剤による治療に抵抗し, リンパ節腫脹の軽減を認めない時は, 積極的にリンパ節摘出生検を行うことが肝要と思われる。
  • 舌根扁桃手術後に生じたと思われる1例
    作本 真, 木村 恭之, 岡部 陽三, 長山 郁生, 古川 仭
    1993 年 36 巻 2 号 p. 166-170
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    舌根扁桃手術後に生じたと思われる稀な咽頭の瘢痕性狭窄症例を報告した。
    症例は38歳男性で, 23歳で口蓋扁桃摘出術, 33歳で舌根扁桃切除術をうけ, 以後声の変化, 嚥下時のつかえ感を認めた。左右の口蓋弓が舌根部と広く瘢痕性に癒着し, 一部は咽頭後壁でも癒着しており, 咽頭が側方と後方からウェブを形成したように狭窄を生じていた。上気道狭窄症状はないが, 軽度の開鼻声があった。狭窄の範囲は広くないため, 接触型YAGレーザーで癩痕を除去しながら, できるだけ咽頭, 口蓋の粘膜を残しrawsurfaceを作らないようにして咽頭狭窄に対する手術治療を行った。術後, 開鼻声や嚥下時のつかえ感は消失し, 2カ月の経過観察で瘢痕化による再狭窄の兆候はみられていない。
    咽頭の瘢痕性狭窄は, 口蓋扁桃, 舌根扁桃の手術の一つの合併症として留意する必要があると思われた。
  • 八代 利伸, 伊藤 裕之, 金子 省三, 部坂 弘彦, 森山 寛
    1993 年 36 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    今回我々は延髄Hemangioblastoma摘出術後に開口, 咀嚼, 嚥下, 発声構音障害を生じ, 全く経口摂取不能となった症例に対し, 耳鼻咽喉科, 形成外科, 歯科の各科協力による手術治療とリハビリテーションを行ったところ, 常食の経口摂取が可能となったのでこれを報告する。
    症例は38歳女性, 平成元年11月に延髄のHemangioblastoma摘出手術を施行した。手術時の舌咽神経, 迷走神経の切断及び手術侵襲による二次的なWallenberg症候群により, 術後片側第5-第12脳神経の麻痺を生じ経口摂取は全く不可能となった。形成外科にて口角閉鎖不全に対する口角牽引術を, 歯科にて顎関節拘縮に対し癒着剥離術を, 嚥下障害に対しては耳鼻咽喉科にて輪状咽頭筋切断術等の手術治療及びリハビリテーションを行った結果, 常食の経口摂取が可能となった。
    本症例のような脳外科手術後に生じた広汎な頭頸部領域の障害に対しては, 障害を総合的に捉え分析し, 治療の方法や順序の選択を行い, 障害発生後早期より各科が協力し, 集学的に治療していくことが重要と考えられた。
  • 添田 一弘, 斉藤 孝夫, 柳 清, 橘 俊郎, 加藤 孝邦, 牛込 新一郎
    1993 年 36 巻 2 号 p. 179-184
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭頸部領域に発生する軟骨肉腫は比較的稀である。今回我々は, 鼻翼軟骨を原発とする軟骨肉腫の1症例を経験したので報告する。鼻翼軟骨を原発とするものは, 本症例が本邦で第2例目である。
    症例は66歳女性。右側鼻出血, 右鼻翼より鼻唇溝にかけての顔面腫脹を主訴とし, 試験切除標本により非上皮性悪性腫瘍の診断のもと放射線療法に続き, 上歯齪部よりのアプローチにて腫瘍摘出術を施行した。
    その後の病理診断にて, 悪性度が高いとされる脱分化型軟骨肉腫であることが判明した。
    軟骨肉腫に対しては, 放射線療法, 化学療法の効果は期待できず, また, 局所の再発率も高いため, 根治的手術, 特に切除範囲の決定に際しては慎重な検討が必要と思われる。
  • 日常診療における対応
    吉田 義一
    1993 年 36 巻 2 号 p. 185-193
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床最前線での嚥下障害患者の取り扱いを概説した。はじめに嚥下運動のメカニズムと関与する神経ならびに筋群を記した。次に嚥下障害を来す疾患を急性的に発症するもの, 徐々に発症するものに分け, 静的障害と動的障害別に分類した。診断は原因となる疾患を追求することにある。それには綿密な病歴聴取が大切で, 次いで随伴症状の検討, 局所所見とX線, 透視検査などで病態がほぼ把握出来る。その他, 補足的に行われている内圧測定, 筋電図検査などに`ついても簡単に触れた。最後に嚥下障害の治療に関し急性的発症例と徐々に発症する例における処置の仕方を述べた。手術は原疾患の病期と嚥下の動態によって考慮される手段で, その方法も若干述べた。
