耳鼻咽喉科展望
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 口蓋の疾患 (V)
    西山 茂夫
    2003 年 46 巻 1 号 p. 8-9
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 中耳真珠腫に対する術式として
    高橋 姿
    2003 年 46 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当科では中耳真珠腫の再発予防に主眼をおき乳突充填型鼓室形成術を行ってきた。open法に準じた開放された術野で真珠腫を徹底清掃し, 次いで鼓室形成術後に外耳道の再建と清掃乳突腔の充填を行う。その結果, 真珠腫の再発が大幅に予防できた。その後も改良を加えながら成績向上に努めてきたが, 最近では骨パテをフィブリン糊で固定後, 圧迫・脱水した骨パテ板で外耳道後壁を再建し, 骨片と骨パテ板で乳突腔を充填している。本術式の要点と2年以上経過観察できた中耳真珠腫の初回手術症例35耳の成績を提示した。さらに乳突充填型鼓室形成術の問題点と今後の対応について述べた。
  • 上出 洋介
    2003 年 46 巻 1 号 p. 17-30
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    小児急性中耳炎の画像データをもとに0~1歳の中耳炎患児に対してレトロスペクティブな追跡を試みた。今回急性中耳炎の鼓膜所見に対し5段階の病期分類評価を提案した。さらにこの病期分類にもとついた追跡調査結果が整合性と妥当性のあるものかどうかを検証した。
    対象の母集団は3年3ヵ月の問に当院を受診した0~6歳までの乳幼児2,137名で初診時に中耳炎と診断され加療された患児とした。
    [結果] 年齢別罹患頻度は, 急性中耳炎は0歳児では85.5%, 1歳児では88.4%でその後年齢が長ずるにしたがって急性中耳炎の占める割合が減少していた。相対的には滲出性中耳炎が増加した。
    病期分類の結果, 0, 1歳児ともにstage4, 5の合計が全体の半分を占めており, 乳児の急性中耳炎は悪化した例が多いという過去の事実に一致した。2, 3歳児ではstage4, 5が合計25%で, 年齢の上昇とともに重症例が減少していた。
    治癒までの期間を見ると0, 1歳児においてstage1では1ヵ月以内に80%が治癒するが, stage5では55~60%に減少していた。0歳児では両側性が1ヵ月以内に48.6%治癒している。片側性については1ヵ月以内に80.5%が治癒しており, 治癒の傾向は片側性のほうが両側性に比べ良好であり, また年齢に応じて治癒率が向上しているのが認められる。
    [結論] 検証の結果, 病期分類は整合性と妥当性のある分類であると判断した。
  • 波多野 篤, 大橋 正嗣, 宇田川 寛子, 近澤 仁志, 重田 泰史, 中村 将裕, 梅澤 祐二
    2003 年 46 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    声門下狭窄は, 喘鳴や呼吸困難等の気道閉塞症状を呈し, 感染症, 外傷や気管内挿管の後遺症として発症する他に, 原因を特定できないいわゆる特発性の症例もみられる。今回, 軽度の喘鳴と労作時の呼吸困難のため喘息として加療されていた28歳, 女性に対して, 内視鏡検査を行い声門下に全周性狭窄病変を認めた症例を経験した。既知の原因疾患を除外することで特発性と診断し, 各種の画像検査にて狭窄の部位と程度及び周囲構造物との関係等を精査した。病変は輪状軟骨から気管の軟部組織に限局していたため, 気管切開術後, 輪状軟骨を保持しながら気管前壁を縦切開し下方より内視鏡を用いて狭窄病変を切除した後, Tチューブを挿入した。術後経過は良好であった。特発性声門下狭窄に関して診断と治療法を中心に文献的考察を加えて報告した。
  • 鼻中隔のvariation (変異)
    榎本 仁司
    2003 年 46 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻中隔蛮曲症以外の鼻中隔の奇形やvariation (変異) は一般に馴染みが薄く, 記載のある文献も極めて少ないようである。
    今回, 私は経鼻的内視鏡検査の際に認識された「鼻中隔後端部形成不全」と称呼し得る3症例 (42歳男性, 83歳女性, 24歳女性) を鼻中隔の一つのvariationとして報告したい。
