耳鼻咽喉科展望
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51 巻 , 5 号
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カラーアトラス
綜説
  • 久 育男, 板東 秀樹, 西尾 健志, 馬場 均
    2008 年 51 巻 5 号 p. 278-285
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    多くの疾患の症状に日内変動が存在し, 治療上問題となることはよく知られている。我々耳鼻咽喉科医も日常臨床で夜間の咳などの症状増悪に苦しむ患者に接し対応に苦慮することも多い。近年概日リズム研究が飛躍的に進展し, 体内時計が遺伝子レベルで構築されており, またこの時計遺伝子が体内時計中枢である視交叉上核のみでなく全身の細胞に発現していることが明らかとなってきた。また, 臨床医学では症状発現の時間や細胞分裂の日内変動などを考慮に入れた投薬を行うクロノテラピーの重要性が認識されつつある。このような背景から我々は喉頭をはじめとする気道における時計遺伝子の発現を調べ, 機能を解明することが気道疾患治療の発展において今後重要となると考え, 気道時計の基礎研究に着手した。本稿では主にこれまでの我々の研究成果について紹介する。
臨床
  • 波多野 篤, 遠藤 朝則, 力武 正浩, 重田 泰史, 宇井 直也, 加藤 孝邦
    2008 年 51 巻 5 号 p. 286-293
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    翼口蓋窩に発生する腫瘍性病変には原発例は少なく, 隣接臓器から浸潤した続発例が多い。翼口蓋窩近傍へ進展した腫瘍に対する手術治療では, これまで解剖学的位置を考慮して様々な皮膚切開および骨切りを組み合わせたアプローチ法が行われてきたが一定のものはみられない。今回, 当科で経験した翼口蓋窩近傍の悪性腫瘍7症例を対象として, 施行された種々のアプローチ法の有用性を検討し術式の選択に関して臨床的検討を行った。
    7症例のうち咀嚼筋間隙原発の1例を除き他の6例は, 鼻副鼻腔, 口腔咽頭, 耳下腺などの周囲臓器から進展した続発例であった。病変の主座に応じて鼻副鼻腔領域から翼口蓋窩に進展したものに対しては前方から, 口腔咽頭領域からのものに対しては下方から, また耳下腺周囲からのものに対しては外側方からのアプローチ法が選択され有用であった。前, 下および外側の各方向から翼口蓋窩にいたるには, 顔面皮膚や顔面神経などの軟部組織の操作と共に上顎骨や下顎骨などの硬組織の操作が必要であり, またアプローチ方向と反対側の術野に制限がみられた。翼口蓋窩腫瘍の手術では, 各アプローチ法の特徴を理解した上で, それぞれの病変の占拠部位や進展範囲に応じて腫瘍の摘出操作が明視下に確実に行うことができるアプローチ法を選択することが有用と思われた。
  • 深見 雅也
    2008 年 51 巻 5 号 p. 294-301
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    副鼻腔炎の診断あるいは治療効果判定の目的で, 上顎洞Bモード超音波検査 (ティッシュハーモニックイメージング) を行い, ウォータース法の結果と比較した。6歳以上では, 両検査は高い相関を示し, X線検査のかわりに超音波検査で副鼻腔炎の診断を行うことが十分可能であると考えられた。しかし, 5歳以下の上顎洞の発育が小さい例では, 偽陰性が避けられず, 超音波検査が陰性であっても副鼻腔炎を否定することはできないため, 症状と鼻内所見もあわせて, 総合的に判断することを忘れてはならない。小児副鼻腔炎の特徴として, 症状の変動が激しく消長を繰り返す例が多い。したがって, 小児副鼻腔炎の診断には, 頻回に侵襲なく行える検査が求められることから, 近年性能の向上した超音波検査は, 有用性を増していると考える。
  • 志村 英二, 飯村 慈朗, 月舘 利治, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2008 年 51 巻 5 号 p. 302-307
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    症例は43歳女性で, 鼻閉, 咽頭違和感を主訴に受診した。内視鏡検査にて上咽頭に後鼻孔を閉塞する巨大な腫瘤性病変を認めた。画像診断上, 嚢胞性疾患が疑われ, 全身麻酔下に内視鏡下嚢胞摘出術を施行した。嚢胞は上咽頭のやや左側に基部を有し, 切開すると暗褐色の貯留液を認めた。病理組織学的検査にて嚢胞壁は線毛上皮に覆われていた。術後1年4ヵ月経過しているが, 嚢胞の再発は認めていない。上咽頭嚢胞疾患に関して, その診断と治療法につき, 文献的考察をまじえ報告する。
  • 高宮 優子, 飯村 慈朗, 今野 渉, 月舘 利治, 深美 悟, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2008 年 51 巻 5 号 p. 308-313
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    64歳男性に左視力障害・左眼痛が出現し, 原因不明の視神経炎と診断してステロイドパルス療法を施行したが改善せずに失明した。5ヵ月後には左外転神経麻痺・動眼神経麻痺が出現しCT, MRIで左眼窩尖端部に骨破壊を伴う腫瘤性病変を認めた。悪性腫瘍を疑い内視鏡下鼻内アプローチにて生検術を施行したところ, アスペルギルスによる浸潤型副鼻腔真菌症であった。抗真菌薬を投与するも真菌感染が頭蓋内まで波及し, さらに全身状態が悪化し死亡した。
    本症例は画像上明らかな異常を認めるまで原因不明の視神経炎として加療された。視力障害の鑑別診断には浸潤型真菌症も念頭におき, 疑いがあれば内視鏡を用いて鼻内アプローチによる生検術を施行するべきである。
境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第9回 耳鼻咽喉科ナビゲーション研究会(手術支援システム研究会)】
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