  • Richard A Chole
    1993 年 36 巻 2 号 p. 194-198
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 榎本 雅夫, 硲田 猛真, 新井 宏紀, 横山 道明
    1993 年 36 巻 2 号 p. 199-212
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症患者22例を対象としてbeclomethasone dipropionate nasal spray (ALDECIN ®) をスギ花粉飛散開始前予防的に投薬した群および飛散開始後発症してから投与した2群を比較して, 鼻症状, 鼻腔所見, 鼻誘発反応試験, 鼻汁中好酸球の経日的変動について検討した。その結果は次の通りであった。
    1.スギ花粉飛散中の予防投与群の鼻症状scoreは発症後投与群より有意に低く, 鼻症状発症に対するALDECINの予防効果が認められた。また, 重症度の変化でも予防投与群は, 軽症で経過するものが多かった。
    2.鼻腔所見でも, 下鼻甲介の腫脹, 下鼻甲介の色調, 鼻汁の性状, 水性分泌量で, 予防効果が認められた。
    3.鼻誘発反応試験によりALDECINは鼻粘膜過敏性の充進を予防することを確認し, 鼻汁中好酸球数でも, 予防投与群において有意に増多が抑制された。
    4.症状別score (++) 以上の有症日数の推移では予防投与群において有症日数が有意に少なく, 特に鼻閉の有症日数はゼロであった。
    5.全症例平均で51.3日間投与したが, 安全性上問題となる症例はなかった。一般臨床検査でも異常変動は認められず, また本剤に起因する副作用は1例も認められなかった。
    以上のことから, ALDECINはスギ花粉症の予防に対して優れた臨床効果が期待でき, 発症後の対症療法薬としてだけでなく, 予防薬としても有用性の高い薬剤であると結論した。
  • 至適用量の検討
    奥田 稔, 海野 徳二, 金井 直樹, 畑山 尚生, 袴田 勝, 高坂 知節, 柴原 義博, 稲村 直樹, 白土 正人, 遠藤 里見, 佐々 ...
    1993 年 36 巻 2 号 p. 213-237
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギーに対するペミロラストカリウム (TBX) の至適用量を, 多施設群間比較試験により検討した。投与方法は1回TBX 2.5mg, 5mgまたは10mgを1日2回4週間連続経口投与とした。
    解析対象例は, 5mg/日群 (L群) 65例, 10mg/日群 (M群) 69例及び20mg/日群 (H群) 71例の合計205例であった。最終全般改善度でM群及びH群は, L群に比しU検定にて有意 (p<0.01) に優れていた。各群の「著明改善」の改善率は, L群9.8%, M群12.3%, H群18.5%で用量に相関し改善した。また,「中等度改善」以上の改善率でも, M群58.5%, H群56.9%とL群34.4%に比し高い改善を示し, L群とM群及びH群間に有意差 (p<0.05) を認めた。また, 副作用は205例中6例 (2.9%) に認められたのみであり, 総合的に評価された有用度においても, M群及びH群はL群に比しU検定にて有意差 (p<0.05) を認めた。
    以上の成績により, TBXは1日量10mgまたは20mgでアレルギー性鼻炎に対し有用性が認められ, 至適用量は1日量TBX10mgが妥当と考えられた。
  • 藤岡 治, 高橋 姿, 佐藤 弥生, 浦野 正美, 中野 雄一
    1993 年 36 巻 2 号 p. 238-241
    発行日: 1993/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌剤であるOfloxacinの慢性中耳炎手術例54例に対する有用性, 安全性の検討を行った。耳漏消失日数は術後平均18.8日で, 術後感染は9例16.7%に認められたものの, 術後感染予防効果は82.9%を示した。全症例における有効率は92.6%であった。血清中, 組織内濃度も感染予防に十分な濃度を示した。副作用については1例に皮疹が認められたのみであった。以上のような結果よりOfloxacinは慢性中耳炎の術後感染予防に有用な化学療法剤であると考えられた。
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