耳鼻咽喉科展望
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35 巻 , 1 号
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  • 健康診断および鼻副鼻腔手術における鼻腔通気度測定
    河野 久雄
    1992 年 35 巻 1 号 p. 5-28
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在標準といわれているActive Anterior法による鼻腔通気度検査を耳鼻科健康診断, 鼻腔整復術の手術前後, 上顎洞根本手術既往例に用い, 健康診断および鼻副鼻腔手術の評価に鼻腔通気度検査を用いることの有用性を検討した。また鼻閉, 鼻腔形態と鼻腔通気度との関連を検討した。
    耳鼻科健康診断にノズルAnterior法による鼻腔通気度検査を用いることにより, より正確な鼻閉に対する診断を行えることが示唆された。
    両側鼻腔抵抗値が良好にもかかわらず鼻閉を訴えるものは, 原因として鼻腔通気の左右差および鼻腔上部の通気不良が考えられた。
    鼻腔整復術は鼻閉に対する手術として評価が高いが, 今回術後に鼻腔通気度の良好な改善を認め, この手術法が客観的にも鼻腔通気の改善に有効なことが認められた。
  • 波多野 篤, 大崎 勝一郎, 藤村 哲也, 鄭 鴻祥, 中村 和己, 渡部 和世, 深澤 元晴, 服部 謙志
    1992 年 35 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    七音音階 (ハ調長音階) を用いた耳鳴検査法 (音階法) の持つ特性を明らかにするため, 本検査法で得られる耳鳴ピッチの測定値と通常のピッチマッチ検査法 (ピッチマッチ法) を用いた測定値を比較検討した。各種耳疾患に伴う耳鳴患者73症例73耳を対象として両検査法を用いて耳鳴ピッチを測定し, 擬声語による表現にて変化の認められない27症例27耳につき2回検査を行い, その測定値を比較検討した。音階法によって得られた測定値は, 初回および2回目ともピッチマッチ法の測定値と高い相関を示した。両検査法のいずれを用いても, 初回の測定値は2回目の測定値と比較して高い相関を示した。初回と2回目のピッチマッチ法にて同一の測定値が得られた症例では, 音階法を用いても高い相関を示した。これより, 音階法の最小単位幅が小さいことを考慮すれぼ, 音階法を用いることでピッチマッチ法よりも耳鳴ピッチに関して精査可能な測定値が得られると考える。
  • 森山 寛, 矢部 武, 上出 洋介, 宮野 龍太, 清水 浩昭, 本多 芳男
    1992 年 35 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和45年から平成元年までの20年間に手術した慢性穿孔性中耳炎の初回手術例419耳において耳小骨の可動障害例は121耳28.9%に認められた。耳小骨の可動障害の原因として鼓室内の硝子様変性や石灰化によるもの (いわゆる鼓室硬化症) は62耳14.8%で, ツチ骨前方の固着 (前靱帯や外側靱帯の線維性, 骨性の固着) を認めたものは48耳11.5%, また上鼓室での骨増殖や骨性, 線維性癒着によるツチ骨やキヌタ骨の可動障害は11耳2.6%であった。そしてこれらの可動障害例は年々増加の傾向を示している。性別では鼓室硬化症やツチ骨前方の固着例は女性に多い傾向にあった。また鼓室硬化症においては残存鼓膜の石灰化との間に密接な関係が認められた。これら可動障害例の気導聴力像は低音障害型を示すものが多く見られた。慢性穿孔性中耳炎の手術においては単なる鼓膜形成ではなく, 鼓室形成術の1型を行う必要のある例が少なくないことを念頭におくべきである。
  • とくに高齢者の鼻出血について
    石井 正則, 鶴岡 美果, 実吉 健策, 川勝 康秀, 藤原 朋樹, 米本 友明
    1992 年 35 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1984年から1990年までの7年間で東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科の外来を受診した患者のうち, 鼻出血を主訴として治療をうけた1632名の臨床的統計をおこなった。一般的には, 小児 (10歳以下) と40歳以上に発症年齢のピークがあり, 季節的には6月と冬季 (12月-2月) に外来受診のピークを認めた。そのなかでとくに高齢者 (65歳以上) の患者に注目したところ, 入院するような重篤な鼻出血で, 高齢者の占める割合が増していた。さらに出血部位では, キーゼルバッハ部位 (Kiesselbach's area) より下鼻甲介後端や下鼻道側壁や嗅裂からの出血が増加する傾向がみられた。高齢者では, 高血圧症の既往歴の割合が増し, さらに出血後も高血圧の治療を必要とする患者が多かった。また上顎洞癌や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍を合併することもあり, 高齢者の鼻出血では, 高血圧症や心疾患や悪性腫瘍などの基礎的疾患を考慮に入れながら, 鼻出血の原因と治療にあたるべきであると考えられた。
  • 兼子 幸恵, 青木 和博, 桐谷 伸彦, 山口 龍二, 春名 裕恵, 斉藤 孝夫, 島田 和哉
    1992 年 35 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和24年から昭和63年までの40年間に慈恵医大青戸病院耳鼻咽喉科で行われた手術療法の変遷について報告した。その間の手術件数は年間平均500件から600件であった。手術的療法を耳, 鼻, その他の三つに区分し, 特に炎症性疾患について検討した。
    慢性副鼻腔炎に対する根本手術は1949年から1958年の問, 全鼻科疾患の手術の80%から90%を占めていたが, 昭和27年より始められた保存的手術が1960年以降増加し昭和51年には両手術が数字上で逆転した。保存的手術は, 全鼻科疾患の手術の40%から50%を占めるようになり, 根本手術は減少し, その中には術後性頬部嚢胞症例が多く含まれている。
    手術療法の変遷は耳科手術についても同様である。中耳根本手術は1949年から1958年の間, 全耳科手術の中の70%を示していたが, 鼓室形成術の出現により減少し, 1956年以降10%から20%となり, 乳様突起削開術は昭和29年以降殆どみられなくなった。鼓室形成術が主流であり90%近くになった。
    最近耳鼻科の治療範囲が広がり, その他の手術の中に腫瘍症例も多くなっている。その中で特に目立っているのは, ラリンゴマイクロサージャリーやチュービングが増加していることである。
  • 横田 淳一, 吉本 裕, 今井 壽正
    1992 年 35 巻 1 号 p. 61-69
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    右前頭部受傷後, 左方注視, 固視障害を呈した28歳男性例を報告した。MRIにて右前頭前野 (第10野) 脳挫傷と診断された。左方視にて左眼外転不可, 右眼内転は可能なるも保持は困難であった。しかし, 右眼遮眼で左眼外転は不完全ながら一瞬可能な一方, 左眼遮眼で左眼外転, 右眼内転位保持 (眼振を伴う) は可能であった。VOR, OKNは両側正常, ETTもpursuitは可能な事等から大脳障害による非共同注視, 固視障害と診断した。神経学的に他に所見は認められず, ただし, 神経心理学的に注意力低下, 思考緩慢など前頭前野障害症状が認められた。現在, 眼球運動の高次大脳中枢は明らかでないが, frontal eye field (FEF) は中枢の一つと考えられている。FEFは脳幹PPRFと密な線維連絡をし, FEF破壊例で固視障害も報告され, 更にFEF領域は8野のみならず前頭前野9野にも及んでいる事などから, 本例は前頭前野挫傷によるFEFへの線維連絡遮断による眼球運動障害と推察した。
  • 1992 年 35 巻 1 号 p. 71-100
    発行日: 1992/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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