耳鼻咽喉科展望
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 源馬 亜希, 飯村 慈朗, 竹下 直宏, 井上 大介, 岡田 晋一, 近藤 農, 三浦 正寛, 千葉 伸太郎, 太田 史一
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 6 号 p. 261-266
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー

     今回われわれは, 過去8年間に当科で鼻副鼻腔内反性乳頭腫に対して内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行し, 術後6ヵ月以上経過した39症例を対象に, 患者背景, 観察期間, 初回手術・再手術, 腫瘍の進展範囲, 治療方法, 再発率, 再発時期, 再発腫瘍基部について後ろ向きに検討を行った。 年齢は平均54.9歳, 男性26例, 女性13例, 術後観察期間は平均30.44ヵ月, 初回手術症例は36例, 過去に内視鏡下鼻副鼻腔手術の施行歴がある再手術症例は3例であった。 進展度は T1 が1例, T2 が11例, T3 が27例, T4 が0例。 再発は2/39例 (5.13%) でいずれも T3 症例であった。

     今後さらに再発率を低下させるには, 現在当科が行っている術前基部推定や分割切除で基部を明視下においたうえで完全に腫瘍基部を摘出することや, 骨肥厚部の骨削除に加え, Margin study の追加や再手術症例に対する拡大手術を考慮していく必要があると考えた。

  • 高橋 昌寛, 山本 裕, 石垣 高志, 清野 洋一, 小島 博己
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 6 号 p. 267-272
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー

     即発性麻痺を呈する外傷性顔面神経麻痺の保存的加療による治癒率は低いため顔面神経減荷術の適応となることが多い。 施行時期に関して明確な基準はないが即発性麻痺の場合は2週間以内に顔面神経減荷術を施行することが望ましいという報告がある。 しかし実際に2週間以内に手術を施行できることは少ない。

     今回, 即発性麻痺を呈する外傷性顔面神経麻痺の2例を経験した。 2例とも完全麻痺であり, 早期に耳鼻咽喉科に連絡があったため, 受傷後2週間以内に手術を行うことができた。 その結果, 1例目は8点から36点まで改善し治癒基準を満たし, 2例目は6点から28点まで改善した。

     顔面神経減荷術は, 一般的に発症1週間から10日程度で ENoG などの予後判定検査を行ったうえで適応を検討するが, 即発性麻痺を呈する外傷性顔面神経麻痺症例はより早期に手術を施行するため, 遅発性麻痺やその他の顔面神経麻痺とは一線を画した対応が求められる。 しかし, 外傷性顔面神経麻痺症例は意識障害を伴うことが多く, 耳鼻咽喉科受診が遅れたり手術可能な病院への紹介が遅れたりすることで適切な診断, 治療が行うことが難しい。 早期治療のためには他科との連携や地域連携を密にし, 当科へ紹介後は, 速やかに画像検査, 予後判定検査を行うことが重要である。

  • 長岡 真人, 鄭 雅誠, 森野 常太郎, 小島 博己
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 6 号 p. 273-279
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー

     両側内頸静脈結紮は頭蓋内圧亢進症状を来たし, 時に死亡に至る危険な手技として認識されている。 そのため, 両側内頸静脈結紮が必要となるような症例は原則として手術非適応とされている。 今回われわれは, 原発不明癌の頸部リンパ節転移に対して片側根治的頸部郭清術後に反対側の頸部リンパ節転移を来たした症例を経験した。 反対側の頸部リンパ節転移病変は画像検査上内頸静脈に一部浸潤していることが予測された。 そのため, 事前に大伏在静脈を用いた内頸静脈再建術を計画し, 内頸静脈欠損部位に対して大伏在静脈のパッチ形成を施行した。 内頸静脈の遮断時間は45分間であった。 手術中に重篤な合併症を起こすことなく, 安全に頸部郭清術を施行することができた。 また手術後温存した内頸静脈の灌流も良好であった。 両側内頸静脈の結紮を回避し頭蓋内圧亢進等による重篤な合併症を予防する方法として, 大伏在静脈による内頸静脈のパッチ再建法は安全かつ簡便に実施できる静脈再建法として有用である。

境界領域
  • 石氏 陽三
    2019 年 62 巻 6 号 p. 280-290
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー

     アトピー性皮膚炎は, 皮膚バリア機能異常及び免疫異常をもとに慢性的に湿疹性病変や痒みを生じる炎症性皮膚疾患である。 病因が単一ではなく, 複数の要因が相互に影響し合うことにより複雑な病態を形成している。 従来のアトピー性皮膚炎治療は,外用薬, 内服薬や光線治療などが主なものであり, 選択肢は限られていた。 しかし, 近年, さまざまな研究の進歩により病態メカニズム解明が進み, 特定の分子をターゲットとした治療薬が開発されてきた。 そして, 新に抗体製剤が本邦においても使用可能となり, それまで難治性であった患者への有効性が実証されている。 さらに今後, 抗体製剤を含めた新規治療薬が登場予定であり, アトピー性皮膚炎治療は大きな転換期を迎えようとしている。 本稿では, 今後, 新たに出現する予定の新規治療薬を含め, 最新のアトピー性皮膚炎診療に対する考え方について概説する。

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