    これらの症例には, 経鼻的内視鏡検査において, 反対側の鼻腔後部や耳管咽頭口などを見ることができるという解剖学的特徴がある。そして, CT画像での計測値から, 通常例に比し鋤骨の前後径が非常に短く, かつ鼻中隔後端から上咽頭後壁までの距離が極めて長いという興味ある所見が得られた。また, CT三次元画像では鋤骨後端が欠損しているかのようにアーチ状に前方に強くえぐれており, 内視鏡所見とよく一致している。そして, 今回報告した3症例すべてに高度の鼻中隔湾曲 (症) と著明な鼻咽腔粘膜の慢性炎症所見の合併が見られた。
  • 星野 朝文, 待木 健司
    2003 年 46 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    今回我々は両側耳下腺と一側顎下腺に多発したWarthim腫瘍の稀な1症例を経験した。
    症例は64歳男性で, 耳下部腫脹を主訴に当科を受診し, 超音波検査, MRIにて両側耳下腺と右顎下腺にそれぞれ腫瘍性病変を認めた。手術にて摘出したところ, それぞれWarthin腫瘍と診断され, 特に右顎下部に発生した腫瘍は正常腺組織が周囲に見られたため, 顎下腺由来の腫瘍と診断した。
    Warthin腫瘍は多中心性に多発することが知られるが, 耳下腺と顎下腺の両者に同時発生することは稀である。Warthin腫瘍の多発性について若干の文献的考察を加えて報告する。
  • アンケート調査より
    嶽 良博, 榎本 雅夫, 硲田 猛真, 斎藤 優子, 瀬野 悟史, 池田 浩己, 芝埜 彰, 十河 英世, 船越 宏子, 坂口 幸作, 藤木 ...
    2003 年 46 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症患者におけるスギ花粉回避の実態をアンケート調査によって検討した。対象は2000年スギ花粉飛散期に耳鼻咽喉科を受診した18歳以上のスギ花粉症患者1,365例である。1,365例中509例 (37.3%) がセルフケアを実施していた。セルフケアの内容はマスク使用71.1%, 外出を控える22.6%, メガネを使用する19.5%, 洗濯物や布団を外に干さない16.5%, 帰宅後洗顔, うがい, 鼻洗などを行う6.5%, 窓や戸を開けない2.8%であった。セルフケアの実施率と鼻症状の重症度との問には有意な関係を認めなかった。
    一方, 日常生活の支障度との関係では, 支障度が強くなるにつれセルフケア実施率が有意に高くなっていた。これは, スギ花粉症が鼻症状だけでなく, 眼症状, 咽喉頭症状や皮膚症状など多彩な全身症状を引き起こすことと関係がある可能性が考えられる。
  • 大前 由紀雄
    2003 年 46 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • AHAガイドライン2000を中心に
    小川 武希
    2003 年 46 巻 1 号 p. 64-75
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 成田 賢一, 尾尻 博也, 多田 信平
    2003 年 46 巻 1 号 p. 76-79
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • フィブラート系薬剤とスタチン系薬剤
    北村 正樹
    2003 年 46 巻 1 号 p. 80-84
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 46 巻 1 号 p. 85-98
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 浅賀 英人, 馬場 廣太郎, 今野 渉, 蒲 伸泰, 白坂 邦隆
    2003 年 46 巻 1 号 p. 101-107
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉飛散期における塩酸エピナスチンの有効性および効果発現時期, 持続性の検討を行うために, 平成14年のスギ花粉飛散最盛期に, 野外比較試験 (Single Blind) を実施した。試験開始後よりプラセボ内服群の症状は急速に悪化したが, 塩酸エピナスチン内服群 (20mg) のくしゃみ, 鼻汁, 眼のかゆみの各症状は, スギ花粉大量曝露下において内服3時間後にプラセボ内服群と比べ有意な抑制効果を認めた。またその効果は, 大きな増悪なしに24時間後の翌朝10時まで持続して認められた。塩酸エピナスチンは, スギ花粉飛散最盛期の大量曝露下における症状を即効性をもって抑制し, その効果は1日1回の内服により24時間得られるものと考えられた。
    また野外比較試験は, スギ花粉飛散期に行うことにより患者の症状を自然経過のまま観察, 評価することが可能であり, 抗アレルギー薬を含むさまざまな花粉症治療の臨床効果判定に有用であることが示唆された。
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