アレルギー性鼻炎は粘膜のI型アレルギー疾患であり, 発作性反復性のくしゃみ, 鼻水, 鼻づまりを3主徴とすることはよく知られている。アレルギー性鼻炎は, 通年性アレルギー性鼻炎, スギ花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎に大きく分類され, 日常診療において, これらのアレルギー性鼻炎に対し, 抗ヒスタミン薬, 抗ロイコトリエン薬 (抗LTs薬), 鼻噴霧用ステロイド薬, ケミカルメディエーター遊離抑制薬などの薬剤が使用されている。
今回我々は, 2009年度のスギ花粉症に対し, 抗LTs薬であるプランルカストを花粉飛散前から投与した初期療法群, 花粉飛散後からプランルカストを投与した飛散後治療群に分類し, 花粉飛散に伴う症状の増悪に及ぼす影響について検討した。結果, プランルカストによる初期療法は, 花粉飛散ピーク時の症状の増悪を抑制し, 第2飛散期のmedication score, 鼻噴霧用ステロイド薬の使用割合を有意に抑制した。また患者の症状, QOLを含めた総合的な状態を反映するフェイススケールにおいても花粉飛散による悪化を有意に抑制した。以上の結果, プランルカストによる初期療法は有用な手段と考えられた。
抄録全体を表示